オリンパス、凄まじいリストラ・・・
Business Journal
【転載開始】
■オリンパス、凄まじいリストラ・・・
祖業=顕微鏡事業やデジカメ事業を
容赦なく売却
2022.01.20
オリンパスは2011年に粉飾決算が
発覚して以降、ガバナンス(企業統治)
改革を進めてきた。
19年には「物言う株主」から社外取締役
を招いた。
顕微鏡や産業用の測定装置などの
科学事業を22年4月1日付で分社化する。
新会社エビデント(長野県辰野町)が
科学事業を承継する。
分社後、第三者に売却する方針だ。
科学事業はオリンパスの祖業である。
21年3月期の売上高は959億円で全体の
13%を占めている。
主力の内視鏡事業の売上高営業利益率は
25%だが、科学事業は5%と低い。
科学事業は東京都八王子市に開発拠点、
新会社の本社となる長野県辰野町などに
生産拠点を置く。
関連人員は国内に1600人、海外に2200人。
人員削減はしない。
300億円を上限とした自社株買いも発表
した。
オリンパスは19年8月、ソニーが保有して
いたオリンパス株の取得を目的に
総額933億円の自社株買いを実施している。
■「物言う株主」を社外取締役に招く
「役員の間に会社を私物化する意識が
まん延し、株主に対する忠実義務などの
意識が希薄だった」。
粉飾決算に関する第三者委員会の報告書は
オリンパスの病理を、こう指摘した。
12年4月、笹宏行前社長の下でガバナンス
改革が始まった。
取締役の半数以上を社外取締役にし、
監査役会設置会社ながら任意で指名委員会
などを置いた。
だが、ガバナンス改革は即、業績向上に
つながらなかった。
15年、米国で内視鏡を媒介とする院内感染
が発生するなど不祥事が続く。
スマートフォンの台頭でカメラ事業は赤字
が続いた。
19年4月1日、社長が交代した。
竹内康雄氏が社長兼最高経営責任者(CEO)
に就任した。
オリンパス株を5.04%保有する筆頭株主、
バリューアクト・キャピタル・マネジメント
からロバート・ヘイル氏を取締役として受け
入れたことが産業界で話題になった。
6月開催の株主総会でロバート・ヘイル氏は
正式に就任した。
バリューアクトは米サンフランシスコに
本拠を構えるアクティビストファンド
(物言う株主)として著名な存在だった。
物言う株主を取締役として迎え入れるのは
日本企業として極めて珍しい。
併せて指名委員会等設置会社に移行し、
経営の監督と執行を明確に分離。
社外取締役の比率を3分の2以上に引き上げ
た。
事業の選択と集中で医療分野へ特化し、
株主の視点が強化された。
20年、新型コロナウイルスの感染拡大で
業績が悪化した。
20年1~3月期は74億円、4~6月期は
27億円、7~9月期は199億円の最終赤字
を出した。
■医療機器関連企業を次々と買収
苦境から脱出するために資産売却やM&A
(合併・買収)を積極化させた。
21年1月、デジタルカメラを中心とする
映像事業を投資ファンドの
日本産業パートナーズ(JIP、東京・千代田)
に売却し、撤退した。
関連する人員は全世界で約4270人だ。
映像事業の20年3月期の売上高は前期比
10%減の436億円、営業損益は104億円の
赤字。
ミラーレス一眼カメラを強化、生産拠点の
再編に取り組んできたが3年連続の赤字
だった。
スマートフォンなどの台頭でデジタルカメラ
は世界的に需要が減少し、直近10年間で
営業黒字となったのは1度だけ。
累積損失は1000億円に達し、市場関係者
から売却の要求が強まっていた。
一方、医療機器事業のM&Aを加速させた。
20年8月、内視鏡の視認性を高める器具を
展開する英アーク・メディカル・デザイン
を買収(買収金額は非公表)したのを
皮切りに、11月、整形外科関連の
仏エフ・エイチ・オーソ(金額非公表)、
12月には呼吸器の製品を手がける
米ベラン・メディカル・テクノロジーズを
354億円で買収した。
21年2月、蘭クエスト・フォトニック・
デバイスズ(外科分野)を63億円、
5月にはイスラエルのメディテイト
(泌尿器科)を272億円で手に入れた。
科学事業を売却すれば1000億円超が手に
入る可能性があり、これを新たなM&A資金
に充当する。
22年3月期の連結純利益(国際会計基準)
は前期比8倍超の1090億円になる見通しだ。
18年3月期の国際会計基準移行後、最高益
となる。
新型コロナウイルス禍で延期されていた
病院での検査や治療が再開し、
主力の内視鏡や治療機器の販売が想定以上
に伸びた。
売上高は17%増の8560億円、営業利益
は76%増の1440億円と、従来予想を
それぞれ260億円、40億円上回る。
業績を牽引するのは競争力がある内視鏡事業
だ。
病院の設備投資が回復し、20年に消化器
内視鏡の旗艦製品を8年ぶりに新発売した。
内視鏡事業の通期の営業利益は1270億円
と前期比29%増える見通しだ。
竹内社長は「5~7年かかるような改革を
3年でやる」と強調していた。
22年3月期の売上高営業利益率は16.8%を
見込み、目標とする同20%に一歩近づいた。
収益率の低い科学事業を切り離すことで
23年3月期の営業利益率は20%を達成でき
ると見ている。
医療機器大手でアイルランドのメドトロニック
や米ジョンソン・エンド・ジョンソンなどは
コロナ禍でも営業利益率はコンスタントに
20%以上を確保している。
オリンパスも最低でも20%をキープできる
だけの競争力を維持できる体制を築きたい
としている。
22年3月期に営業利益率20%を達成すれば、
竹内社長は公約を果たしたことになる。
消化器内視鏡は世界シェア7割を占めるドル箱
だが、先進国市場では成熟しつつあり、
次の“エース”を育てたいところだろう。
(文=編集部)
【転載終了】
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ちょっと前には、BSが8000人の
リストラを発表しましたね。
「オミクロン株」のピークアウト
後の経済界が心配ですね。
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