聞き飽きた「夢よもう一度」の空疎・・・

 日刊ゲンダイ 


 【転載開始】


 ■<聞き飽きた「夢よもう一度」の空疎> 

 イカれた首相演説の自己愛、厚顔、能天気  


 第201通常国会が20日召集された。 

会期は6月17日までの150日間。 

与党は経済対策を盛り込んだ2019年 

度補正予算案と20年度予算案を成立 

させ、社会保障制度改革関連法案の処理 

を急ぐ考えだ。  


 それにしても相変わらず、グダグダと 

長いばかりで何ら中身のなかったのが、 

衆参両院の本会議で行われた、安倍首相 

の施政方針演説と茂木外相、麻生財務相、 

西村経済財政担当相による政府演説。 

とりわけ、酷かったのが安倍だろう。 


 「五輪史上初の衛星生中継。世界が 

見守る中、聖火を手に、国立競技場に 

入ってきたのは、(1964年の東京 

五輪で)最終ランナーの坂井義則さん 

でした」  


 演説の冒頭、こう切り出した安倍は 

「8月6日広島生まれ。19歳となっ 

た若者の堂々たる走りは、我が国が 

戦後の焼け野原からの復興を成し遂げ、 

自信と誇りを持って、高度成長の新し 

い時代へと踏み出していく。そのこと 

を、世界に力強く発信するものであり 

ました」 と続け、さらに 

「未来への躍動感あふれる日本の姿に、 

世界の目は釘付けとなった。半世紀 

ぶりに、あの感動が、再び、我が国 

にやってきます。(略)国民一丸と 

なって、新しい時代へと皆さん、共 

に踏み出していこうではありませんか」 

などと絶叫。 

誰が聞いても、今年最大の国内 

イベントである東京五輪・ 

パラリンピックに“便乗”する気が 

マンマンだった。 


 ■改憲と東京五輪を無理やりこじつける無意味  


 「『東洋の魔女』が活躍した 

バレーボール。そのボールを生み 

出したのは、広島の小さな町工場 

です。その後、半世紀にわたり、 

その高い技術を代々受け継ぎ、今 

なお、五輪の公式球に選ばれ続け 

ています」 


 「日本が初めてオリンピック精神 

と出会ったのは、明治の時代であり 

ます。その時の興奮を(日本人で初 

のIOC委員となった)嘉納治五郎 

はこう記しています。(略)戦後 

外交を総決算し、新しい時代の日本 

外交を確立する。その正念場となる 

1年であります」  


 「(日本パラリンピックの父と 

呼ばれる医師の)中村先生の情熱 に

よって、1964年、東京パラ リン

ピック大会が実現しました」 


 「成長戦略」から「外交・安全保障」 

に至るまで、とにかく何でも東京五輪 

に結び付ける厚かましさ。 極め付きは、

締めくくりの言葉だ。 


  「『人類は4年ごとに夢を見る』。 

1964年の記録映画は、この言葉で 

締めくくられています。(略)令和 

の新しい時代が始まり、オリンピック 

・パラリンピックを控え、未来への 

躍動感にあふれた今こそ、実行の時 

です。(略)国のかたちを語るもの。 

それは憲法です。(略)歴史的な使命 

を果たすため、憲法審査会の場で、 

共にその責任を果たしていこうでは 

ありませんか」  


 ちょっと待て。 

施政方針演説とは本来、政権の基本 

姿勢を示すものだ。 

誰が原稿を書いたのかは知らないが、 

安倍個人の悲願である憲法改正と五輪 

を無理やりこじつけただけ。 

全く意味不明ではないか。 


  政治評論家の小林吉弥氏はこう言う。 


 「安倍首相の政治姿勢は勢いに任せ 

て何かをぶち上げるのですが、今回の 

施政方針演説を聞く限り、全く精彩を 

欠いていた。東京五輪に絡めるぐらい 

しか、目新しいことを言えなかったの 

でしょう。裏返せば、それほど政権が 

厳しい状況に追い込まれているとみて 

いいのではないでしょうか」


 ■安倍政権は不祥事を新たな言葉で 

 “上書き”して国民をごまかしてきた  


 東京五輪を引き合いに「夢よもう一度」 

と空疎なスローガンを繰り返す一方で、

 安倍が力を込めていたのが 

「来年度予算の税収は過去最高」 

「最低賃金も現行方式で過去最高」 

「9割近い中小企業で賃上げが実現 

しています」 

という、これまたご都合主義の解釈に 

よる我田引水の実績と虚飾に満ちた 

自慢話だ。 


 それ以外は 

「希望出生率1・8の実現を目指す」 

「待機児童ゼロを実現します」 

などと、これまでブチ上げてきた政策課題を

