安倍首相の「ご英断」が逆効果?
J-CASTニュース
【転載開始】
■安倍首相の「ご英断」が逆効果?
突然の中止ラッシュに
「そんなに東京はヤバイのか!?」
2020/2/28
新型コロナウイルスの感染が世界中に
広がり「パンデミック(世界的流行)」
の様相を呈してきました。
WHO(世界保健機関)は、中国国外
での感染者増が初めて国内を上回った
と発表。
ベネチアのカーニバルやラグビー6か国
対抗戦などの文化・スポーツイベントが
次々と中止になるなか、東京五輪の開催
をめぐる報道が急にヒートアップしてき
ました。
皮肉なことに、安倍晋三首相の
「ご英断」が「やぶへび」になって
しまったようです。
■世界中に広がった「安倍首相はどこだ?」
日本国内でも新型コロナウイルス
の感染が広がるなか、米ロイター通信
が投げかけた「安倍首相はどこ?」と
いう疑問が、話題になりました。
'Where's Abe?' critics ask, as
coronavirus spreads in Japan
(日本でコロナウイルスの感染が広が
るなか、「安倍はどこだ?」と批判
されている)
米ロイター通信は記事の中で、
「舵取りに失敗した」安倍首相が、
コロナウイルス対応を厚労大臣に
「丸投げしている」と批判してい ます。
Shinzo Abe has failed to take the helm
as the public face of the response to the
virus, leaving the task largely to his health
minister
(安倍晋三氏は、ウイルス対策の代表
として舵取りに失敗し、厚労大臣に
丸投げしている)
take the helm:舵を取る
as the public face:対外的な顔と
してl
eave the task to:~に下駄
をあずける、丸投げする
本来であれば、安倍首相自らが陣頭
指揮を取ってリーダーシップを発揮
するべきところ、公の場になかなか
姿を見せない。
国民への会見は加藤勝信厚生労働相に
任せっきり。
対策会議にはちょっとしか顔を出さ
ないのに、夜な夜な会合に出かけて
いる......。
「この期に及んで姿を見せなければ、
非常時動員もしていない!リーダー
シップはどこにいった?」という
米コロンビア大学教授の痛烈な
安倍首相批判も紹介しています。
このロイター通信の記事は、よほ
どインパクトがあったのでしょうか。
またたく間にさまざまな言語に訳さ
れて、世界中に広まってしまいま
した。
東京五輪・パラリンピックの開催を
控え、指揮官であるべき安倍首相が
存在感を示せなかったことは、甚大
なイメージダウンです。
「Where's abe?」(安倍はどこだ?) は、
どんなに辛辣なことばよりも
ダメージが大きいのではないかと懸念
しています。
■突然の「中止ラッシュ」に
「東京五輪は大丈夫か?」
米ロイター通信に、「安倍はどこだ?」
と報じられるほど存在感を消していた
安倍首相でしたが、政府への批判が
日増しに高まるなか、突如として全国的
なスポーツや文化イベントなどに
ついて、 2週間の自粛要請を表明しました。
Japan must scrap all sporting events for
the next two weeks, says prime minister
Shinzo Abe
(日本はこれから2週間、すべての
スポーツイベントを中止すべきだ、
と安倍晋三首相が伝えた:英Daily Mail)
Scrap:中止する
具体的なガイドラインが示されない
突然の「自粛要請」は、
正直「場当たり的」な匂いがぷんぷん
します。
しかも何かあったら「主催者責任」
が問われそうなこともあって、
一気にイベントやスポーツ大会の中止
が発表されました。
安倍首相が「イベントの自粛を要請」
するという「英断」を突然下した背景
には、東京五輪・パラリンピックの
存在がありました。
国際オリンピック委員会(IOC)の
ディック・パウンド委員が、
「東京五輪を開催するかどうかの判断
は5月下旬がリミットだ」と発言した
と大々的に報じられたからです。
Tokyo Olympics still 'business as
usual', says IOC's Dick Pound
(「東京五輪は、平常どおりに行う
予定だ」と、IOCのディック・パウンド
委員が発言した:英BBC放送)
business as usual:いつもどおり、
平常どおり
インタビュー(原文)を読む限り、
パウンド委員は
「五輪の準備は平常どおり進めている」
という前向きなメッセージを発信して
います。
「開催するかどうかの判断は5月下旬
までする必要がない」とも言っている
のですが、この部分に注目が集まり
過ぎてしまい、
「IOC委員が五輪中止を示唆」と
いった反応を引き起こしたように思え
ます。
さらに皮肉なことに、安倍首相が
「英断」した「イベント自粛要請」は、
海外メディアの目には「異常事態」に
映ったようです。
■安倍首相は「business as usual」に
行動できたか?
野球やサッカー、大相撲といった
スポーツイベントやコンサートなどの
文化イベントが、たった1日のうちに
たちまち中止になったことを受けて、
「コロナの影響でイベントが次々と
中止に」
「東京五輪が危ない」といった報道が
相次いでいます。
Tokyo Olympic Games at threat over
coronavirus
(東京五輪がコロナウイルスの脅威
にさらされている)
at threat:脅威にさらされている
Will coronavirus derail Tokyo Olympics?
(コロナウイルスが東京五輪の開催
を妨げるか?)
derail:脱線させる、阻止する
急なイベントの中止ラッシュは、
逆に「そんなに日本はヤバイのか」
と海外メディアの不安を煽って
しまったのでしょう。
「先手先手」とは程遠い「ご英断」が
皮肉な結果を招いてしまったようで、
残念でなりません。
それでは、「今週のニュースな英語」 は、
パウンドIOC委員の発言から
「business as usual」を取り上げます。
「いつもどおり」「平常どおり」という
意味の熟語で、頭文字を取って「BAU」
とも使われます。
「BAUシナリオ」といったビジネス用語
として日本語としても定着しているよう
です。
冒頭の動詞を変えるだけで、
バリエーションが広がります。
Business as usual (通常営業中です)
do business as usual (いつもどおりやる)
continue business as usual (通常業務を続ける)
return to business as usual (通常営業に戻る)
真のリーダーシップとは、危機的な 状況下でも
「business as usual」 (平常どおり)に行動
できるかだと 思います。
コロナウイルスという未知の脅威を
前に、心から信用できるリーダーの
出現が待ち望まれます。(井津川倫子)
【転載終了】
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慌てて会見した理由はこれだったの
ですかね?
しかし、さまざまの言語で世界中に
配信されてしまった後では、今更会見
をしても無意味なような気がしますが。
安倍首相は、長くやりすぎましたね。
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