「G7で安倍首相が大活躍!」ということなので・・・

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【転載開始】


■「G7で安倍首相が大活躍!」ということなので、

 海外主要メディアのG7報道で総理の名前を

 探してみた。「ABE」の名は? 2018年06月18日


 今月カナダで行われたG7(先進7か国)首脳会議。

「トランプ米大統領対欧州勢」という構図が印象的

だったが、国内の一部報道では、トランプ米大統領

やドイツのメルケル首相が「シンゾー」と親しげに

助言を求める姿や、北朝鮮関連の議論を主導した

と強調され、安倍がアメリカと欧州の調整役を果たし、

八面六臂の大活躍だった! バンザイ! 

とでも言うような論調が報じられると、SNSの右派

クラスタを中心に拡散。

それを受けて反安倍勢は「ガラパゴス報道」と揶揄

するなど、盛り上がりを見せていた。


 そんなに我が国の首相が大活躍したならば、

海外メディアにおける報道でも「ABE」の文字が乱舞し、

絶賛の嵐なのでは? 

と期待しつつ英語を筆頭にスペイン語やドイツ語など

のメディアにも目を通して、我らが安倍首相の活躍を

探してみた。


■トランプ大統領からは嫌味が


 しかし、海外メディアの報道を見ると、八面六臂の

大活躍だったはずなのに、どうにもその姿が報じら

れていない……。


 まずはアメリカの主要メディアを見てみよう。

『ウォール・ストリート・ジャーナル』の

「G7の裏側 トランプのジャブが同盟国を落胆させる」

という記事では、対米関係に亀裂の入ったカナダの

トルドー首相、なんとか関係を取り持とうとする

メルケル独首相が登場。

さらにアメリカの立場が不公平だと主張するトランプ

大統領に対して、どちらの市場も不均衡になると

フランスのマクロン大統領が反撃する様子が伝えられ

ている。


 あれあれ? 調整役として安倍さんが大活躍したん

じゃないのか??


