プーチン大統領に足元みられ・・・

日刊ゲンダイDIGITAL


【転載開始】


■プーチン大統領に足元みられ・・・

 対ロ経済協力を加速させた安倍元首相

 の大罪

 公開日:2022/03/06


 ウクライナ侵攻を受け、欧米企業が

次々とロシアからの事業撤退を表明し

ている。

引き続きロシアと付き合えば、国際

世論は猛反発。撤退すれば大損──。

日本が難しい判断を迫られるのは、

石油・LNG(液化天然ガス)開発事業

「サハリン1、2」だけじゃない。

北方領土交渉で「良好な関係」を築く

ため、安倍元首相が加速させた対ロ

経済協力は「負の遺産」となりかね

ない。


 ◇  ◇  ◇


 2016年5月にロシア・ソチで開催さ

れた日ロ首脳会談で、当時の安倍首相

はプーチン大統領にエネルギー開発な

ど「8項目の経済協力プラン」を提案し、

こう訴えた。


 「ウラジーミルにもこれに応えて真剣

に検討してもらいたい。2人で協力して

日ロ関係を飛躍的に発展させたい」


 14年のクリミア併合を受け、

欧米各国が経済制裁を科し、ロシアに

ソッポを向く中の猛アタック。

プーチン大統領は高い評価と賛意を示し、

会談は3時間10分もの長時間に及んだ。


 同年12月の山口・長門会談で、

官民80件、日本側が3000億円規模の

投資をすることで合意。

最大規模の対ロ経済協力が発表された。


 安倍氏は「今までの日ロ関係で前例の

ないことだ」と成果を強調し、

プーチン大統領は「エネルギーはロ日

協力の戦略的分野です。ロシアは日本

への信頼できる炭化水素(天然ガスや

石油)の供給者です」と胸を張った。


 こうして政治主導の

ビッグプロジェクトが加速していった。

 北極海のLNG事業

「ヤマルプロジェクト」はクリミア問題

で欧米諸国が撤退していたが、プラント

建設で日揮や千代田化工、融資で国際

協力銀行など日本企業が続々参入。

19年からは日本向けの出荷が始まって

いる。


■林外相は“白旗”


 23年から生産予定の北極海の

「アークティックLNG2」にも、三井

物産やJOGMEC(石油天然ガス・金属

鉱物資源機構)が参画している。

本契約の署名式は、わざわざ19年6月の

G20大阪サミットの日ロ首脳会談に合わ

せて行われた。


 国際ジャーナリストの春名幹男氏は

こう指摘する。

「ヤマルもアーク2も場所は北極海です。

欧州向けのLNG供給には寄与しますが、

遠い日本にはあまりメリットがないもの

でした。北方領土問題に前のめりの安倍

首相の足元を見て、プーチン大統領が

日本から資金や技術をうまく引き出した

と言えるでしょう」


 もともと、両プロジェクトは安倍氏の

政治的野心が生んだ“いわくつき”な上に、

ロシアのウクライナ侵攻で行き詰まるの

は必至だ。


 「国際世論の目もあり、両事業を継続

するわけにはいかないでしょう。撤退す

れば、投資元の損失は避けられず、天然

ガスも調達できない。クリミア問題で

経済制裁を受けているロシアに対し、

プーチン大統領の口車に乗り、過去最大

規模の経済協力を進めた安倍元首相の

責任は重大です」(春名幹男氏)


 林外相は1日、「8項目の経済協力」に

ついて「進めていく状況ではない」と

白旗を揚げた。

官民の損失は巨額に膨れ上がる恐れが

ある。

安倍元首相はどう落とし前をつける

のか。


【転載終了】

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 経済協力にどれほどの経済効果が

あったのかは別として、安倍元首相

の頭には北方領土があったのでしょう。


 日本の政治家の外交下手はこのよう

な相手の腹を見透かす能力に欠けてい

ることですが、特に、安倍氏は歴代の

総理がなしえなかった北方領土返還と

いうレガシーをつくりたかったのでは

ないですかね。

拉致被害者問題然り。


 それが、相手に利用されてしまう

スキをつくってしまうのでしょう。


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