米朝首脳会談が実現、安倍内閣に突きつけられた 二つの課題とは

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【転載開始】

■米朝首脳会談が実現、安倍内閣に突きつけられた

 二つの課題とは


 シンガポールでの史上初の米朝首脳会談を

経て、安倍内閣に突きつけられた課題は二つ。

まずは拉致問題だ。


 6月12日夕、安倍晋三首相が官邸の記者団

の前に現れた。


 「日本にとって大切な拉致問題について、

トランプ大統領がしっかりと言及していただいた

ことを評価します」


 この時、トランプ氏は金正恩朝鮮労働党委員長

との会談を終えて記者会見中で、拉致問題は

「取り上げた」と述べた程度。

それでも安倍氏は「米国の大統領が金委員長に

明確に言及したのは初めてだ」とたたえた。


 金氏が独裁政権存続の保証を得ようと渇望した

米国大統領との会談。

安倍氏はそこへ拉致問題をねじ込もうと、

トランプ氏とのパイプを駆使し、前夜も電話で念を

押していた。


 北朝鮮の非核化が進むかどうかでは評価の

分かれる米朝首脳会談だが、安倍氏にすれば

いかに拉致問題解決につなげるかだ。

「日本がしっかりと北朝鮮と向き合い解決して

いかねばならない」と記者団に述べた。


 だが、北朝鮮は硬い。朝鮮中央通信は5月に

「日本が誇張する拉致問題は解決済みだ」と

主張。

過去の植民地支配に触れ日本こそ加害者だとし、

「償いのみが日本を救う」と結んだ。


 安倍氏は2日後に反論。

十数年前の小泉内閣での日朝交渉を振り返り、

「8名の方々は死亡していると(北朝鮮に)言わ

れたが死亡証明書等はでたらめで、遺骨も偽物

だった。皆さんが生きておられることを前提に

全ての拉致被害者の即時帰国を目指したい」。

そして、「日朝の会談を金委員長に決断してもら

わないといけない」と語っている。


 トランプ氏は金氏との会談後の記者会見で

「彼らは拉致問題に取り組む」と語った。

その解決が、北朝鮮の非核化でトランプ氏が

日本に望む巨額の経済支援の前提になる。

北朝鮮経済が立ちゆくまで10年で220兆円

かかるとの民間試算もある。


 首相続投へ安倍氏の3選がかかる自民党

総裁選は9月。

その頃にロシアでの国際会議で金氏と会うかも

しれない。

繰り返してきた「安倍内閣で拉致問題を解決

する決意」が問われる。


 もう一つの課題は、対話しようとする相手に

対して備えてきた防衛力をどうするのかだ。


 トランプ氏は金氏と会う5日前に安倍氏と

ホワイトハウスで会談。

共同記者会見で「首相にとって拉致問題が

個人的にとても重要だとわかっている」と

言ったそばから対日貿易赤字の話を持ち出し、

語った。

「首相は軍用ジェットや航空機、農産物など

いろいろ、数十億ドル分を追加で買うと言った」


 実は安倍氏は4月、訪米時の首脳会談でも、

「日本の防衛力強化のため、F35A戦闘機や

イージスシステムなど高性能の米国製装備品

の導入を進めている」とトランプ氏に伝えている。


 米朝首脳会談での拉致問題への言及と

米国製兵器を日本が買うことは、

トランプ氏にすればディールかもしれないが、

日本にとって辻褄が合わなくなってきた。

安倍氏が金氏との対話へ動くなら、なぜ

最新鋭兵器の購入にこだわるのか。


 防衛省幹部は「実際は本丸の対中国の防衛

強化をにらんだものだ」と語るが、安倍氏は

日中にしても平和友好条約締結40年の今年、

首脳往来による関係改善を唱える。

5月の首脳会談では領海や領空をめぐる不測

の衝突を防ぐ「海空連絡メカニズム」発足も成果

に挙げた。


 ただ、安倍氏は昨年までの中朝との確執から

「我が国を取り巻く安全保障環境は戦後最も

厳しい」として防衛計画の大綱を今年中に

見直す方針も示している。

ぶれぬようにと自民党の国防族議員らは6月1日、

防衛費増継続など新大綱への党の提言書を

安倍氏に手渡した。


 米朝首脳会談を機に北東アジアが対話へと

動く中、何のための防衛力かがより問われる。

だが、整理整頓された説明は安倍内閣から

聞こえてこない。(朝日新聞専門記者・藤田直央)


【転載終了】

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 安倍首相はご自分の体面を保つため、

湯水のように国民の税金を海外に注ぎ

込んでいます。


 拉致問題は、トランプ大統領は「話したよ」

といっただけ、金委員長は「わかった」といった

だけで、合意文書には何も盛り込まれていま

せん。


 だから、北のメディアは「解決済み」と報道した

のでしょうね。


LC=相棒's のじじ~放談!

時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

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