日産がシャープよりも「悲惨な末路」をたどりかねない根拠!
日刊ゲンダイDIGITAL
【転載開始】
■日産がシャープよりも「悲惨な末路」
をたどりかねない根拠
公開日:2020/09/07
(経済ジャーナリスト・井上学)
経済産業省がホンダと経営危機に
陥っている日産自動車の経営統合を
両社に働きかけたことが話題になった。
結局は両社が取締役会にかける前の
段階で断り、御破算になったという。
経産省が仕掛けた両社の経営統合案に、
関係者からは「あまりに不見識。よく
もこんな提案を出したものだ」と驚き
の声があがっている。
そもそも日産に提案したところで、
親会社の仏ルノーが「うん」と言わ
なければ話は1ミリも進まない。
日産があっさり断ったことから、
経産省によるルノーへの根回しは
なかった可能性が極めて高い。
それだけに「まるで子供のおつかい
レベルの交渉」とも揶揄されている。
■ホンダと経営統合すれば共倒れの
恐れも
ホンダ関係者も「巨額の赤字を
抱える日産を受け入れる体力など、
ホンダにはない。共倒れになれと
いうようなものだ」と突き放す。
救済する側のホンダはともかく、
される側の日産にすら「門前払い」
で断られた経産省。
なぜ、そこまで無理筋の経営統合
を働きかけたのか。
そこにはルノーの深刻な業績悪化
があった。
ルノーが2020年7月30日に発表
した1-6月期の純損益は
72億9000万ユーロ(約9000億円)
と過去最高の巨額赤字に。
元凶は連結子会社である日産の業績
不振だ。
ルノーが計上した巨額赤字のおよそ
3分の2に当たる48億ユーロ
(約5950億円)が日産の赤字による
ものだ。
新型コロナの感染拡大は収まるどこ
ろか勢いを増し、少なくとも年内は
現在の苦境が続くだろう。
そうなればルノーの2020年12月期決算
は推定で150億ユーロ (約1兆8000億円)
もの純損失に陥る。
日産よりも規模が小さいルノーに
とっては、経営破綻レベルの巨額赤字だ。
同社の筆頭株主であるフランス政府は、
6月に50億ユーロ(約6200億円)の
融資枠を保証した。
ルノーの経営危機を回避するための 措置
だが、日産の赤字で融資枠分の 支援が
吹っ飛んだ格好だ。
カルロス・ゴーン前会長時代に日産との
経営統合を執拗に求めてきたフランス政府
だが、今はルノー最大の 経営懸念となって
いる日産の切り捨てを真剣に検討している
はずだ。
日産との経営統合推進の急先鋒だった
ジャン・ドミニク・スナール会長も、
今年に入ってその言葉を「封印」して
いる。
5月に発表した仏ルノー、日産、
三菱自動車の新たなアライアンス戦略
では、従来の商品計画や開発の一体化が
見直され、各社が開発した技術を相互
供与する「業務提携」レベルに まで後退
した。
グループで一本化して開発に取り組む
べき次世代エネルギー車の本命 である
電気自動車(EV)も、ルノー と日産が
それぞれ担当することに なった。
すでにルノー・日産グループの 「解体」
に向けた動きは始まって いる。
ルノーが日産との共倒れを回避する
には、 早急に日産を切り離す必要が
ある。
早い話が43.4%を保有する日産株 の
売却だ。
■日産を買いたがる会社はあるのか
問題は売却先。今、どん底の日産
を買いたがる会社があるとすれば、
その筆頭は中国の自動車メーカーだ
ろう。
日産が持つ中国と米国の自動車工場
と生産技術は、中国車メーカーに
とっては台数ベースで世界最大の
自国市場を押さえる上でも、金額
ベースで世界最大の米国市場で展開
する上でも有用なリソース (経営資源)
だからだ。
当然、米中市場が「生命線」と
なっている日本車メーカーにとって は、
日産が中国車メーカーに買収さ れれば
強力なライバルが登場する ことになる。
経産省が日産とホンダに経営統合を
働きかけたのも、ルノーが日産を
中国企業へ売却するのを警戒して いる
からだ。
いずれ日産も、シャープが台湾の
鴻海精密工業(フォックスコングループ)
に買収されたのと同じ道をたどるだろう。
シャープはまだ自社で身売り先を選ぶ
ことができた。
一方、日産の売却先を決めるのはルノー
だ。
ルノーと同社筆頭株主のフランス政府
は、最高額を提示した企業に売却する
だろう。
たとえ望まない会社であったとしても、
日産には拒否する権利はないのだ。
「その日」は、着実に近づいている。
【転載終了】
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経産省もルノーに渡る前に手を打つ
べきだったのでしょうね。
ルノーに渡った段階で手が打てなく
なっていますから。
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