繰り返しただけ。 

「戦後外交の総決算」とカッコつけ ている

「外交政策」でも、 

「日朝平壌宣言に基づき国交正常化 を目指す」

 「(ロシア=旧ソ連との)1956 年宣言を
基礎として交渉を加速させ、 (北方)領土問題

を解決」 

と言っていたが、北朝鮮は日朝首脳会談に全く

関心を示さず、ロシアも 領土交渉で強硬姿勢

を崩していない。 

総決算どころか、北朝鮮、ロシア問題ともに、

どんどん後退する一方だ。  


 これで、よくもまあ 

「我が国はかつての日本ではありま せん。

諦めの壁』は完全に打ち破る ことができた」

 などと言えたもの。

 自己愛、厚顔、能天気……。 

本気で言っているのであれば、オツム がイカれ

ているとしか思えない。

 一体どういう精神構造をしているのか。 


  明大講師の関修氏(心理学)はこう言う。  


 「安倍首相は過去に健康状態の悪化 を理由に

総理を辞任していますが、 おそらくデリケート

な神経の持ち主なのでしょう。どこかに常に不安

を抱えているため、それを隠すために強気の発言

をしたり、虚勢を張ったりする。 周囲から見れば、

それが空威張りして いるように見えるのです」


 ■問題議員を放置し続け、国会を軽視 

 する首相 


 自分の言いたいことは好き勝手にベラベラと

話すにもかかわらず、 国民の関心が高い問題に

ついてはほとんどスルー。 


  国会審議をすっ飛ばして閣議決定した

海上自衛隊の中東派遣については、辛うじて 

「日本船舶の安全を確保する」と 触れていが、

私物化批判と政治資金規正法違反疑惑が指摘

されて いる総理主催の「桜を見る会」の問題

や、カジノを含む統合型 リゾート施設(IR)

をめぐる 汚職事件で、東京地検特捜部に逮捕

された衆院議員の秋元司容疑者の贈収賄事件、

英語民間検定試験と国語・数学記述式問題の

導入が見送られ、受験生や高校を大混乱させ

た大学入学共通テストについては全く言及せ

ずだから呆れる ばかり。 

大体、国会を見回せば、今の 自民党議員は

悪党ばかりではな いか。 


 「適切な時期に説明したい」 


 公選法違反疑惑で経産相を辞任し、 

3カ月ぶりに公の前に姿を現した 

菅原一秀衆院議員は20日、 記者団にこう話し

ていたが、 どこかで見た光景だと思ったら、 

同容疑で広島地検の家宅捜索を受けた河井案里

参院議員だ。 

河井も「適応障害」などと言い、シレッとした

表情で「一区切りが付いたら説明したい」とか

トボケていた。 悪事がバレたら「睡眠障害」

や 「適応障害」と言って雲隠れし、 ほとぼり

が冷めるのを待つ。 

これが安倍自民の国会議員の実相なのだ。  


 安倍は首相として施政方針演説する前に、

党総裁として悪党議員 に「説明しろ」と迫る

のが筋だろう。 

それをほったらかしにしているのだから、

首相自らが国会軽視しているのに等しい。 

それでいて 「令和の新しい時代を切り開く」

もヘッタクレもないだろう。 


 政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏がこう言う。 


 「施政方針演説で未来を語るのも大事ですが、

国民が真相解明を求めている ことに対して真摯

に向き合うことも必要でしょう。安倍政権という

のは問題や不祥事を常に目新しい言葉で“上書き”

して国民の目をごまかしてきました。昨年 は

『令和』が使われ、今年は『東京五輪』です。

今回の所信表明演説でも、その姿勢がよく表れ

ていたと思います」 


 もういい加減、退陣だ。 


 【転載終了】 

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 れいわ新撰組の山本氏も 「薄っぺらいだけ」、

と切り捨てていましたね。 


 日本の現状は、安倍政権と日産が象徴 して

いますね。 


 ところで、先日三菱自動車がドイツで家宅捜査

を受けましたが、どうなりましたかね? 


 三菱は造船で失敗し、いまだ旅客機が一機も

納入できない状況のようですね。  


 まあ、一社ぐらい政権をボロクソにいう新聞

があってもいいですね。

 

LC=相棒's のじじ~放談!

時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

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