対米従属と冷戦構造が崩れる日本周辺!

 田中宇の国際ニュース解説 


 【転載開始】


 ■対米従属と冷戦構造が崩れる日本周辺 

 2019年8月16日  


 7月23日に、中国とロシアの 

爆撃機などの編隊が、日韓の係争地 

で韓国が実効支配している独島 

(竹島)の領空を初めて侵犯し、 

韓国軍機がロシア軍機に近づいて 

猛烈に警告射撃した事件は、それ 

自体が、驚きや疑問(露中の意図 

など、政治的に興味深い分析のネタ)

 の多いものだった

 (日本海が「中露の海」になった

ことなど)。

 だが、事件自体よりも驚きだった

のが、 事件後、米国のエスパー

新国防長官が、 事件について語る

ときに独島(竹島)を

「(日韓の係争地でなく)韓国領」 

であるとさらりと言ったことだ。 

そしてさらに驚きなのは、日本政府

がこの発言に関して米国に修正を

求めず、 米国防総省がその後何の

言い直しも せず「竹島は韓国領」と

いうことが国際的に確定するのを

日本政府が容認していることだ。 


 日本政府は竹島問題について、 

喧嘩相手の韓国にはさかんに文句

を言い続けているが、行司役である 

米国が「韓国の勝ち」を宣言して 

しまったことに対しては黙っている。 

日本国民の多くは、このことに気づ 

いてすらいない。 

日本政府は大事なこと 

(米国を味方につけること)をやらず、 

どうでも良いこと(韓国との喧嘩) 

にうつつを抜かしている。 

国際的に見て、竹島はもう韓国のものだ。 


 日本はなぜ竹島の領有権を事実上 

放棄したのか。 

日本政府が馬鹿だから?。多分違う。 

日本政府は意図的に竹島の領有権を 

目立たないように放棄したと私は考える。

私の見立ては、安倍政権が、日韓の 

対立関係の中心を、これまでの戦争 

犯罪関係や竹島問題から、半導体 

など貿易戦争に移していることの 

一環が、今回の竹島放棄だ。 

安倍はおそらくトランプにそそのか 

されて、日韓の対立を激化している。 

覇権放棄屋であるトランプの、 日本

など極東での目標は、米朝対立を解消

して北朝鮮を中国の傘下で安定させ、

在韓・在日米軍を撤退すること、 

日本を中国、ロシア、北朝鮮と仲良く 

させて、対米従属しなくても良い状態 

にすることだ。 


 日本はこれまで対米従属を続ける 

ため、中国、ロシア、北朝鮮、韓国 

のすべてと仲が悪い状態を好んで 

きた。 

日本はまた、韓国や中国との間で戦争

責任問題を意識的にこじらせ、中韓が

日本独自の軍事拡張に反対するよう

仕向けることで、米国が日本に要求する

対米自立的な軍事拡張をやりにくくする

とこで、 対米従属を維持しやすくして

きた。 

日本が対米自立すると、日本の権力が

官僚機構(非民主的な勢力)から国会

(民選された政治家)に 移るので、

官僚機構は自分たちの隠然独裁的な権力

を維持するため、 対米従属を必要として

きた。 

他の諸国は、米国から露骨な意地悪を

されるとナショナリズムが 扇動され

反米姿勢が増して対米自立へと押し

やられるが、官僚機構は 「戦争責任」

を口実にナショナリズム を抑制して

おり、米国が意地悪をしても官僚の

傀儡であるマスコミ が換骨奪胎して

報道し、反米ナショナリズムが醸成

されず、 対米自立への動きが起きない。 

戦争責任問題が長引くほど、日本は

官僚独裁と対米従属を延命できる。  


 トランプはこの構造を破壊すべく、 

安倍と個人的に親しくなり、安倍が 

トランプの後ろ盾を得て官僚 

(外務省など)から権力を奪って 

自らの独裁を強化するよう仕向け、 

その上で

「在日米軍を撤退させたいので軍事

外交的に対米自立せよ」

「韓国との対立だけを扇動し、それ 

を目くらましとして、北朝鮮やロシア

や中国と関係を改善し、 在日米軍撤退

に備えよ」 

「韓国との対立で戦争責任問題を使う

のをやめて、貿易戦争に特化せよ。

そうすれば軍事的に対米自立 しやすい

し、あとで韓国と仲直りするのも簡単だ」

などとけしかけ たのでないか。

これは想像にすぎ ない。 

 【転載終了】

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 確かに、トランプは歴代の米大統領 

とは違うような気がしますが。 

本当に戦略的に政策を実行しているの 

かわからないですよね。 

もし、事実なら大きな資本の力が背後 

にあるのでしょう。 


 また、安倍首相が本当にトランプの 

狙いを理解しているのか?は疑問です 

よね。 


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