トランプ政権、シリア「開戦」の現実味・・・
News weak
【転載開始】
■トランプ政権、シリア「開戦」の現実味
<米世論に見るイラク開戦前との不気味
な類似――新たな戦争の泥沼がアメリカ
を待ち受けるのか>
2016年の米大統領選共和党予備選で
ドナルド・トランプは大方の予想を覆し、
主流派候補16人を下した。
本人は決して認めないだろうが、この快挙
には08年の大統領選でのバラク・オバマの
逆転劇と共通点が1つある。
数年前まで大学講師を掛け持ちする無名の
州議会議員だったオバマが、民主党予備選で
大本命のヒラリー・クリントンに逆転できたの
は、イラク開戦を支持したクリントンの決断に
異を唱えたからだった。
経験不足をクリントンから指摘されたオバマ
は、自分はクリントンと違ってイラク開戦に反対
したと応酬。
これで人気に火が付き、奇跡の大勝利につな
がった。
トランプはこの戦略をまねた。
予備選の序盤、最強の敵はイラク開戦を決断
した当時の最高司令官の弟ジェブ・ブッシュ。
トランプはイラク戦争には当初から反対だった
と主張して(開戦前はメディアで戦争支持を
明言していたとの指摘も多いが)共和党の常識
に盾突き、支持率を急上昇させた。
シリア、北朝鮮、イラン、ロシアとの軍事的緊張
が高まるなか、新たな軍事介入を国民が支持
するかどうかを測るには、アフガニスタンと特に
イラクでの戦争の泥沼化がアメリカの世論に
与えてきた影響を分析することが不可欠だ。
ジョージ・W・ブッシュ大統領がイラク開戦準備
を進めていた03年、国民の71%が開戦を支持、
反対は27%のみだった。
それが現在は開戦の決断を支持する人は43%、
反対は48%と大きく様変わりした。
だが早計な判断は禁物だ。戦争をめぐるアメリカ
の世論は気まぐれで、事態の急展開によっては
大きく変動しやすい。
■イラク開戦前にそっくり
軍事介入をめぐる世論には大きな「波」がある
と実際に世論調査を実施した専門家は言う。
例えば92年にはアメリカ人の66%がソマリア介入
を支持したが、93年首都モガディシオでの戦闘で
アメリカ人兵士18人が殺害され遺体が住民らに
よって引きずり回されると、世論は一変。
94年にルワンダで80万人が虐殺されても、
アメリカには介入する倫理的義務はないとの
意見が51%に上った。
その後も世論は介入に消極的で、ボスニアでの
残虐行為が盛んに報じられても50%が介入に反対。
しかし95年東部の町スレブレニツァでイスラム教徒
7000人以上が虐殺されると、一転して66%がコソボ
への軍事介入を支持した。
「衝撃的」な変化だったが、アフガニスタンとイラク
で痛い目に遭って軍事介入への支持は再び下火に。
スーダン虐殺への対応を外交政策の最優先課題に
すべきだという意見は7%止まりだった。
シリアについても同じだ。
13年にオバマがシリア空爆に議会の承認を得よう
とした際、支持すると回答したのは国民の36%に
すぎなかった。
ところがテロ組織ISIS(自称イスラム国)の残虐行為
とシリアのアサド政権による化学兵器使用を受けて
風向きが変わった。
15年には57%がISISとの地上戦に特殊部隊を投入
することを支持、72%が空爆を支持した。
昨年4月のトランプ政権初の空爆に対する支持は
66%に上った。
これらの数字はイラク開戦前と不気味に似通って
おり、歴史がトランプを戦争に駆り立てているかの
ようだ。
トランプは議会の上下両院を掌握し、議会も次第に
彼の言いなりになっている。
イラク開戦前のブッシュがフセイン政権を非難した
ときと同様、トランプもアサド政権の残酷さと無分別
を糾弾している。
しかもトランプが新たに大統領補佐官(国家安全
保障担当)に迎えたジョン・ボルトンはイラク開戦前
に情報操作を行ったとされる人物。
大規模なシリア空爆を強く主張してきたことでも知ら
れている。
国内では不人気でスキャンダルまみれのトランプ
政権が、注意をそらすために戦争をする「本末転倒」
を懸念する声もある。
世論が介入支持に大きく動くなか、アフガニスタンと
イラクでの経験をアメリカ人は果たしてどこまで鮮明
に覚えているだろうか。
シリアについても同じだ。
13年にオバマがシリア空爆に議会の承認を得よう
とした際、支持すると回答したのは国民の36%に
すぎなかった。
ところがテロ組織ISIS(自称イスラム国)の残虐行為
とシリアのアサド政権による化学兵器使用を受けて
風向きが変わった。
15年には57%がISISとの地上戦に特殊部隊を投入
することを支持、72%が空爆を支持した。
昨年4月のトランプ政権初の空爆に対する支持は
66%に上った。
これらの数字はイラク開戦前と不気味に似通って
おり、歴史がトランプを戦争に駆り立てているかの
ようだ。
トランプは議会の上下両院を掌握し、議会も次第に
彼の言いなりになっている。
イラク開戦前のブッシュがフセイン政権を非難した
ときと同様、トランプもアサド政権の残酷さと無分別
を糾弾している。
しかもトランプが新たに大統領補佐官(国家安全
保障担当)に迎えたジョン・ボルトンはイラク開戦前
に情報操作を行ったとされる人物。
大規模なシリア空爆を強く主張してきたことでも
知られている。
国内では不人気でスキャンダルまみれのトランプ
政権が、注意をそらすために戦争をする「本末転倒」
を懸念する声もある。
世論が介入支持に大きく動くなか、アフガニスタンと
イラクでの経験をアメリカ人は果たしてどこまで鮮明
に覚えているだろうか。
Surviving The Trump Eraサム・ポトリッキオ
<本誌2018年5月1&8日号掲載>
【転載終了】
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急激に原油高になった理由がこれでしょうね。
現在70ドル前後ですが、80ドルもあり得ます。
それより、中東情勢の急激な悪化により、
日本へ「ショーザフラッグ」の要求があるかも?
そうなると、安倍3選もあり得ます?
米国は、ロシアまで相手にするようになるので、
日本は親日国のロシアやイランと微妙な立場に
立たされますね。
因みに、イランからの原油輸入量は6.5%で、
輸入先としては第5位です。
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