新型コロナに感染したNYの日本人医師が警告。
Huffington Post News Japan
【転載開始】
■新型コロナに感染したNYの日本人医師が
警告。
「自分は『無症状感染』かもと思って行動して」
2020年04月10日
パンデミックになった現場での治療----。
地獄のような生活は思いもよらぬ形で終止符
が打たれました。
7日夜、大好きなインドカレーを食べている
ときに味覚が無くなっていることに気がつき
ました。
アメリカ・ニューヨークにある私立の
中核病院で新型コロナウイルス(COVID-19)
感染者の治療にあたっていた宮下智医師が、
新型コロナに感染し治療現場を離れた。
現地時間の2日前にあたる4月7日夜に、
「大好きなインドカレーを食べているときに
味覚が無くなっている」と気付いた。
「『今日はスパイスが少ないのかなぁ』くら
いに特に深くは考えてませんでしたが、翌日
からは全身の痛み、発熱、悪寒、咳が出現」
したという。
宮下医師が働くニューヨークのマンハッタン
にある病院は、入院患者の90%近くが
新型コロナウイルスが原因だという。
インフルエンザとは全く違い、いままで見た
ことないないほど急速に重症化し亡くなる人
が多くいるという。
「感染力が強いため、身近な医療従事者も亡く
なってしまいました。本当に怖いウイルスです」
と宮下医師。
「患者が山のように押し寄せるため人員不足
になってしまいました。仕事の日程も急遽変更
になり、夜の間ずっと重症の新型コロナウイル
ス患者を大量に担当しています。本来であれば
一人で処理できる数ではありませんが、パンデ
ミックの際は、限りある医療資源を最大限活用
するしかありません。夜勤で生活リズムが崩れ
るだけでなく、患者と接触する際はずっと呼吸
しづらいマスクをつけてガウンも着ているので
かなり疲弊します。呼吸器が不足したり、患者
の急変時に自分が感染するリスクと蘇生をどう
考慮するのかなど様々な倫理問題は浮上してま
すが、とりあえずできることは全てやっていま
す」と4月5日、Facebookに投稿していた。
パンデミックになった現場での治療――。
投稿の2日後、
「地獄のような生活は思いもよらぬ形で終止符
が打たれた」と宮下医師は伝えている。
宮下医師は、現在、自己隔離し療養している。
悪寒が続いているためベッドで寝ているという。
宮下医師は、日本でもパンデミックに陥り、
医療崩壊を招くことを懸念している。
「自分は『無症状感染』かもと思って行動して」
と警鐘を鳴らす。
ハフポスト日本版の取材に対し、 日本に
メッセージを送っている。
<メッセージ>
「人にうつさないことを強く意識してください。
もし仮に自分が無症状であったとしてもコロナ
ウルスに感染している可能性があります。知ら
ず知らずのうちに大切な人にうつしてしまう可
能性があるのです。もしその方が高齢者だった
り心臓病や糖尿病などの基礎疾患がある方であ
れば、重症化する可能性が非常に高くなります。
自分は大丈夫だからいいと思うのではなく、周
りの人を気遣って行動できるといいと思います」
以上。
宮下医師はFacebookに公開情報として以下の
ようなメッセージを掲載している。
以下、宮下医師の了解のもと、転載する。
<メッセージ>
ニューヨーク、マンハッタンの病院で医師として
コロナウイルスの診療にあたってます。 前回の投稿
後に沢山の応援頂き本当にありがとう ございました。
私が医師として働くNY マンハッタンの病院では コロ
ナウイルスが蔓延しています。以前申し上げ た通り約
8割の患者がコロナを患ってます。 働く人や呼吸器な
ど命を救うのに必須なものが足 りなくなり、ただただ
患者だけが増えていきます。 パンデミックを実感しま
す。需要と供給のバラン スが著しく崩れた状況です。
うちの病院の場合、幸か不幸か州の要請に応える だけ
のスペースがあったため、コロナの患者のた めにベッド
が新規に増設されました。 しかし、ベッドはあっても
十分な人員や設備がな かったため自分を含めた一部の
人間に大きな負担 がのしかかりました。供給の不均衡と
いうやつです。 夜間、私と一年目の医師2人で酸素化の
著しく悪化 した不安定な30人の患者を担当。モニター
や看護 師が足らないため、医師2人で直接各々の部屋に
入って患者がBiPAPと呼ばれる強力な酸素マスクを
ちゃんとつけて呼吸しているかを数時間おきに確認 しま
した。自分自身ずっと呼吸しづらいマスクをつ けてガウ
ンも着ているのでかなり疲弊しました。 ときには酸素
マスクが外れて、酸欠になって錯乱 状態になってる方も
いました。放っておくとすぐに 心臓が止まってしまうの
で、半ば無理やり酸素マス クをつけたりしました。命が
かかってるので仕方あ りません。
そんな地獄のような生活は思いもよらぬ形で終止符
が打たれました。 2日前の夜、大好きなインドカレーを
食べていると きに味覚が無くなっていることに気がつき
ました。 「今日はスパイスが少ないのかなぁ」くらいに
特に 深くは考えてませんでしたが、翌日からは全身の痛
み、発熱、悪寒、咳が出現しました。 ついに魔の手が自分
のところまでやってきました。 本来ならば集中治療室ICU
で勤務の予定でしたが、 一週間の自宅隔離となりました。
コロナ戦線離脱です。 過酷な労働環境に持続的にコロナ
に暴露される環境。 コロナにかからない方が不思議でした。
酸素化が悪 くなるとすると発症から一週間ほどなのでまず
は様子 見です。人が足りない時期に戦線離脱してしまうの
本当に申し訳ない気持ちです。 今回の件で誰も責める気に
はなりません。 全部コロナのせいです。 病院の対応も素晴
らしかったです。マスクやガウン といったPPEは十分供給
されてましたし、毎日、 病院の対策チームにフィードバック
を求められて、 要望を言うとすぐに対応してくれて、モニタ
ー含 めて殆どの要望がすぐに実現されました。なので、 今週
からは私が体験した地獄のような業務はなく なります。 パン
デミックの際は需要と供給のバランスが崩れ るのは当然です
し、供給の中でもバランスが崩れ て、ある一定のところに
負担が集中することは 当然だと思います。 そういうときに
現場がしっかりと声を上げて、そ れに対応できるような病院
システムは非常に大切 だと実感しました。 米国には元々フィ
ードバックシステムが充実して いるので良いですが、日本の
場合、対応能力とい う点で多かれ少なかれ不安が残ります。
まずは、個人個人ができる範囲で、感染を拡げな いように
常識的な行動を心がけて、日本でパンデ ミックにならない
ことを祈ります。
(ハフポスト日本版・井上未雪)
【転載終了】
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日本の感染者のコメントにもあるように、
味覚・嗅覚異常が感染シグナルのようです。
意識して生活するのがいいようです。
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