(1)台湾侵攻は断念?ロシア制裁の威力に震え上がる習近平・・・
MONEY VOICE
【転載開始】
■(1)台湾侵攻は断念?
ロシア制裁の威力に震え上がる習近平、
「中立」の仮面を被ってプーチンを
捨て駒に
2022年3月6日
■なぜ習近平は動かない?ロシアと距離
を取り始めた中国
ロシア軍のウクライナ侵攻は、正確に
言えば「侵略」である。
ロシアが、言いがかりをつけて大軍を
送り、ウクライナの領土と国民の生命
財産を危機に追い込んでいるからだ。
こういう現実が、映像として世界中に
流れている以上、中国はロシアを擁護
すれば、そのリスクが限りなく大きい
ことを自覚し始めている。
中国は、ウクライナで「一帯一路」
プロジェクトを展開している。
また、ウクライナから廃船同様の空母を
スクラップ名目で購入、現在の空母
「遼寧」に仕上げたように、ウクライナ
と浅からぬ因縁で結ばれている。
その「恩義ある」ウクライナに対して、
支援の手を差し延べずロシア寄りの態度
を取ることは、著しく「国格」を貶める
行為であろう。
中国は、世界中がロシア非難で沸き
返っていることもあり、しだいに立ち
位置を変え始めたようだ。
中国の王毅外相は3月1日、ウクライナ
外相クレバ氏と電話会談し、ウクライナ
の民間人に危害が及んでいる事態を
「極めて憂慮している」と伝えた。
中国外務省は、会談終了後の声明を
ウェブサイトに掲載。
「ウクライナとロシアの間で起きた紛争を
非難する」とも表明した。
間接的なロシア批判である。
『ブルームバーグ』(3月2日付)が伝えた。
中国共産党機関紙『人民日報』系の
環球時報は2月28日、この紛争に対する中国
の立場は「中立」だと報じていた。
このニュースから見れば、中国が世界の
情勢変化に少しずつ気配りを始めていること
を覗わせている。
■欧州一丸となってロシアへ対抗
中国は、今回のロシアによるウクライナ
侵攻で、ロシア支援に起ちあがっている国
が一国もない事実を知っている。
それどころか、北欧のフィンランドと
スウェーデンが相次いでウクライナに武器
を供与する方針を決めたのだ。
すでに、ドイツも過去の規定を改正して、
ウクライナへ武器を供与している。
前記の北欧2ヶ国には、紛争地に武器を送ら
ないという長年の方針があった。
今回の決定について、両国の首相は
「歴史的な決断」と評している。
ドイツ首相も同様に「歴史的転換」という
言葉を使った。
フィンランド政府は2月28日、ライフル
2,500丁と弾丸カートリッジ15万個、
対戦車兵器1,500基、食料7万食を送る方針
を発表した。
同国は紛争地への武器輸出を認めないことを
長年の方針としてきたという。
マリン首相は会見で、「フィンランドにとっ
て歴史的な決断だ」と述べた。
同国政府は発表文で、ウクライナの要請を
受け、欧州連合(EU)のいくつかの加盟国
が武器や弾薬を送る方針を決めた、と指摘
している。
スウェーデン政府も2月27日、対戦車兵器
5,000基などの直接支援を発表した。
「紛争地に軍備を送ることはスウェーデン
の慣例ではない。最後に本格的に実施したの
は、1939年にソ連がフィンランドを攻撃し
た時だ」と説明している。
中国は普段、小国ゆえに「小馬鹿」にして
きた北欧2ヶ国が、強い危機感と憤りを持って、
長年守ってきた慣例を破ってまでウクライナ
支援に起ちあがっている。
こういう状況を見れば、中国はとても
「ロシア支援」と言えるはずがない。
「中立」がせいぜいであり、ここからも少し
ずつ軌道修正を図っているのだ。
■プーチン支援は高リスク
中国がロシア支援を言い出せない裏に、
米国の対ロシア経済制裁で見せた「威力」に、
足がすくんでしまったことを挙げなければ
ならない。
中国の「ロシア寄り」リスクが、極めて大き
いことを実感させられたのである。
ロシアは、SWIFT(国際銀行間通信協会:
世界の銀行間金融取引の仲介と実行)から
排除されると同時に、欧米に預けられている
ロシア中央銀行資産の凍結もされる異常事態
に陥った。
米国ドルは、世界で唯一の基軸通貨である。
それは、世界の金融システムを支配している
ことでもある。
中国やロシアが逆立ちしても敵う相手でない。
その金融支配力の凄まじさが、ロシアを
キリキリ舞いさせているのだ。
プーチン氏が、つい「核部隊待機命令」と
いうあり得ない発言をした裏には、
SWIFT排除の威力の大きさを覗わせている。
それほど、世界の銀行間金融取引から除外
されるデメリットは大きいのである。
これを見た中国が、経済的にロシア支援に
動けば、中国も一緒に「処罰対象」にされか
ねないのだ。
中ロは、揃って「金縛り」にあったのも同然
の状態に追い込まれていると見られる。
米国は、ロシアへの経済制裁案の策定に
あたり、中国が世界第二位の経済規模を生か
し、ロシアを支援するかどうか徹底的に検討
したという。
中国が、ロシア産の原油や小麦・大麦などの
輸入を拡大すること。
金融支援のほかに輸出制裁対象品を秘かに
提供し、ロシアをバックアップするという
内容である。
米国は、対ロ経済制裁発動前にいろいろ
検討した結果、中国が米国の制裁措置に
著しく介入する可能性は低いと判断したと
いう。
仮に、中国がそうした行動に出れば、
米国の巨大な市場や金融ネットワーク、
中核技術に対するアクセスを中国企業が
失う恐れがある。
米国は、中国経済の弱点を100%見抜い
ているのだ。
ただ、中国がロシアとの関係を深めている
ことに加え、過去に米国が北朝鮮やイランに
制裁を科した際、中国が制裁回避をした事件
を忘れてはならない。
ファーウェイ副会長が、米国の依頼により
カナダで逮捕された一件である。
カナダで、21年12月まで米国へ身柄引き
渡し裁判で拘留された事件は、イランへの
不法輸出に関係したものである。
被疑者が、米国と司法取引により犯罪を認め
たので釈放された。
(2)につづく。
【転載終了】
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”SWIFTは経済の核爆弾”と言われて
いるようですが、経済制裁の最終兵器
ということですかね。
中国は、本気の経済制裁を目の当た
りにしたという事なのでしょう。
棄権に回ったのも、ロシアに義がない
とわかっているからですかね。
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