韓国大統領が露大統領と会談
桜井ジャーナル
【転載開始】
■朝鮮半島の軍事的な緊張を緩和させる方向へ
導いた韓国大統領が露大統領と会談
韓国の文在寅大統領がロシアを訪問して
ウラジミル・プーチン露大統領と会談、
平和的な朝鮮半島の非核化を目指すことで
一致、国境を越えたエネルギー・プロジェクト
を推進し、FTA(自由貿易協定)に関する
話し合いを始めることで合意したという。
韓国とロシアが経済的な結びつきを強めて
いることは本ブログでも再三指摘してきた。
すでにロシアは中国と戦略的なパートナーで
あり、東アジアの軍事的な緊張を緩和させ、
経済を発展させようという点で一致している
韓国、ロシア、中国はひとつのグループを
形成している。
例えば、昨年(2017年)9月6日から7日に
かけてウラジオストクで開催されたEEF
(東方経済フォーラム)には文大統領も出席、
このときもプーチン大統領と会談している。
その前、7月上旬、韓国の康京和外相は
ロシアとの戦略的な関係を深めたいと発言
していた。
以前からロシアは天然ガスや石油の
パイプラインやシベリア鉄道を中国や朝鮮半島
へ延ばし、そのまま半島を南下させたいと計画
しているが、そのためには朝鮮政府を説得する
必要がある。
そこで、2011年夏には110億ドル近くあった
ソ連時代の負債の90%を棒引きにし、
鉱物資源の開発などに10億ドルを投資すると
金正日に提案した。
2011年12月に金正日が急死するが、
この計画は消えていないようで、翌年の4月には
ロシア議会がこれを承認している。
現在、アメリカ主導で行われている「制裁」が計画
の障害になっている。
アメリカは一貫して軍事的な緊張を高めようと
してきた。
その政策に盲従しているのが日本。
そして、アメリカが軍事的な緊張を高める仕掛け
として利用してきたのが朝鮮にほかならない。
「制裁」を誘発するような朝鮮の行動、
つまり核兵器やミサイルの開発と実験はアメリカ
にとって好都合だったはずだが、この朝鮮が韓国、
ロシア、中国のグループに加わった。
朝鮮の金正恩労働党委員長がシンガポールで
会談を行った6月12日、ドナルド・トランプ米大統領
はFOXニュースのシーン・ハニティのインタビューを
受け、その最後の部分で昨年(2017年)4月6日に
シリアで実行した攻撃について語っている。
この攻撃は、トランプ大統領と一緒に食事をしていた
中国の習近平国家主席を威嚇することが目的だった
と示唆している。
その攻撃とは地中海にいたアメリカ海軍の2駆逐艦、
ポーターとロスが巡航ミサイル(トマホーク)59機を
シリアのシャイラット空軍基地に向けて発射したもの。
シリア政府軍が自国民に対して化学兵器を使ったと
いう口実だったが、証拠はなく、それが事実でなかった
可能性は極めて高い。
そのタイミングでどうしても攻撃しなければならない
理由があったということだ。
ところが、この計画は裏目に出た。
発射されたミサイルの6割強が墜とされた可能性が
高いのだ。ECM(電子対抗手段)が使われたと言わ
れているが、手段はともかく、ロシアの防空能力が
高いことを示すことになった。
アメリカの攻撃を恐れる必要はないと朝鮮が考えた
としても不思議ではない。
その1年後、つまり今年4月にアメリカは再びシリア
をミサイル攻撃した。これも口実は嘘だ。
アメリカは対策を練り、発射するミサイルの数も
倍増させたが、ロシアも防空能力を強化していた。
最も大きかったのは短距離用の防空システムで
あるパーンツィリ-S1を配備したことだろう。
アメリカ軍より信頼度が高いロシア国防省の発表
によると、そのパーンツィリ-S1が25機発射して
23機命中、ブク・システムは29機のうち24機命中、
オサ・システムは11機のうち5機命中、
S-125は13機のうち5機命中、クバドラートは21機
のうち11機命中、S-200は8機のうち0機命中など
だ。
発表の中には含まれていないが、今回もECM
(電子対抗手段)が使われた可能性がある。
本ブログでは米朝関係を米中関係の一部だと考えて
いる。
アメリカは中国の一帯一路(陸のシルクロードと海の
シルクロード)を警戒、潰そうとしてきた。
米太平洋軍は今年5月30日から米インド・太平洋軍
へ名称を変更、太平洋とインド洋を担当することに
なったが、この変更は一帯一路を意識してのことだろう。
【転載終了】
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このニュースは、Sputnik日本でも
「ロシア・韓国、自由貿易圏の設立に
関する共同声明に署名」と報じています。
韓国の和平や経済に対して水面下で
進めていたのでしょうが、動きが早いで
すね。
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