世界に取り残される日本・・・
MONEY VOICE
【転載開始】
■「黒田続報」に見る政府の強い意志
日本でも4月8日に任期が切れる
黒田日銀総裁の後任問題が表面化
していた。
メディア報道によると政府は黒田日銀
総裁の続投を決めたようである。
黒田日銀総裁の後任問題よりも先に
3月19日に任期を迎える岩田、中曽
副総裁の後任人事が国会で議論される
という見方が出ていたなかで、
「黒田日銀総裁続投」方針を明確にした
のは、政府が異次元の金融緩和を継続
する姿勢を見せることで株式市場の動揺、
円高圧力を封じ込めようとする意志を
持っていることの証である。
黒田日銀総裁続投をぶち上げることは、
円安・株高をもたらした異次元の金融緩和
継続に期待を寄せる国内の一部の勢力
からは歓迎されるかもしれない。
しかし、黒田日銀総裁続投が世界の
投資家から歓迎されるニュースであるかは
定かではない。
■求められる異次元緩和の「出口戦略」
既に「金利」と「お金の量」のどちらを
政策目標にするのか曖昧になるなど、
異次元の金融緩和が限界に達している
ことを多くの投資家は認識している。
また、黒田日銀総裁が続投するという
ことは、次の任期中に「出口論」を示さ
なければならないということである。
2013年1月に政府と日銀の間で交わ
された「政府・日本銀行の共同声明」の
中で決められた「日本銀行は、物価安定
目標を消費者物価の前年比上昇率で
2%とする。日本銀行は、上記の物価
安定の目標の下、金融緩和を推進し、
これをできるだけ早期に実現することを
目指す」ことを実行するためだけに誕生
した黒田日銀総裁が「出口論」を論じる
ためには、この「政府・日本銀行の共同
声明」を見直す必要がある。
就任当時に2年程度で「2%物価安定
目標」を達成できると大見得切ったにも
かかわらず、その目標達成は事実上
無期延期されている。
政府と日銀が掲げた目標を達成でき
ないことが明らかになって来ている
異次元の金融緩和を漫然と続けること
に対して、世界から高い評価が得られる
可能性は政府や日本人が期待するほど
高くはないと考えるべきだろう。
■世界に取り残される日本
FRBもECBも「2%の物価上昇目標」を
達成する見込みが立たない段階から
「出口」に向けて動き出している。
それは、「2%の物価上昇目標」を達成
できないことに比べて、「量的緩和を
漫然と続けること」の方が金融的リスク
が高いからにほかならない。
こうした金融的リスクに目も向けよう
ともしないうえに、「2%の物価安定目標」
を全く達成できていない日銀総裁が政府
から続投を求められるという構図は、
「責任を取らない日本」「臭い物に蓋を
する日本」を世界に強く印象付ける
できごとである。
「黒田日銀総裁続投」は、一部の国内
投資家にとっては「良いニュース」に
聞こえるかもしれない。
だが世界にとっては「信じ難いニュース」
として捉えられる可能性があることも認識
しておく必要がありそうだ。
【転載終了】
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基本的に、日銀としては「出口戦略」を
早く模索したいところでしょう。
しかし、「アベノミクス」失敗を認めたくない
御仁がいる限り、継続するしかなく、手遅れ
になる可能性が高く、責任を押し付けられる
可能性を恐れているでしょうね。
FRBもECBも既に2年前から「出口戦略」を
模索しています。
黒田総裁も退任したいのでしょうが、
官邸の圧力で続投はしたが、二期目の
途中で後任にバトンを渡したいというの
が本音ではないでしょうかね?
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