 安倍首相の名前がやっと出てきたのは記事の中盤。

移民についてトランプ大統領が

「シンゾー、日本に移民問題はないが、私は2500万人

のメキシコ移民を送り込むことができる。そうすれば、

君はすぐ退陣することになるだろう」と言い放った部分

だ。

この発言は他国のメディアも取り上げており、

G7での日本関連ニュースでは、もっとも話題になって

いる。


 さらに残念なのは、このニュースを報じる記事に

安倍首相の反論が見当たらなかったことだ。

実際にはどうだったかわからないが、少なくとも報道

では“言われっぱなし”の状態。

トランプ大統領の暴言とも言えるコメントを安倍首相

がどう感じたかは気になるところだ。


 また、同じ『ウォール・ストリート・ジャーナル』では

「トランプのロシアへの呼びかけがG7を揺るがす」と

いう記事も。

こちらはロシアをG7に入れるべきだというトランプ

大統領の主張がテーマで、マクロン仏大統領、

メルケル独大統領、ドナルド・トゥスク欧州理事会議長

らの名前が挙がっている。

日本については「貿易に関してはEUと協調路線にあり、

アメリカには関税について考え直すよう求める」という

政府関係者のコメントが紹介されているが、安倍首相

の名前は見当たらなかった。


 続いて『USAトゥディ』には、

「トランプがG7に危機を呼ぶ 同盟国を攻撃し、ロシア

を受け入れ」、「G7のトランプ大統領写真:各国の写真

が異なる様子を伝える」などの記事が。

後者はメルケル首相がトランプ大統領に詰め寄る様子

を各国首脳・機関が違った角度の写真で発表している

という内容。

日本でもSNS上で多くシェアされていたので、目にした

人も多いだろう。


 この「トランプ大統領と対峙する各国首脳陣」という

構図は、G7を象徴する一幕として、さまざまな海外

メディアが取り上げていた。

しかし、これらの記事でも主役はあくまでメルケル首相

とトランプ大統領。

安倍首相にフォーカスした記事は見当たらなかった。


 同じく米大手メディアである『ニューヨーク・タイムズ』

は「大統領、同盟国首脳陣との声明に署名拒否」と

ともに、トランプ大統領がG7の開催地・カナダを去った

あと、米朝会談に向かうエアフォースワンの機内で

投稿したツイートを紹介。

トルドー首相との軋轢を取り上げた。


 「カナダのジャスティン・トルドー首相は、G7の

会談中はとてもおとなしく、穏やかだった。私が

去った直後に記者会見を開き、『アメリカの関税

は侮辱的で、振り回されない』と言ったが、とても

不誠実で弱い男だ」


 同記事ではこのツイートをフックに、アメリカ=

カナダ間の関税についての不一致が解説されて

いた。

安倍首相の名前は出てこず、「トランプ大統領は

各国首脳との個人面談で、アメリカの立場がいか

に不公平か訴えた」という部分で「ジャパン」の

ひと言が出てくるだけだ。


 「ドナルド」「シンゾー」と呼び合い、トランプ大統領

と親密な関係にある……。

日本ではそんな対米関係ばかりが報道されているが、

こと米メディアのG7を報じる記事には「シンゾー」の

名前は、まるで登場しなかったようなのである。


■唯一、安倍首相を主体的に報じたのはカナダ


 では、欧州メディアではどうか? イギリスの

『ガーディアン』は「G7マイナス1:トランプがカナダでの

サミットに向け鉄球を準備」と、トルドー首相、メルケル

首相とともに、安倍首相が「窮地に立たされる」と記し

ている。

しかし、ここでも安倍首相は「ワン・オブ・ゼム」な扱い。

「各国首脳陣の関係を取り持った」という記述は見られ

なかった。


 また、「貿易問題でトランプに対抗するよう、

マクロンがG7加盟国に呼びかけ」という記事では、

トランプ大統領がカナダに向かう前に安倍首相と会談

したことが紹介されている。

同記事はG7後の米朝会談にも触れているが、

「マクロン大統領が北朝鮮との交渉を支持している」と

いう内容にとどまり、安倍首相の名前は挙がらず。

日本も当事者である北朝鮮問題ですら、安倍首相が

登場しないのは寂しい限りだ。

そのほか、イギリスメディアでは、タブロイド紙の

ウェブサイトで名前が挙がる程度だった。


 そしてやっと、安倍首相の主体性が感じられる記事

を発見した!

 報じているのは意外にもG7開催国・カナダの

『ナショナル・ポスト』の記事だった。

「NAFTA(北米自由貿易協定)の状態は良好」はTPPに

言及しており、安倍首相とトルドー首相が協力関係に

あって、トランプ大統領は孤立しているというニュアンス

を強調していた。


 「トランプは12か国が加盟するTPPからも離脱。

G7のカナダと日本を含む11か国が、アメリカ以外

で独自の自由貿易圏を推し進める様子を眺めて

きただけだ。(中略)カナダ政府の関係者によると、

金曜日にはトルドー首相と安倍晋三首相が迅速に

施行できるよう話し合ったとされる」


 この文面は「密接な日米関係」とは真逆の内容だが、

安倍首相がTPP交渉において“プレイヤー”であった

ことは読み取れる。

「私自身、TPP断固反対と言ったことは1回も、ただの

1回もございません」と述べるだけのことはあって、

しっかりとその活躍が報じられていた。

日本の農業関係者の皆さん、安倍首相及び自民党は

TPPを頑張って推進しているようです!


 しかし、“大活躍”が報じられていたのは、カナダ紙の

TPPに関する部分のみ。

フランスの『ル・モンド』、ドイツの『ディ・ヴェルト』などの

記事には、名前すら見当たらなかった。


 また、当サイトでスペイン語圏のニュースを報じて

くれている白石和幸氏の協力を仰ぎ、スペイン語圏の

主要メディアでの報じられ具合も探してもらったが……。


 「スペインの主要紙である『El Pais』から始めて、

アルゼンチン、メキシコ、コロンビアとチェックしま

したが、Abeの名前はどこにも見当たりませんで

した。トランプ、トレドー、マクロン、メルケルの名前

の記載が見つかり、彼らのサミットで語ったことや

姿勢について言及されています。しかし、安倍、メイ、

コンテの名前はどこにも見当たりません。これら主要

紙で安倍の記載がないので、それ以上の追求は

やめました。やはり、安倍首相の活躍? は日本の

紙面しか取り上げられないでしょう。それだけサミット

での安倍首相の重みはないということでしょう。残念

ですが」(白石氏)


 公平を期するなら、白石氏も言うように、G7関連の

記事で黙殺されていたのは安倍首相だけではなく、

イギリスのメイ首相、イタリアのコンテ首相の発言・

動向は、まるで取り上げられていなかった。また、

かなり頑張って探したがうっかり見逃した記事もある

かもしれない。


 それにしても、あたかも安倍首相が中心的な役割

を担ったかのような報道をしているのは、世界でも

日本だけ。

もちろん、自国の宰相の動きを報じるのも重要である

が、根拠がないかのような礼賛、バンザイだけをして

いて、その現実を踏まえることをしなければ、外交で

同じ土俵には立てないのではないだろうか。

<取材・文・訳/林泰人>


【転載終了】

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 支持率を上げるためにメディアが後押し

しているということでしょうかね。


 しかし、世界は日本メディアがアンコン

されていることは知っていますから、逆に

はずかしくないですかね?


 こんなことが記事になること自体も問題

かな?


LC=相棒's のじじ~放談!

時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

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