開戦の口実に使える出来事を欲しがっている米英・・・
桜井ジャーナル
【転載開始】
■開戦の口実に使える出来事を
欲しがっている米英の好戦派
イランが運行するタンカー
「グレイス 1」をイギリスの海兵隊
がジブラルタル沖の公海上で拿捕
した後、IRGC(イラン革命防衛隊)
の元司令官が報復としてイギリスの
艦船を拿捕するべきだと発言した。
それを受けてイギリスのBPが運行
する「ブリティッシュ・ヘリテイジ」
はサウジアラビアの沿岸近くへ避難。
アメリカ政府の高官はIRGCの艦船
5隻が「ブリティッシュ・ヘリテイジ」
に近づいたと話しているが、
IRGCの司令官はそうした事実はない
と否定している。
イギリスによるイランのタンカー
拿捕は海賊行為に等しく、報復され
ても仕方がない。
アメリカやイギリスはそれを狙って
いたのだろう。
自分たちの行為は棚に上げてイラン
を批判、攻撃の口実にしようという
ことだ。
本ブログでは何度か指摘したが、
アメリカ軍の幹部はイランへの軍事
侵攻を嫌がっている。
イラクを先制攻撃したときは大量
破壊兵器、今回は核開発を口実に
しようとしている。
イラクの大量破壊兵器は嘘だった。
今回は核兵器の開発に結びつけよう
としているが、これも事実の裏付け
がない。
アメリカ軍が開戦に反対している
もう一つに理由はイラクの時と同じ
で、作戦が無謀だということ。
2003年にイラクを侵略する際、
ドナルド・ラムズフェルド国防長官
は10万人で十分だと主張していたが、
エリック・シンセキ陸軍参謀総長
(当時)は治安を保つためには
80万人が必要だとしていた。
結局、約31万人が投入されたのだが、
足りなかった。
そのイラクの人口は約2600万人
であるのに対し、イランは8100万人。
3倍強だ。
イラクで80万人が必要だったという
想定が正しいとするならば、
イランでは240万人以上が必要という
ことになる。
そこでヨーロッパや日本のような属国
に派兵を求めるつもりなのだろうが、
それでも足りない。
こうした無謀な戦争を誰が望んで
いるのかということだが、国では
イスラエルやサウジアラビア。
いずれもイギリスが作り上げた国だ。
アメリカとイランとの関係が一気
に緊張するのはドナルド・トランプ
米首相が5月8日、JCPOA
(包括的共同作業計画)からの一方的
な離脱を宣言してから。
このJCPOAは2015年7月に発表
されて翌年の1月に発効。
署名したのは国連の常任理事国
(中国、フランス、ロシア、イギリス、
アメリカ)とドイツのP5+1、さらに
EUとイランだ。
このときのアメリカ大統領は
バラク・オバマだが、その年には
シリアに対する軍事侵略の準備を
整えつつあった。
シリアに対する直接的な軍事介入に
慎重な姿勢を見せていた
チャック・ヘーゲル国防長官や
マーチン・ デンプシー統合参謀本部
議長が排除され、好戦派に交代させて
いるのだ。
ヘーゲルは2015年2月に解任、
デンプシーは同年9月に再任が拒否
されている。
ヘーゲルの後任長官に選ばれた
アシュトン・カーターは2006年に
ハーバード大学で朝鮮空爆を主張、
ダンフォードの後任議長の
ジョセフ・ダンフォードはロシア を
アメリカにとって最大の脅威だと
主張する軍人だ。
2014年にはダーイッシュ
(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)
が売り出されたが、 12年の段階でそう
なることを警告 する報告がホワイト
ハウスへ提出 されている。
この報告をしたのはアメリカ軍の
情報機関DIA。
当時、オバマ政権はシリアの反政府軍
への支援を進めていた。
すでにリビアの戦争でアメリカ/NATO
はアル・カイダ系武装集団を使っている
ことが判明、そこでシリアでは「穏健派」
を助けているのだと主張していた。
それに対し、DIAが2012年8月に
ホワイトハウスへ提出した報告書には、
シリアで政府軍と戦っている武装勢力の
主力はサラフ主義者や ムスリム同胞団で、
アル・カイダ系 のアル・ヌスラ
(AQIと実態は同じ だと指摘されていた)
という名称も 書かれていた。
さらに、オバマ政権の武装勢力支援策
はシリアの東部(ハサカやデリゾール)
にサラフ主義者の支配地域を作ること
になるとも警告していた。
その警告が2014年にダーイッシュと
いう形で現実なったのだ。
DIAが報告書を出した2012年8月当時、
オバマ政権はシリアを軍事侵略する口実
として化学兵器を考えていたことが
わかっている。
シリアに対する直接的な直接的な軍事介入
の「レッド・ライン」は生物化学兵器の
使用だとバラク・オバマ大統領が宣言した
のだ。
ジョージ・W・ブッシュ政権がイラクを
先制攻撃するときと同じ手口だ。
オバマはチェンジしていない。
その化学兵器を口実に使うという策略
はロシアのアドバイスでシリア政府が
化学兵器を廃棄したこともあり、
思惑通りには進んでいない。
そうした中、登場してきたのが ダーイッシュ。
その残虐性が演出され、アメリカ軍の介入を
正当化しようとした可能性が高い。
このダーイッシュを使った計画は
2015年9月末にロシア軍がシリア政府
の要請で軍事介入したことで破綻する。
それから間もなくして、シリア侵略で
アメリカの同盟国だったトルコが離脱、
ロシアへ接近している。
1992年にソ連が消滅、ロシアが
アメリカの属国になったという前提で
始まったアメリカの世界制覇プランは
ロシアの再独立で迷走している。
ロシアを再属国化するのが先か、
イランが先かでシオニストは割れた。
しかもシオニストの戦略にアメリカ軍が
異を唱えている。
軍も割れているようだ。
統合参謀本部ではイラン攻撃に否定的な
意見が多いようだが、中央軍や特殊作戦軍
は違う。
6月17日と18日にヘンリー・キッシンジャー
は国防総省を訪問、17日にはマイク・
ポンペオがフロリダのマクディル空軍基地
で央軍や特殊作戦軍の人間と会っている。
支配層内部の反対を押し切って開戦に
持って行くためには、それだけ衝撃的な
出来事を演出する必要があるだろう。
【転載終了】
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万一、突発的な戦闘が起こってしまった
場合、融資連合に自衛隊も参加させられる
でしょうから、日本は友好国の一つを失う
ことになりかねませんね。
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