私的年金拡大の政府方針・・・
週刊ポスト2017年9月1日号
【転載開始】
■私的年金拡大の政府方針、「老後は自分で何とかしろ」の意味
8/27(日) 配信
厚生年金や国民年金の保険料が値上げされ、
受給額は毎年カットされ、さらには75歳年金受給
開始も検討される一方で、政府は公的年金の
保険料とは別に、iDeCo(イデコ)など企業や
サラリーマンが個別に掛け金を積み立てる
「私的年金」の普及拡大に力を入れている。
「少子高齢化が進展する中で、国民の老後の
所得保障を充実させていくためには、公的年金
に加え、企業や個人の自助努力による私的年金
を充実させていくことは重要な課題と認識して
おります」
安倍晋三・首相は今年3月の参院本会議で
そう強調した。
だが、国民の「老後の所得保障」は公的年金の
役割のはずだ。
国民や企業が公的年金の他に掛け金を負担する
私的年金は国による保障でも何でもない。
政府は「100年安心」を謳った小泉政権時代の
年金改革(2004年)で「年金は将来にわたって
現役時代の収入の5割を下回らないようにする」
と国民に約束し、現在の安倍政権も約束を引き
継いでいる。
しかし、5年ごとに行なわれる厚労省の年金財政
検証(2014年)では、働く高齢者や女性の割合が
大きく増えなければ、40年後の年金給付の水準は
今より3~4割目減りし、現役世代の平均収入の
5割を割り込むことがわかった。
首相が私的年金に加入しろというのは、老後の
生活に“公的年金が払えないから自分で何とかしろ”
という意味に他ならない。
現役時代にコツコツ年金保険料を支払ってきた
高齢者は「自助努力」と言われても納得がいかない
はずだ。
現在の高齢者がサラリーマン時代の保険料の
総額を計算すると、驚くべき金額になる。
厚労省の標準モデル(現役時代の平均月収40万円
で厚生年金に40年加入)の場合、支払った年金保険料
の総額は2948万円に達する。
大卒総合職の60歳定年時の退職金(一時金と企業年金
の合計)は大企業が多い経団連の調査で約2374万円、
東京都産業労働局がまとめた中小企業のケースで
平均1123万円だから、老後の蓄えとなる退職金以上の
金額を国に保険料として納めてきたのだ。
これは「自助努力」そのものだろう。
高齢者を75歳まで働かせることで年金を減額し、
“老後の保障は私的年金に加入せよ”とはどの口が
いうのか。
【転載終了】
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年金については、何囘か同じような
コメントしているので、省略します。
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