赤木ファイルは「時限爆弾」・・・
Business Journal
法社会学者・河合幹雄の「法“痴”国家ニッポン」
【転載開始】
赤木ファイルは「時限爆弾」・・・識者が語る、
森友問題と安倍晋三、政官財“本当の癒着構造”
2021.08.09 ※抜粋転載。
■「赤木ファイル」は、赤木俊夫氏が
決死の覚悟でしかけた、安倍晋三
前首相に対する“時限爆弾”ではなかったか
――日本政治史が専門で、「オーラルヒストリー」
の第一人者でもある東京大学名誉教授の御厨貴氏
も朝日新聞のインタビュー(2021年7月6日配信
『未完の最長政権』)において、「菅さんはあま
り個性のある人じゃないから全て継承すると思っ
ていましたが、実際は安倍政治との断絶でした」
とも語っていますね。
安倍氏から菅氏へと政権が交代し、前内閣総理
大臣補佐官の今井尚哉氏をはじめとする安倍氏の
側近官僚も入れ替わるなど、安倍氏のスキャンダ
ルに対する抑えが弱まるなかで「赤木ファイル」
が開示されたのは、政局としてきわめて自然な
ことだということですね。では、「赤木ファイル」
そのものについてはどう考えればよいのでしょうか?
河合幹雄 いわゆる「赤木ファイル」は、決裁済
文書の改ざんに関与させられた近畿財務局の赤木
俊夫氏が、その改ざん過程を詳細に残したメモで
す。役所で使われる文書は、たとえヒラの役人が
作成したメモであっても「公用文書」として取り
扱われ、破棄すると犯罪になります(刑法258条、
公用文書等毀棄罪)。そんなリスクを負ってまで
「赤木ファイル」を破棄することなど、さすがの
“忖度官僚”でもできるわけがない。上のほうから
どうしても破棄しろと言われれば、自分は命令
通りやっただけという形を整えるために、
「破棄命令を文書でくださいよ」という話にさえ
なります。しかしそれこそ、さすがの忖度官僚に
も絶対にできないこと。だからこそ「赤木ファイ
ル」は、「破棄した」のではなく「見つからない」
と言われ続けていたのでしょう。
――しかし、だとすれば赤木氏は、「破棄される
わけはない」と、そこまで考えたうえであのファ
イルを残したということでしょうか?
河合幹雄 赤木氏が心情を刻み、遺した手記の
ほうはともかく、「赤木ファイル」のほうは単な
る職務上の恨みや執念から作成されたファイル
ではないと思います。「この文書改ざんをただ
したい」という思いを踏まえ、のちに省内の
賛同者が必ず発見し、受け継いでくれると確信
して作成されたファイルであり、となれば安倍氏
にとって「赤木ファイル」は、いつか必ず爆発
する“時限爆弾”であるといえるでしょう。
■黒川弘務・東京高検検事長(当時)の賭け麻雀
は、ほとんど“自爆テロ”だったのではないか
河合幹雄 そして安倍晋三前首相です。
官邸主導で長期化した「安倍一強」体制は、
おそらくはこうしたあうんの呼吸、バランス感覚
を失い、暴走寸前だった。官僚人事をほしいまま
にし、あまつさえ歴代政権が法務省や検察の意向
を尊重し、暗黙の了解のうちに手出しを控えてい
た検察人事へさえ介入しようとした。
安倍前首相は検察さえも意のままに動かそうと、
「官邸の守護神」とも称された黒川弘務・東京
高検検事長(当時)を、検察官の定年延長という
“ウルトラC”によって、検察トップたる検事総長
に強引に据えようと企みました。しかし黒川氏は、
そうした官邸の横紙破りによって検事総長に就任
しても、検察組織のなかで苦しい立場に置かれる
ことを理解していたのでしょう。実際問題、自身
の司法修習の同期で、のちに検事総長となる
林真琴・名古屋高検検事長(当時)のほうが人望
があることをわかっていたのかもしれない(笑)。
だからこそ、緊急事態宣言下での賭け麻雀という、
ほとんど“自爆テロ”のようなやり方で検事総長就任
を回避したかのように私には思われます。たとえ
不起訴になったとしても、賭け麻雀が報道された
時点で検事総長の可能性は潰えますからね。
とにもかくにも森友問題は、そうした安倍一強
体制のおごりと油断から生じた“やりすぎ”への
反動が表面化したもののひとつだといえると思い
ますね。
足元ではこのコロナ禍において、1990年代以降
の行政改革によって保健所が“減らされすぎた”
ことがコロナ禍拡大の一因にもなったのだ……
といったような形で、「公務員はおごっている」
「公務員を減らせ」といったたぐいの公務員批判
には、いまや否定的な風潮が強くなっています。
しかし一方で、これまで見てきた通り、森友問題
の背景にある政・官・財の癒着構造はいまだ根深く
日本社会にはびこっています。森友問題や「赤木
ファイル」は、表層的な部分ばかりが取り沙汰され
ていますが、とりわけ大手マスコミにはこうした
日本社会の病理ともいうべき根本問題を深く調査し、
その功罪をしっかりと報道することが求められるの
ではないでしょうか。
■「家族(もっとも大切な家内)を泣かせ、彼女
の人生を破壊させたのは、財務省理財局です」
*****
この事実を知り、抵抗したとはいえ関わった者
としての責任をどう取るか、ずっと考えてきました。
事実を、公的な場所でしっかりと説明することが
できません。
今の健康状態と体力ではこの方法をとるしかあり
ませんでした。
(55才の春を迎えることができない儚さと怖さ)
家族(もっとも大切な家内)を泣かせ、彼女の
人生を破壊させたのは、本省理財局です。
私の大好きな義母さん、謝っても、気が狂うほど
の怖さと、辛さこんな人生って何?
兄、甥っ子、そして実父、みんなに迷惑をおかけ
しました。
さようなら
(赤木俊夫氏の手記より引用)
*****
「赤木ファイル」を遺した赤木俊夫氏は、利権構造
と政権の動きのなかに知らず知らずのうちに取り込ま
れ、“公僕”としての倫理観との板挟みにもがき苦しん
だ犠牲者とも解釈され得るのではないか。
しかしさらに大きな視点、ミソロジー(神話学)的
な観点から眺めてみれば、忠臣が、主君をいさめる
ために書面をしたため切腹した故事にさえなぞらえ
得るようにも思われる。
“必ず読んでもらえる”文書を遺した――という意味に
おいて。
【転載終了】
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安倍政権は日本という国を破壊してしまい
ました。
消費増税、集団的自衛権を成立。
科学分野補助金、介護分野の補助金、
社会保険料増額、年金掛け金増額。
そして、直近ではm-RNAワクチン開発の
凍結。
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