日本の食料自給率、危機的水準に下落・・・
Business Journal
【転載開始】
■日本の食料自給率、危機的水準に下落・・・
2050年、輸入価格高騰や食料確保困難も
2019.09.02
農林水産省は8月6日、2018年の
食料自給率が過去最低の37%に
なったことを発表した。
農林水産省は、天候不順により小麦
や大豆の国内生産量が落ち込んだ
ことが要因としているが、その説明
は問題の本質を覆い隠している。
過去に食料自給率が37%になった
ことがあった。
それは、1993年の米の凶作で大量輸入
に追い込まれた時であった。
同年は記録的な冷夏となり、日本全国
の作況指数は「著しい不良」の水準と
なる90を大きく下回る74となった。
やませの影響が大きかった青森県が28、
岩手県が30、宮城県が37という低い
数字となり、下北半島では「収穫が皆無」
を示す、作況指数0の地域も続出した。
では、なぜ2018年はそのような凶作
がなかったのに、食料自給率が37%と
なったのであろうか。
まず、1993年と2018年の品目別
自給率を比べると、以下のようになる。
※以下、左側が1993年、右側が2018年
の数値。単位:%。
米:75→97 小麦 10→12
芋類 89→73 豆類 4→7
大豆 2→6 野菜 88→77
果実 53→38 肉類(鯨肉を除く)64→51
牛肉 44→36 豚肉 69→48
鶏肉 77→64 牛乳・乳製品 80→59
魚介類 67→55 油脂類 17→13
これを見てわかるように、18年は
1993年と比べると米、小麦、豆類、
大豆の自給率が上がっている一方、
芋類(16ポイント減)、
野菜(11ポイント減)、
果実(15ポイント減)、
肉類(13ポイント減)、
牛肉(8ポイント減)、
豚肉(21ポイント減)、
鶏肉(13ポイント減)、
牛乳・乳製品(21ポイント減)、
魚介類(12ポイント減)、
油脂類(4ポイント減)などの自給率が
大幅に下落しているのである。
これが食料自給率低下の原因である。
そして、食料自給率は今後も低下し
続ける可能性が高い。
大きな要因は、TPP11や日EU経済連携
協定による牛肉、豚肉、乳製品、野菜、
果実の輸入農産物の急増が続いている
のに加え、現在交渉中の日米FTAに
よって、食料輸入が急増する見通しが
あるからである。
政府は、食料自給率を2025年度までに
45%に引き上げる目標を掲げながら、
37%まで下落させ、さらに輸入自由化
を主導して、さらなる食料自給率下落
の方向を強めている。
この政府の無責任さには、呆れるばかり
である。
今、世界的に食糧危機問題が叫ばれ
ている。
世界人口が2050年に現在の76億人から
97億人に増加するなかで、食料供給が
追いつかない可能性が高いためだ。
8月に発表されたIPCC(国連気候変動に
関する政府間パネル)特別報告において
も、すでに頻発している洪水や干ばつの
影響に人口増加が相まって、2050年に
穀物価格が最大23%値上がり、食料不足
や飢餓のリスクが高まるとしている。
このような時、食料の約7割を輸入に
頼る日本が、食料を確保できない事態に
遭遇する可能性も指摘されている。
このような見通しが出されている以上、
輸入自由化による食料自給率下落をなん
としても回避するとともに、本格的に
食料安全保障を真剣に議論する局面に
直面しているといえる。
(文=小倉正行/フリーライター)
【転載終了】
**************************
30年後になくなってしまうものに、
「年金原資」「甲子園大会」、そして、
自給率が落ちて、国民が食料調達が困難
になってしまうということでしょうか。
国民のほとんどが、このような情報が
ないため、非常に呑気に暮らしているの
が現実でしょうね。
0コメント