「外国人が働きたい国」で日本が33カ国中32位―!

 ITmedia ビジネスオンライン 


 【転載開始】


 ■「外国人が働きたい国」で日本が 

 33カ国中32位― 

 この国の“真に深刻な問題”とは 

 2019年09月27日  


 外国人が働きたい国ランキングで日本が 

最下位から2番目だったことが話題になって 

いる。 

簡単に言ってしまうと、日本の賃金が大幅 

に下がっており、外国人にとって魅力が 

なくなったという話だが、もう少し掘り 

下げてみると、このランキングは、

日本人 の働き方について多くの示唆を与え

てくれる。


 ■ポイントは「賃金」と「ワークライフバランス」 


 英金融大手HSBCホールディングスは7月、 

「各国の駐在員が働きたい国ランキング」

 の最新版を発表した。 

日本は調査対象33カ国(地域含む)中32位 

という少しばかりショッキングな結果と 

なった。 

このランキングについては、一方的な評価 

だと批判する声も聞かれるが、「やっぱりな」 

「それはそうだろう」と肯定的に捉える人が 

多かったようである。 


 HSBCホールディングスが発表した2019年 

の「各国の駐在員が働きたい国ランキング」 

https://image.itmedia.co.jp/l/im/business /

articles/1909/27/l_rh_fworkj02.jpg 


 ちなみにこのランキングの1位はスイス、 

2位はシンガポール、3位はカナダ、4位は 

スペイン、5位はニュージーランド、 

6位はオーストラリアで、逆に日本より評価 

が低かった最下位の国はブラジルだった。  


 こうしたランキングが報じられるたびに、 

異なる文化の国を一律に比較しても意味が 

ないといった「国際比較無意味論」が出て

くるのだが、こうした意見を条件反射的に 

口走ってしまう人は、残念ながら物事の 

表面しか見ていない。 

ランキングを行うのは、単なる順位付けだけ 

ではなく、評価基準をあえて統一することで、 

これまで見過ごされてきた各国の違いを 

再認識させるという目的もある。 

諸問題の解決策を探るにあたって、国際比較 

ほど有益な情報源は無い。 


 では、今回のランキングから何が分かる 

だろうか。 


 上位に並んでいる国を見ると、2つの特長 

が浮かび上がってくる。 

スイス、シンガポールがその典型だが、 

極めて賃金が高く、完璧なビジネス環境が 

整備されていることである。 

個別項目の評価結果を見ると、スイスは 

圧倒的に賃金のポイントが高いが、 

幸福感や満足感といった項目のポイントは 

低い。 

シンガポールも似たような結果で、賃金 

では圧倒的な高得点だが、ワークライフ 

バランスは低い。


 ■結局、賃金が低ければ不人気 


 世の中には、ハードワーカーと呼ばれる 

人が一定数存在しており、それはそれで1つ 

の価値観である。 

限界まで働いて高い年収を得ようという人 

にとって、ワークライフバランスは重要な 

テーマではない。 

問題は、各ビジネスパーソンが、自分が 

どんな人生を送りたいのか主体的に選択でき 

ることである。  


 HSBCホールディングスが発表した2019年 

の「各国の駐在員に聞いた賃金の高い国ラン 

キング」

 https://image.itmedia.co.jp/l/im/business /

articles/1909/27/l_rh_fworkj03.jpg 

 一方、カナダ、スペイン、ニュージーランド 

といった国は、ガツガツ仕事をしない国と 

いうのが一般的イメージだが、実際、この 

ランキングでもワークライフバランスと 

いった項目の点数が高く、これが総合順位を 

押し上げた。 


 筆者が先日、香港に行った時のこと、 

ホテルのフロントで諸手続きに少し時間が 

かかり、30代と思われるフロント係と少し 

雑談する羽目になった。 

カナダで育った彼は、親族の要請で香港に 

移り住んだそうだが、 

「(香港はカナダと比べて)仕事がキツくて 

大変だ」とこぼしていた。 

カナダにいた時には、残業することなど考え 

られなかったそうである。 

ちなみに香港は全体で15位と中位ランクだが、 

やはり賃金の高さでポイントを稼いでおり、 

ワークライフバランスの点数は悪い。 


 もっとも、カナダ、スペイン、 ニュージーランド

など、ワークライフバランス が高い国は、

それだけで点数を稼いでいる わけではないという

点にも注意が必要である。 

これらの国の賃金は、最上位でこそないが、 

相対的な順位はそこまで低いわけではない。 

いくら残業時間が少なくても、生活が苦しい 

状況では、満足度は上がらないと思った方が 

よいだろう。 


 これに加えてランキングが高い国は、 

教育環境が充実しているという共通項がある。 

誰にとっても子どもは大事であり、どれほど 

高賃金で、ワークライフバランスが良くても、 

教育環境が悪ければ、やはり総合評価は上が 

らない。 


  こうした事実を踏まえて、日本の個別評価 

を見てみると、厳しい現実が浮かび上がって 

くる。


 ■日本人が海外で「出稼ぎ」する未来も? 


 日本のランキングが著しく低いのは、 

何かが大きく足を引っ張っているのではなく、 

全ての項目において評価が低いことが原因で 

ある。 

具体的に言うと、賃金については最下位、 

ワークライフバランスについても最下位、 

子どもの教育環境についても最下位であった。


 この結果を見る限り、国が違っても、 

ビジネスパーソンが求めるものにそれ 

ほど大きな違いはないことが分かる。 

今の日本でもっとも大きな課題となって 

いるのは、低賃金、長時間労働、子育て 

の3つであることは誰もが認める事実 

だろう。 

日本は全ての項目で評価が低いので、 

全体のランキングも下がってしまった 

だけだ。 

ここで国際比較うんぬんは関係ない。 


 少々気になるのは、日本よりランク 

が上位の国の中に、ベトナム(10位)、 

フィリピン(24位)、インドネシア (31位)

といった国が入っていることである。 


 安倍政権は、深刻な人手不足に対応 

するため、外国人労働者の本格的な受け

入れをスタートしており、日本は 事実上

の移民政策に舵を切った。 

日本企業が求めているのは安価に雇える

外国人労働者であり、具体的には フィリピン、

インドネシア、ベトナム といった国から

の来日を想定している。  


 だが、外国人にとって日本はこれら 

3国よりも魅力のない国となっており、 

このままでは、外国人労働者すら来て 

くれない可能性もある。 

このHSBCのランキングは、あくまで 

駐在員を対象としたものであり、 

単純労働者にアンケートを取ったもの 

ではないが、マクロ的には同じ傾向を 

示すと考えてよいだろう。  


 下手をすると、日本は外国人労働者 

を受け入れるのではなく、外国に出稼ぎ 

に行くことすら求められる可能性も出て 

きたといってよいだろう。 

 加谷珪一(かや けいいち/経済評論家) 


  【転載終了】 

 ************************** 


 安倍政権になってからあらゆる数字 

が悪くなっていますが、このような 

数字まで悪化しているとは。 


 数年前から、何れ日本人が海外に 

出稼ぎに行くようになるということ 

は語られていましたね。

 

LC=相棒's のじじ~放談!

時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

0コメント

  • 1000 / 1000