「黒川氏処分の“真犯人”は内閣の証拠」!

 AERAdot. 


 【転載開始】

 ■古賀茂明 

 「黒川氏処分の“真犯人”は内閣の証拠」 

  2020/06/02 


  黒川弘務東京高等検察庁検事長(当時) 

の「訓告」措置への批判が高まっている。 

この「訓告」は、国家公務員法上の正式な 

懲戒処分ではなく、内規による 

「指導監督上の措置」に過ぎない。  


 官僚から見れば、「あっ、そう」という 

程度で、かすり傷にもならない。 


  そんな甘い結果になったのは、 

内閣・安倍総理の責任なのか、 

それとも法務・検察の責任なのか。 

いろいろな解説が流された。 


  しかし、この議論はあまりにも馬鹿げて いる。

 なぜなら、国家公務員法上の懲戒処分の権限は

内閣だけに与えられているからだ。 

これは、二つの法律の条文で決まっている。 

まず、国家公務員法84条には、 

「懲戒処分は、任命権者が、これを行う」 と書い

てある。 

処分権限は任命権者にあるという意味だ。 

次に、検察庁法15条には、

 「検事総長、次長検事及び各検事長……の 任免は、

内閣が行い」と書いてある。 

「黒川検事長の任命権は内閣にある」と いう意味

になる。 


  この二つの条文を合わせると、黒川検事長 に

国公法上の懲戒処分をできるのは、黒川氏 の

任命権者である「内閣」しかないという ことになる。 

もちろん、内閣の代表は安倍晋三総理だ。  


 逆に言えば、森雅子法相や稲田伸夫検事総長 は、

どう頑張っても、黒川氏に国公法上の正式 な懲戒処分

を科すことはできないのだ。 


 従って、懲戒処分をするかしないかを決めるのは内閣

であって、法務・検察ではないという ことには、議論の

余地がないのである。 


 今回の結果を法律的に解釈すれば、内閣 (安倍総理)

が、黒川検事長に懲戒処分をしな いと決めたので、

森法相と稲田検事総長が内規 により、最も重い「訓告」

という「指導監督上 の措置」を下したということになる。 

つまり、厳しい懲戒処分にしなかった責任は、 ひとえに

安倍総理にあると言うべきなのだ。  


 安倍総理は、黒川氏の「任命責任は私にある」 と言う

が、それは任命権者であるからだ。 しかし、任命権者で

あるということは、 同時に懲戒処分権者でもあり、

処分を行わない と決定した責任も自分が負っているとい

うこと はわかっていなかったようだ。 

「訓告は法務・検察が決めた」と言って、 自分の責任が

免れるかのような発言を繰り返し た。  


 そこには、国民を欺こうという官邸官僚の 策略もある。 

訓告という措置を行ったのは法務・検察である のは事実

だが、それだけ言って黙っていれば、 懲戒処分をしない

と決めたのも法務・検察で あるかのように聞こえるとい

う計算だ。 


 ちなみに、マスコミの報道でもう一つ注意し たいのは、

黒川氏の行為が該当すると思われる 「常習とばく」の場合

の懲戒処分は、 「停職」であるという解説だ。 

これは、人事院の「懲戒処分の指針」の 「標準例」による

ものだが、実は、その「指針」 の中には、標準例より重く

する可能性のある例と して、「職責が特に高いとき」や 

「公務内外に及ぼす影響が特に大きい」場合を 挙げている。

 黒川氏は検察ナンバー2で極めて高い地位に あり、また、

今回の行為による検察への国民の 信頼の失墜という影響は

特大級だ。 

これら2点を勘案すれば、標準例の「停職」より も

一段厳しい処分、すなわち、「免職」にする のが常識的

判断だろう。 


  その場合、退職金はゼロとなる。  


 つまり、テレビや新聞のまどろっこしい解説 などに惑わ

されず、素直に人事院の指針に従えば、 誰もが妥当だと

納得する結論になるということだ。


 ※週刊朝日  2020年6月12日号 

 【転載終了】

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  安倍政権は、政治不信を増長させただけ 

ではなく、官庁や警察などの信用まで失墜 

させてしまった7年間でしたね。

 

LC=相棒's のじじ~放談!

時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

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