【ウクライナ発】即時停戦したらどうなるか
田中龍作ジャーナル
【転載開始】
■【ウクライナ発】即時停戦したらどうなるか
2022年11月22日
いったん停戦合意し態勢を立て直した
ロシア軍が占領を続ければ、マスグ
レイブはさらに増える。
=9月、イジューム 撮影:田中龍作=
これ以上人が死なないように、家屋
が破壊されないように・・・市井の人々
が「即時停戦」を願うのはもっともだし
理解できる。
だが、国会議員や言論人が即時停戦
を唱えれば、それは明らかに現実認識
を欠く。
国会議員に至っては国を危うくする。
かりに今、停戦合意すればドネツク、
ルハンスク、ザポリージャ、ヘルソン
の4州はロシア領として固定化する。
プーチン大統領が併合を宣言した4州を
手放すはずがないからである。
さらにロシアはこの4州から西に侵攻
してくることが十分に懸念される。
なぜならドネツク、ルハンスクのロシア
語話者をネオナチから解放する
(これ自体プロパガンダだが)と称して
軍事侵攻してきたはずなのに、
ザポリージャとヘルソンまで兵を進めた。
ウクライナ軍の抗戦がなければ、
ロシア軍は次から次へと西に侵攻して
ゆき、いずれキーウまで陥れるだろう。
ロシア軍は停戦中にミサイルやドローン
を調達し、爆撃を再開するだろう。
さらに多くの人々が住宅を失う。
=3月、キーウ市内 撮影:田中龍作=
ロシアによる最高のダマシとして
ブダペスト覚書(1994年)がある。
「ウクライナが核を放棄すれば、私たち
はウクライナの安全を保障しますよ」と
いう内容で、ロシアとイギリスと
アメリカが署名した。
当時、世界第3位の核保有国だった
ウクライナは経済的事情もあって所有
していた核をすべてロシアに渡した。
核を放棄した結果、どうなったかは
言うまでもないだろう。
アメリカとイギリスは武器供与と
資金援助で約束通りウクライナの安全
を保障している。
ロシアはものの見事に覚書を反故にし、
軍事侵攻した。
明らかに騙し討ちである。
つい最近では開戦前、ラブロフ外相が
「軍事侵攻はしない」と公言していたの
だが、これもダマシだった。
ロシアはウソをつき約束を守らない、
というのがウクライナ国民の共通認識だ。
事実そうである。
あるIT技術者(30代)は
「停戦合意すれば皆殺しにされるだけ。
ロシア軍を追い出すまで戦い続けるし
かない」と話す。
日本人は相手が嘘をつかないという前提
で話を聞く。
だから騙される。
そして「即時停戦を」と唱え始める。
【転載終了】
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現状では、ほぼロシアに勝ち目は
ないだろうといわれています。
文中にもあるように、ロシアは併合
宣言した4州を確保だけしたいのだと
思います。
現状ではクリミアを奪還されたら、
ドネツクまでの4州まで取り返されて
しまう可能性が高まるでしょうから。
※市井の人々=一般大衆。庶民。
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