もう間に合わない!五輪交通大混乱
日刊ゲンダイDIGITAL
【転載開始】
■もう間に合わない!五輪交通大混乱
<1>無理のしわ寄せで勤務シフトや
安全点検が狂いっぱなし
公開日:2021/05/30
輸送手段軽視は日本の伝統。
太平洋戦争でも日本軍は、アメリカや中国に
輸送ルートを叩かれ、戦う前に多くの兵士が
息絶えた。
では今度のオリンピックは?
どうやら伝統復活の嫌な予感がする。
◇ ◇ ◇
断固開催すると言うばかりの
東京五輪・パラリンピック組織委員会だが、
観客数の決定が6月まで先送りとなった
ことで鉄道会社は大慌てだ。
鉄道は365日24時間営業の仕事。
現場は不規則勤務だから、いつも1カ月以上
前に勤務シフトを決めている。
特別輸送体制になるオリンピックでは、
もっと早くから決めておかないと間に合わ
ない。
東京五輪では米国のゴールデンタイムに
合わせるため、人気競技の決勝や表彰が
午後11時を回るケースが多い。
首都圏の鉄道は表彰式まで会場にいた観客
を首都圏全域に必ず帰宅させるため、
どこの会社も午前2時程度までの終電延長
を組織委員会から要請されている。
さらにテロ対策も要請されており、
もちろん早朝から通常の通勤輸送もある
から、期間中は事実上終夜運転の連続に
なる。
大晦日1日限りの終夜運転とはワケが違う。
これだけの規模と期間で鉄道が長時間走った
経験はどこの会社もない。
鉄道関係者は半年以上勤務シフトを狂わせて
対処することになる。
売店従業員や清掃作業員なども同様だ。
トラブルになるかはやってみないと分からない。
事は人間だけで済まない。
電車も線路も一定期間内の安全点検が欠かせ
ないが、オリンピック期間中はそれができない。
事は安全にかかわるから後回しにはできない。
前倒しだ。
こうした前倒し点検はとっくに始まっていて、
要員は駆り出されている。
つまりオリンピック期間の無理のしわ寄せは、
前にも後にも長く続くのだ。
■特別輸送出費と乗客減のダブルパンチ
観客を入れないのなら深夜の終電延長や増発は
やらなくていいのか。
それすら分からない中、ひたすら出費がかさみ、
首都圏鉄道はコロナでの乗客減とのダブルパンチ
だ。
この出費は、最後はオリンピックに縁のない乗客
の運賃負担上昇やサービス低下で埋め合わせるし
かない。
もう輸送の世界ではオリンピックは始まって
いる。
でも今撤退すれば、まだ大出血を止めることは
できるはずだ。 =つづく
(鉄道ジャーナリスト・石山政男)
【転載終了】
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政府や組織委は開催することしか考えて
おらず、付帯した事案など頭にないのでは?
観客数が定まらないのなら、無観客で
開催するしかないだろう。
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