日産スペイン閉鎖の危機!?

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 【転載開始】 


日産スペイン閉鎖の危機!?

 減産に次ぐ減産で従業員も不満爆発。 

道路閉鎖の大規模行動 2020.03.05 


 ■日産スペインが閉鎖する可能性が浮上 


 いつも経営者側との協調を大事にする 

日産スペインの従業員がこれまで募って 

いた不満を一挙に爆発させた。


 2月24日、日産スペインの従業員数千人 

がバルセロナの沿岸沿いの環状道路を遮断 

したのである。 

1週間前もスペイン政府がカタルーニャに 

派遣している代理本部の前でも彼らが 

置かれている状況を伝えるべく集まった。 

求めているのは会社存続の為のプランの 

明確化だ。(参照:「RTVE」)  


 年間20万台の生産設備をもっているに 

もかかわらず、現在その30%しか稼働 

しておらず、5月以降はそれが20%近く 

まで減少するからである。 

それが意味するものは、将来的に会社を 

存続させる意義の消滅である。


 ■減産に次ぐ減産。20万台の生産能力の 

 4分の1しか活かせず  


 これを裏付けるかのように、1月末には 

日産スペインのバルセロナ工場で 

メルセデス・ベンツのピックアップ車 

Xクラスの生産を5月から廃止することを 

発表した。 


 Xクラスの昨年の生産台数は8000台。 

日産ナバラとルノーアラスカを加えた 

ピックアップ3車種の昨年の生産台数は 

3万8000台であった。 

昨年の全生産台数は5万5000台だった。 

しかし、4月のイースター以後、 

電気自動車バネットバンMV200も生産 

台数が減少する。 

日毎の生産台数が102台から60台に減産 

することになっている。 

(参照:「El Espanol」) 

  ということで、今年の全生産台数は 

楽観的に見ても4万5000台から5万台の 

あたりにしかならない。 

20万台の生産設備を持っているにも拘わ 

らずこの少量の生産台数だ。 

これまで早期退職や任意退職を募って 

従業員の削減を実施して対応して来た。 

しかし、経営者側にとって従業員の削減、 

削減で存続することに意義があるのかと 

いうことである。 


 ■日産にとって「欧州市場」は大きくない? 


 昨年11月、カタルーニャのデジタル紙 

『Crónica Global』が「さよなら、日産」 

と題して、日産がヨーロッパでの生産から

撤退することが不可能だとは言えなく 

なっているという記事を掲載した。 

その中で、 

「日産は日本、米国、中国がメイン市場で、 

ヨーロッパ市場は全体の2.5%しかない」 

と指摘し、更に、EUと日本との貿易自由 

協定の成立で、 

「EUは日本から無関税で車を輸入できる」 

と言及し、ルノーと日産・三菱の提携を 

尊重すると、 

「ヨーロッパはルノーの為の市場だ」と 

述べた。 

また、日産は昨年3月にインフィニティー 

のヨーロッパでの販売をしないことを発表 

したことにも触れた。 

この様に言及して、結論として 

「日産がヨーロッパの工場を閉鎖する考え 

を持っていないとは言えない」と指摘した 

のである。 


 但し、これに敢えて付記する必要がある 

のは、この記事のヨーロッパというのはEU 

と限定する必要がある。 

即ち、英国のサンダーランド工場は別だと 

いうことだ。 

というのは、2月3日付けで 

『フィナンシャル・タイムズ』が、英国の 

EUからの離脱に伴う交渉で双方の間で関税 

問題が解決しない場合は、日産はフランス 

とスペインの工場を閉鎖して英国での生産 

体制を強固なものにするというプランを 

日産が昨年末に練っていたということを 

報じたからである。 


  唯一、日産が明確にしているのは、 

英国のEUからの離脱交渉の結果、EUから 

英国への輸出車に関税を課すという結論に

達した場合は、 「ビジネスは成り立たない」

と言及して いることである。 

これは即ち、スペインでの生産を継続する 

意義がなくなるということを意味するよう 

になるはずである。  


 それを暗示させるかのように、 

日産スペインの組合側がバルセロナの工場 

で生産できる新しい車種を導入することを 

執拗に要求しているが、これまでそれが 

一度も実現していないということ。 

工場を今後も存続させる為の唯一の手段は 

新しく生産の為の車種を加えることである。 

これまで生産されていた車種をフランスの 

工場に移すことはあっても、フランスの 

工場からスペインの工場に車種を譲った 

ことは一度もない。


 ■経営者側は日産スペイン存続を約束する 

 が……  


 経営者側では今後も日産スペインが存続 

して行く保障だとして7000万ユーロ 

(82億6000万円)を投じて塗装設備をEU 

が2023年からの適用を義務付けたものに 

改善すると約束している。 

しかし、新しい生産車種もないのにその 

ような投資をするということなど組合側で 

は誰も信じていない。 


 経営者側ではスペイン・バルセロナの工場 

は自然に閉鎖せざるを得ない状況に持って 

行っているようにしか見えない。 

そうなると、現在の従業員2500名と下請け 

など加えると1万人が職場を失うことになる 

ことは覚悟しておく必要がある。


 現在の日産スペインが置かれている状況は 

工場閉鎖という危険水域に次第に向かって 

いるようにしか筆者には思えない。  


 皮肉にも同じバルセロナにはフォルクス 

ワーゲン傘下の自動車メーカーセアット 

(SEAT)が存在している。 

日産スペインとは対照的に現在のセアットは 

カタルーニャのGDPの4%を担い、輸出も 

伸びている。 

6800人の従業員に加えて、新たに1000人の 

雇用を計画している。 


 セアットをここまで成長させたのが、CEO 

のポストをつい最近辞任したルカ・デ・メオ だ。 

その彼が6月から日産と提携しているルノーの

CEOに就任することになっている。 


 【転載終了】 

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 結局、日本人経営者では「ダメ」という 

結果になってしまいましたね。

 

LC=相棒's のじじ~放談!

時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

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