死ぬまで働け?
MONEY VOICE
【転載開始】
死ぬまで働け?
政府案「70歳雇用の努力義務化」
で年金不足を企業に丸投げへ
これが一億総活躍社会?企業に国民の
「老後」を押し付ける政府
2019年5月22日
■死ぬまで働く「人生100年時代」
70歳まで働くのは当たり前の社会。
「人生100年時代」とは、元気なうちは
いつまでも働きなさいということなので
しょう。
いったい何のために、誰のために、
働くのでしょうか。
自分自身のためとするならば、それは
老後の生活費のため・・・。
国のためとするならば、
それは国家財政を健全化するため・・・。
年金は頼りにならない。
これからは自分で生き抜くしかない
かつては60歳までしっかりと働けば、
後は年金でゆっくりと暮らせるはず
でした。
しかし、日本は少子高齢化が加速
するということを理解していながらも、
・選挙のために社会保障制度を厚くすれ
ども削減等の見直しをしてこなかった
・財政再建を先送りして公共事業を拡大
してきた(すべてが悪いわけではない
ですが)という現状があります。
それによって今日のような、もうどう
しようもない日本国家の構造になって
しまっています。
そして、その「つけ」を私たち国民が
払わされているとしたら・・・。
納得はいかないですが、責任論ばかり
を追及していても何も解決せず、国が
面倒を見てくれなくなったら自分達で
なんとかしなければならないわけで、
もう自助努力で自分達のことは自分達
で何とかしなければならない状況に
追い込まれていることは間違いないで
しょう。
まぁ、国会議員は定員削減はできず、
事実参議院定数は増え、自分達の歳費
削減すらできないわけで、財政再建の
ための負担は企業や国民に強いられる
のは、納得いかなくても仕方が無い
ことなのでしょうね。
「人生100年時代」という言葉には、
健康寿命が延びたことの「陽」の部分
だけでない政府側の思惑を感じます。
つまり、今後の日本社会のあり方、
ありていに言えば 「年金を当てにしないで」
という、 さらには「働いて医療費を負担して」
というメッセージが込められている
ような気がしてならないのですが、
どうでしょう。
■「70歳雇用」企業に努力義務
企業側からすれば、70歳雇用を
「努力義務」と政府に言われることは、
「雇用者の面倒は企業側がみてあげて」
と国が言っているようにも聞こえるの
ではないでしょうか。
政府は5月15日、希望する高齢者が
70歳まで働けるようにするための
高年齢者雇用安定法改正案の骨格を
発表しました。
企業の選択肢として、次の7項目を挙げ
ています。
(1)定年延長
(2)定年廃止
(3)契約社員などでの再雇用
ここまでは現行法で、企業に希望者全員
の65歳までの雇用を義務付けるものと
なっています。
これが70歳を前提にされるようになります。
そして今回、新たな努力義務が追加され
ています。
■新たに追加される「70歳雇用」の
努力義務は?
以下、現行法にある
(1)〜(3)の 項目は70歳までを前提に
されるように なり、新たに(4)〜(7)
の項目の 追加が法改正で実現の方向と
なります。
(1)定年延長
(2)定年廃止
(3)契約社員などでの再雇用
(4)他企業への再就職支援
(5)フリーランスで働くための資金提供
(6)起業支援
(7)NPO活動などへの資金提供
(1)~(3)は同じ企業で働く場合で、
(4)~(7)は社外に出ることを想定
しています。
「他企業への再就職支援」はともかく、
「起業支援」というのはどういうもの
なのでしょうね。
「フリーランスになるための資金提供」
というのもあまりイメージがわかない
ですね。
■「70歳雇用」に経済効果を期待?
高年齢者雇用安定法により、
60~64歳までの就業率は2018年に
68.8%で、2013年と比べて
9.9ポイント上昇したとあります。
法改正で65歳以上の方の就業率も
上がることになるのでしょうか。
内閣府の試算によると、
65~69歳の就業率が60~64歳と
同水準になれば、就業者数は
217万人増えることになるようですよ。
勤労所得は8.2兆円増加し、消費支出
は4.1兆円のプラスとの見解が紹介
されています。
70歳雇用がなんらかの経済効果を
もたらすのかどうかは、よくわかり
ませんね。
■一億総活躍社会とは?
以前、「一億総活躍社会」について、
当メルマガでも検証したことがあり
ますが、そのとき、以下のような指摘
を書きました。
この「一億総活躍社会」とは、
女性も男性も、お年寄りも若者も、
一度失敗を経験した方も、障害や
難病のある方も、誰もが活躍できる
社会と表現していますが、ようは、
日本人全員で働いてGDPを押し
上げようということなのです。
現在のGDPは名目で約490兆円、
安倍総理の目標額600兆円にする
には、あと110兆円増やさなけれ
ばなりません。
人口減少の今の日本において、
どうしても労働者の数を増やさ
ないといけないということなの
です。
そのためには女性にも高齢者にも、
障害者の人にも働いてもらおうと
いうのが、一億総活躍の意味なの
ですね。
そういわれると「一億総活躍」
というネーミングが理解できます。
■法改正の目的は「全員で死ぬまで働く」
を実現すること
今回の改正案に関しても、2018年
の15~64歳の「生産年齢人口」は
前年比51万2,000人減の 7,545万1,000人
だそうで、総人口に 占める割合は59.7%
と、1950年以来 最低となったということが、
法改正の 背景にはあるのかもしれません。
30年後の2049年には約5,300万人と
足元から3割減る計算になり、 今回の
改革は、生産年齢人口の減少を踏まえ、
経済や社会保障の担い手 を増やすのが
狙いだとの指摘もある ようです。
報道では、この「70歳雇用」を報じる
記事を、
・政府は雇用制度と併せて年金制度も
見直す
・公的年金の受給開始年齢を70歳以降
でも可能にする
・その分、受給額を増やす仕組みだ
・高齢者の就労を促す効果を見込む
と締めくくっています。
■政府の心の声を想像すると、
・もう老後のことは国に頼らないで…
・雇用者のことは企業に何とかして
もらおう…
・自分の将来は自分達でなんとかして。
そのかわり、働けるうちは働ける
ようにするから…
・元気なうちは生涯現役でいこうよ…
・そのうちに副業もできるようにするから…
・みんなで国を支えてね…
と言われているような気がするのですがね。
【転載終了】
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長期の割には、これほど期待できない
政権も珍しいですね。
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