コロナ専門家委員会「持ちこたえている」は検査数が少ないだけ!
LITERA
【転載開始】
■コロナ専門家委員会「持ちこたえている」
は検査数が少ないだけ!
欧米は積極的に検査拡大も日本はいまだ
「検査不要」論が跋扈 2020.03.10
「日本の状況は、爆発的な感染拡大
には進んでおらず、一定程度、持ちこ
たえている」──
昨日9日、政府の新型コロナウイルス
対策の専門家会議が新たな見解を
示した。
一体どんな根拠で
「一定程度、持ちこたえている」と
言っているのかと思ったら、
それはこんな理由だった。
「現時点までは、クラスター(集団)
の発生を比較的早期に発見できている
事例も出てきています。これは、急激
なペースで感染者が増加している諸外
国と比べて、感染者数の増加のスピー
ドを抑えることにつながっています」
他国とくらべて感染者数の増加
スピードを抑えられている……!?
これを専門家メンバーは正気で言って
いるのだろうか。
たしかに日本の患者数は3月10日
午後12時時点で498人である一方、
感染者数が一気に増えたイタリアは
9000人超え、韓国も10日の発表では
7513人、フランスやドイツも 1000人
を超え、アメリカも500人以上となって
おり、日本を上回っている。
だが、これらの国と日本が決定的に
違うのは、検査実施数だ。
たとえば、日本の厚労省は
「1日6000件の検査能力がある」と 言い、
6日からはPCR検査が保険適用 となった
が、9日発表のPCR検査数は たったの
110件。
10日発表の検査数は1314件と増えたが、
6000件にはほど遠い。
累計の検査実施数も8771件(9日18時時点)
でしかない。
だが、8日時点での韓国の検査数は
18万1384、イタリアは4万2062と
桁違いなのだ。
言っておくが、日本で初の感染者が
発表されたのは1月16日だったが、
韓国はそれよりも遅い1月20日、
イタリアも30日だった。
ようするに、日本の感染者数が
諸外国より少ないのは、
「クラスター(集団)の発生を比較
的早期に発見できている」からでは
なく、たんに検査数が諸外国よりも
圧倒的に少ないために感染者が確認
できていないだけとしか考えられない。
しかし、データとしてここまで
はっきりした数字が出ているにも
かかわらず、一部ワイドショー などでは
「不安だからといって全員を検査すると
医療はパンクして崩壊する」
「重症者のための医療を確保することが
重要」と喧伝し、ネット上でも
「日本は検査を重症者に限定している
から韓国やイタリアよりも死亡者を抑え
込むことに成功している」などという
意見が溢れるような状況になって いる。
言っておくが、誰も
「不安だから全員検査しろ」なんて主張
していない。
感染が疑われる人がきちんと検査を
受けられるようにしろと言っている
だけなのに、勝手に話がすり替えら
れているのだ。
しかも、諸外国ではむしろ
「検査によって実態把握する」
「感染拡大を食い止めるためには検査
拡大が必要」と考えられている。
たとえば、感染者数が89人と増加
したことを受けて7日に非常事態宣言
を出したアメリカ・ニューヨーク州の
クオモ知事は
「24時間態勢で検査をしています。より
多く感染者を見つけることで感染拡大を
食い止めたい」と発言。
アメリカのペンス副大統領も
「100万個以上の検査キットを配布する」
「今後、数週間でどんなアメリカ人も
検査を受けることができるようにする」
と述べている(実際はまだ行き渡って
いないようだが)。
また、感染者が277人(9日時点)の
イギリスでは、咳や発熱、息切れなど
軽いインフルエンザに似た症状がある
人も検査の対象に含め(BBC2月27日付)、
韓国でおこなわれている
「ドライブスルー検査」を実施。
この「ドライブスルー検査」はドイツ
でも準備が進んでいるといい、
アメリカでも一部で取り入れようという
動きが出てきている。
<中略>
■ワイドショーも「検査しろ」から
ライブハウスなどの責任を攻撃
する論調へ
だが、この期に及んでこんなめちゃ
くちゃな対応しかとれていないという
のに、多くのワイドショーでは、諸外国
の感染拡大と比較することで、あたかも
日本は感染拡大の抑え込みに成功して
いるかのように解説。
検査を抑制していることも
「医療崩壊を招かないため」などと正当化
し、ライブハウスでの感染拡大などをクロー
ズアップすることで、 まるでライブハウス
といった場所だけ が感染リスクが高いかの
ような伝え方 をしている。
ライブハウスでの感染拡大は、 すでに
感染者が確認されて、来場者を接触者と
して早急な検査につなげているために
感染確認がとれているだけ。
同じような感染拡大がいろんな場所で
起こり、検査数が少ないために可視化
されていないだけだと考えるべきだ。
そもそも、検査を拡大させたとしても
厚労省は軽症者は入院ではなく自宅
療養させる方針なのだから、検査拡大
が医療崩壊の直接原因にはならない。
むしろ、検査を拡大すれば重症者も
それだけ発見されるはずだが、そう
なることを見越して医療体制の整備
・拡充が当初から叫ばれてきたのに、
政府が手を打ってこなかっただけだ。
しかし、多くのワイドショーでは
検査数が少ないことの問題点には目
を向けず、海外の感染拡大を対岸の
火事のように取り上げ、ごくわずか
に判明しただけの感染例さえも局所
的な問題や個人の行動の問題に矮小
化しているのである。
そして、こうした国の失策をきちん
と指摘しない、ガラパゴスとしか言い
ようがない報道の結果、内閣支持率は
やや下落した程度でおさまっている。
さらに、安倍官邸が司令を出し、
厚労省や自民党が『羽鳥慎一モーニング
ショー』(テレビ朝日)などの特定番組
や専門家を批判、圧力をかけたが、 これに
よってワイドショーやニュース 番組はます
ます忖度に拍車をかけている。
こんな有様では、検査数の抑制による
感染者数・死亡者数隠しはどんどん進み、
国際社会からも「まったく信用できない国」
として孤立を深めてゆくだけだろう。
(編集部)
【転載終了】
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世界と日本の温度差が大きいのは前の
記事でも書いてきましたが、万一、世界
の予測が当たっていたとすれば、日本は
経済においても致命的なダメージを受け
ることになりかねませんね。
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