誰も止められないプーチンの野望(下)
日刊ゲンダイDIGITAL
【転載開始】
■誰も止められないプーチンの野望(下)
独自の歴史観でスラブ世界の「救世主」
を自負
公開日:2022/03/10
ロシアを語る上で「第3のローマ」と
いう言葉がある。
東方正教から見ると、第1のローマは
堕落し、第2のコンスタンチノープルは
異教徒の手に落ち、第3の中心地
モスクワこそが世界を救うという考え
方だ。
プーチン大統領はスラブ世界の
「救世主」を自負しているともいわれ
ている。
2月24日にウクライナ侵攻を宣言し、
世界を揺るがしたプーチン氏。
決断の背景には、北大西洋条約機構
(NATO)の東方拡大という外交・
安全保障問題だけでなく、隣国に
対する
「ウクライナという国はなかった」
「ロシア人とウクライナ人は同じ」
という独自の歴史観も影を落として
いる。
「自分のことをメシア(救世主)
と感じている」。
ノーベル文学賞作家スベトラーナ・
アレクシエービッチ氏は、
開戦に至った精神状態をこう分析する。
事実、プーチン氏は昨年7月に両国の
「歴史的一体性」に関する論文を発表。
2月21日の国民向け演説でも
「ウクライナ論」を約1時間も続けた。
仮にそうした「感情」が動機だと
すれば、ウクライナが「非武装化」
「中立化」され、ロシアの勢力圏に
戻る形で一体となるまで、軍事作戦は
終わらないことになる。
「理性」に訴えるような譲歩を
ウクライナや欧米が外交を通じて示し
たところで、プーチン氏には響かない
可能性がある。
そういう意味で、この戦争の闇は深い。
さて、今回の侵攻は皮肉にも、
両国民の違いを浮かび上がらせた。
「士気の高いウクライナ兵」と
「なぜ戦争をしているか分からない
ロシア兵」の違いだ。
ロシアが2014年に軍事介入後、
ウクライナ人は8年間も戦争状態にあ
ると自覚している。
世界は今始まったかのように見ている
が、東部の紛争では計1万4000人が
死亡。
「国家存亡」の危機意識はロシア人
より高く、米国の対戦車ミサイルや
トルコの無人機の導入も進めた。
一方、ロシア軍は数で勝るとはい
え、軍事演習と思っていたところで
実戦に投入された若者も多い。
「歓迎されると思っていたら、ナチス
扱いされた」と困惑する兵士の声も。
ウクライナ側は、戦死者や捕虜の情報
をインターネットで発信し、ロシア側
の厭戦ムードにつなげようと心理戦に
躍起だ。
戦況は予断を許さないが、万が一に
もロシアが負けたらどうなるか。
「日露戦争はロシア帝国の終わりに、
アフガニスタン侵攻はソ連崩壊につな
がった」(チェコ外務省高官)という
指摘があり、プーチン政権の存亡にも
関わりそうだ。 (おわり)
(時事通信社前モスクワ特派員・
平岩貴比古)
【転載終了】
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キエフは、一週間くらいで陥落
する可能性がありますね。
しかし、その後ゼレンスキー
亡命政権でゲリラ戦的な市街戦が
長期化する可能性もありますね。
それが、ロシアを疲弊させる西側
の作戦かも?
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