北原みのり「BBCが報じた日本の“恥”」

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【転載開始】


■北原みのり「BBCが報じた日本の“恥”」

 連載「ニッポン スッポンポンNEO」


 作家・北原みのり氏の週刊朝日連載

「ニッポンスッポンポンNEO」。

今回は、「日本の性差別」について。


*  *  *


 英BBCが「日本の隠された恥」という

タイトルで、性暴力被害を実名で告発

した伊藤詩織さんのドキュメンタリーを

放映した。

日本社会がいかに女性を差別し、

いかに女性に沈黙を強いているか。

詩織さんの事件に焦点を置くことで、

この国の「恥」が次々と暴かれていく

内容だった。


 冒頭、二次元エロに溢れている街が

映し出された。

コンビニのポルノをはじめ、ありとあらゆる

性的サービスの情報が簡単に手に入る

私たちの日常の景色は、「外国」のカメラを

通せば相当に「異常」なことが伝わってくる。

女がモノ化され、幼い頃から痴漢被害に

あう性差別社会。

この国に生きる女が、性暴力と無関係で

あり続けることは、ほぼ不可能であることを、

「外国」の目、そして詩織さんの言葉は、

私たちに伝える。


 自民党の杉田水脈議員がインタビューに

応じ、「差別やセクハラの体験ありますか?」

との質問に、「社会に生きてれば、山ほど

ありますよ」「それはそういうものかな~と

思って」「きっちり断るのも(社会で生きる女の)

スキルのうち」と声をあげ笑っていた。

自民党の議員自ら、この社会に性差別が

山ほどあると認めた上で「そういうものかな~」

と微笑む無能さは、かなりインパクトのある映像

だった。


 また杉田氏は「(詩織さんには)女性としての

落ち度がある」と明言した。

この発言にはじわじわと批判が集まりつつあるが、

「(セクハラ告発された)福田に人権はないのか!」

と叫んだ麻生氏と全く同じ思考だ。

それでも同じことを女が言うと、何故だろう、

直視できないほど哀れに見える。

杉田氏が座っているのは、性差別に無痛になり、

男社会に過剰に媚びることで得られた地位だ。

そのような席で輝く女を男社会が求める限り、

杉田的女の生き方は過去にはならないだろう。


 この国の司法は、山口氏を不起訴にした。

刑事司法で彼が裁かれることはない。

杉田氏も「日本の司法が下した判断に疑いを

持つことは司法への侮辱」と言っていたが、

「司法が不起訴にしたのだから加害男性には

触れない」という態度を取るメディア関係者も

少なくない。

だけれどそもそも、性暴力を裁く司法その

ものが、女性の人権とかけ離れた古く硬直

した制度と化していることが問題なのだと、

BBCの番組は私たちに突きつけた。


 タイトルの「恥」という言葉は、とても強い。

だけれど一番の「恥」は、私たちが決してこの

「恥」を隠してなどこなかったことだろう。

そう、私たちは隠してなど、こなかった。

「恥」であるとも認識していなかった。


 「恥」を与えられるのは常に女性だ。

性暴力を受けた女性、性産業にいる女性、

声をあげた女性。

女たちに恥を強いる一方、加害者や買春者は

性欲に突き動かされる自然現象のように描か

れてきた。そのことを恥とも思わずに。


 詩織さんがあげた声に、日本社会は真摯に

応答できずにいる。

恥ではなく、それはもう既に罪なのだと思う。

※週刊朝日  2018年7月20日号


【転載終了】

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 日本への評判は落ちるばかりです。


 建設業を学ぶはずが福島で除染作業。

「憤るベトナム人実習生」というニュース

がありました。


 また、関連して、福一の高濃度である

危険作業に外国人労働者を働かせて

いたという実態も。


 共通するのは、危険な作業と知らずに

働かされていたということです。


 名のある大手企業の不正・・・


 低レベルな政治家・官僚・・・


 日本の大学の世界評価の低下・・・


 これからの日本はどうなってしまうのか。


LC=相棒's のじじ~放談!

時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

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