マネーポストWEB 12/3(火) 配信
【転載開始】
■6割以上が教育格差を「容認」の異常事態
諦めるしかないのか?
来年度から始まる大学入学共通テスト
で導入予定だった英語の民間試験に
ついて、萩生田光一文科相の「身の丈」
発言が「教育格差を容認する」として、
猛批判を受けた。
だが、萩生田氏の発言は、図らずも、
不利な状況にある家庭と地域に育った
多くの子供たちが、自らの『身の丈』
に合った生き方を選択することになる
『教育格差社会』であるということを
改めて浮き彫りにする形となった。
実際、大規模社会調査では、生まれ た
「地域」や「家庭」によって、
大学進学率が大きく左右されることが
明らかになっている。
さらに、昨年、朝日新聞社とベネッセ
教育総合研究所が実施したアンケート
調査で、受け入れがたい事実が明らかに
なった。
「所得の多い家庭の子の方がよりよい
教育を受けられる傾向をどう思うか」 と
いう質問に対し、「当然だ」と答えた人の
割合は2004年は3.9%だったのに対し、
2018年には9.7%にまで増加。
「やむを得ない」の52.6%を含めると、
実に6割以上の人が教育格差を容認して
いることがわかる。
「門題だ」と感じている人は、かつては
半数以上いたのに、直近ではたったの
34.3%だった。
本来、すべての国民が平等に教育を
受けられることが、民主主義国家の
大前提であるはずなのに、多くの人が
どこか諦めていて、
「受けられなくて 当然」という風潮が
築かれつつあるのは異常事態と言っていい。
『上級国民/下級国民』(小学館新書)
の著者で作家の橘玲さんが指摘する。
「これまでは、『どんな子供でも教育の
機会さえ平等にあれば、がんばった分だけ
伸びていく』という“教育幻想”があり、
それで社会が成り立っている側面もありま
した。
しかし、高校が全入になり、大学も行き
たければどこかには入れるようになると
教育のありがたみが薄れ、
『子供の教育にお金をかけてもたいした
メリットはない』というように教育幻想
は崩れてきているのではないでしょうか」
だが、かつての日本には教育格差のない
社会もあったという。
「明治維新より以前は、武士の子供だけ
が出世できる身分制社会でした。 しかし、
明治維新で四民平等になると、 旧制高校が
各地に整備され、農民でも商人でも教育の
機会を得られるようになりました。また、
第2次世界大戦で国土が焼け野原になった後
も、各都道府県に国立大学が設立され、各
地域 で平等な教育を受けられるようになる
など、同様の“ガラガラポン”が起きました。
しかし、70年以上も平和で自由で豊かな
資本主義社会が続くうち、富める者はより
富み、そうでない者は貧しいままという経済
格差が拡大。 そして、それが教育格差にも
つながって いるのでしょう」(橘さん)
『アンダークラス──新たな下層階級 の出現』
(ちくま新書)の著者で早稲田 大学人間科学
学術院教授の橋本健二さん も続ける。
「戦後、復興とともに格差が広がり続け、
いちばん拡大したのは1960年頃。それから
高度経済成長によって格差は どんどん縮小し、
『一億総中流社会』 といわれる時代が到来
しますが、 1975年頃に格差が最も小さく
なって 以降は反転し、また格差は拡大し続け
ています」
甘んじて受け入れるほかないのだろうか。
「まずは、国の税金で賄っている 国立大学
が定員を増やし、学力が平均 レベルの子でも
入れるようにするべき でしょう。アメリカでは、
裕福な家庭 の勉強ができる子は私学に行って、
そうでない子は学費が基本無料の州立大に行き
ます。そうしたお金による格差を最低限なくす
努力は国ができる はずです。
また、個人でできることとしては、 お金の
かかる習い事よりも、まずは 食事や睡眠など、
基本的な生活習慣 を子供に身につけさせること
が何よりも重要です。その習慣が身心の健康を
つくり、生活サイクルが生まれる ことで日々の
勉強も習慣化できます。 塾へ行くお金が捻出
できないのなら、 親も一緒に勉強してあげる
のも有効 です」(橋本さん)
現実に横たわる「教育格差」を 嘆いて、
諦めるだけでは何も変わ らない。
「身の丈」に合ったものだけを選択するのでは
なく、子供の可能性を 信じることが大切だ。
まず親が意識を変えること。
それが第一歩かもしれない。
【転載終了】
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こういうところから、日本の競争力の
低下に繋がっていくのでしょうね。
ほとんどの国民が、日本のおかれている
現状を認識できていないので しょう。
今の日本が大学世界ランキングを始め、
あらゆるランキングがおちていることを
ご存じなのでしょうか?
これは、国力の低下に直に繋がると思い
ます。
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