いよいよ世界金融危機へ・・・

 現代ビジネス 


 【転載開始】 


  いよいよ世界金融危機へ・・・ 

 コロナショックで原油価格「マイナス」のヤバさ 

 2020.4.27 


 ジャンク債を経由して危機は連鎖する 


  ■原油価格「マイナス」の衝撃 


 コロナショックをきっかけに原油価格 

が乱高下している4月20日、ニューヨーク 

市場では、一時、WTI原油先物価格が 

マイナス40.32ドルまで下げた。 


 本来、原油の価格がマイナスになること 

はあり得ない。 

原油価格の先物がマイナスに落ち込むこと 

は未曽有の事態だ。 


 それを見ても、いかに原油市場が大混乱 

に陥ったかがわかる。 

今回の大混乱の背景には、コロナショック 

で世界経済全体の原油需要が急速に落ち 

込んでいることがある。 

その一方、サウジアラビアやロシアなど 

有力な産油国は、つい最近まで原油の 供給量

を減らすことをしなかった。 

世界中で原油が余って、備蓄施設がほとんど

満杯という事態になってしまった。 


  原油価格が下落するのは、ある意味では

 当たり前だった。


  問題は原油価格の下落が続いた場合、 

世界的な信用不安が起き、それが大規模な

金融危機につながる懸念があることだ。


  特に注目されるのは米国のジャンク債 

市場だ。 

米国の有力なシェールオイル企業は、主に 

信用力の低い社債=ジャンク債を発行して

資金調達を行っている。 

原油価格の下落で、それらのシェール 

オイル企業が破綻に追い込まれることが 

懸念される。 そうなると、ジャンク債市場

を一段と 不安定化させると同時に、

ジャンク債を 使った派生商品=CLO

(ローン担保債権) のデフォルトを誘発する

可能性が高まる。 それは、世界的な信用収縮

=金融危機を 引き起こす要因となる可能性が

ある。 

万が一その展開が現実のものとなった時、 

各国が実体経済と金融市場を支えること 

ができるか、かなり不透明だ。


 ■マイナスに陥った原油価格の意味  


 WTI原油先物価格がマイナスに陥った ことは、

世界経済が過去に経験したこと がないような

異常事態に向かいつつある ことを示唆する。  


 あるベテランの商品トレーダーは、

 「過去40年の経験の中で、原油価格が マイナス

になると想定したことすらな かった」と話して

いた。


  イラン情勢をめぐるトランプ大統領 の発言

から原油価格が反発する場面が 見られたが、

先行きは不透明だ。 


  新型コロナウイルスの感染拡大を受け、 

世界各国が人の移動を遮断せざるを得な くなった。

 需要と供給ともに寸断され、経済活動が 大幅に

低下している(コロナショック)。 

感染が小康状態にある中国では化成品 プラント

の稼働が再開されたが、 他の国の石油化学業界

などは事実上の 開店休業状態だ。  


 3月中旬以降の5週間で、米国の新規 失業保険

申請者件数は約2600万人 (労働人口の16%に相当)

も増えた。 

企業業績の悪化を受け、米国の所得・ 雇用環境は

更に悪化するだろう。 

年半ばごろに感染が収束するかは不確実 だ。

 

 5月最終週から9月にかけての 米ドライブシーズン

の盛り上がりは見込 めず、原油需要が簡単に回復

する展開は 想定しづらい。  


 また、原油の貯蔵能力には限りがある。 足許、

陸上、海上ともに貯蔵能力は限界 に達しつつある

ようだ。

 そのため、市場参加者の間ではOPEC プラスに

よる日量970万バレルの協調減産では相場の安定

に十分ではないとの懸念が 増えてきた。 

その結果、5月物のWTI原油先物に買い手 がつか

なくなり、価格がマイナス圏まで 下落した。


 ■FRBが支えていはいるが・・・


 原油価格は米国の低格付け社債などの 価格に

無視できない影響を与える。 

リーマンショック後、米エネルギー業界は 低金利

環境下で社債やローンによる資金調達 を行った。 

それが、シェールガス革命と呼ばれる 米エネルギー

産業の成長を支えた。 

同時に、より高い利回りを得るため各国の 金融機関

などが米エネルギー企業の債務を 証券化した商品

を保有してきた。 

足許、コロナショックの影響を緩和するため に、

FRB(米連邦準備理事会)が社債や 証券化商品を

買い入れ、どうにか米国の金融 市場は安定感を維持

している。 

同時に、原油価格に下押し圧力がかかり 米シェール

ガス業界の採算は悪化傾向にある。


 需給に基づく収益悪化を中央銀行がいつ までも

支えることは難しいだろう。 


 大手企業の経営不安が高まるようなことが あれば、

米エネルギー業界を震源地に信用 収縮が起き、

世界に伝染するリスクは軽視 できない。 

ユーロ圏では、イタリアやドイツの金融 システム不安

が高まる恐れがある。 両国とも、不良債権問題など

から大手行の 収益力と財務内容がぜい弱だ。  


 主要国の金融政策は限界を迎え、リスクを 封じ

込めることは容易ではない。 そうした展開が鮮明

となった場合、韓国や 多くの新興国のように海外

からの資金調達 に依存してきた国はより厳しい

経済環境に 直面するだろう。  


 それは、わが国にとっても他人事ではない。 

コロナショックが原油需要を低迷させ世界的 な信用

収縮リスクが高まっていると考えると、 世界経済が

より厳しい展開をたどる可能性は 過小評価すべき

ではない。


 【転載終了】 

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 コロナ渦が収束した後には、経済問題 が

大きく横たわっているということです ね。 


 未曾有の経済危機になる可能性もありますね。

 

LC=相棒's のじじ~放談!

時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

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