アベノミクスを止めないために・・・!?
現代ビジネス
【転載開始】
日本株を支えた「クジラ」の代打を、あの銀行がつとめる
可能性 アベノミクスを止めないために…
2018.07.14 歳川 隆雄 ジャーナリスト
「インサイドライン」編集長
■もう「クジラ」は「食べ物を変えたほうがいい」
少し前のことだ。
「日本経済新聞」(7月7日付朝刊)が
「市場のクジラ、日本株『満腹』-GPIF、
安定運用へ投資選別」と題して、
約160兆円の公的資金を運用する
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)
で2017年度末、国内株の運用比率が初めて
25%の目安を超えた、と報じた。
GPIF(高橋則広理事長)は前日の6日、
2017年度の運用成績を発表。
2014年の運用改革後、年度末時点で初めて
基本ポートフォリオ(資産構成割合)のうち
分散運用する国内債、国内株、外国債、
外国株の4つなかで国内株比率が25.14%に
達し、しかも約10兆800億円の運用益を計上
したのである。
改めて指摘するまでもなく、株式市場で
「クジラ」と呼ばれるGPIFが安倍晋三政権下
の2014年10月に基本ポートフォリオの変更で
国内外の株式比率を合計50%に増やす
という運用改革を断行、今年3月末時点で
国内株の保有額は40兆円を超えた。
同紙記事のリードは、以下のように締め
くくられている。
<大食漢が日本の株価を引き上げる構図は
終わり、これからのクジラは『ESG』(注:環境や
社会への配慮、企業統治)を切り口に食べ物
を選ぶ。運用の安定には債券も含めたバランス
の良い食生活も課題だ>――。
要は、デフレ脱却による長期金利の上昇を
想定し、それまでの国債に偏る運用を見直して
国内株購入を増やすことによって日経平均株価
を押し上げる=アベノミクスに貢献する役割に
終止符を打つべきではないか、と言いたいの
だろう。
■代打をつとめる可能性があるのは、「あの銀行」
トヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャルグループ、
三井住友フィナンシャルグループ、NTT、
本田技研工業など約2300銘柄も保有するGPIFが
今後、これまでのように東京株式市場で幅広い
銘柄を買わなくなったらどうするのか。
おなかいっぱいのクジラに代わって、果たして
海外の機関投資家、超有力投資顧問会社、
大手投資ファンドなどが「ピンチヒッター」として
グラウンド(株式市場)に登場するのだろうか。
実は、代撃ちができる候補はいる。
日本郵政グループのゆうちょ銀行(池田憲人社長)
である。
民営化された郵政公社の3事業が東証一部に
上場されたのは2015年11月だった。
そしてゆうちょ銀行の株価と日経平均指数の
株価動向を比較すると、その日を100として
日経平均225指数は17.9%上昇しているが、
同行株は16%下がっている。
日経平均指数とは34%のパフォーマンス格差が
あり、これは投資家からすれば「欠陥不良商品」
と見なされる数字だ。
ゆうちょ銀行株価低迷の理由は、株主からの
視点で企業の収益力を示す株主資本利益率
(ROE)からも窺える。
安倍政権のコーポレートガバナンス改革を通じて
日本企業のROEは2018年3月期に10.4%にまで
回復したが、同行のROEは上場後も低迷基調が
続き、平均に遥かに及ばない3.0%でしかない。
日本全体の景気が改善しても株価が上がらない
のは当然である。
■株式保有「0」、超保守の姿勢を変えられるか
有価証券報告書によると、ゆうちょ銀行の
2017年度有価証券資産額は152.2兆円であり、
そのうち国債は87.1%を占め、132.6兆円に
達している。
日本国債は低金利のため大きな運用益は期待
できない。
米国債を始め主要国の国債価格も下降基調で
ある。
一方、同行の株式保有率は何と0%である。
GPIFが安倍政権下で国内株式や外貨建て証券
などリスク資産投資に切り替えたことで17年度
に10兆円超の運用益を出したことと真逆をいって
いるのだ。
銀行と年金機関では運用戦略が異なるのは
当然としても、ゆうちょ銀行の運用方針は余り
にも保守である。
こうした中で、資産運用(投資戦略)は見直して
リスク資産にシフトし、と同時に商品開発は
外貨預金の拡充に乗り出すべきではないか。
貿易不均衡是正を大義名分に掲げて対日、
対中、対EU(欧州連合)貿易赤字削減要求一点
張りのトランプ米政権に振り回されずに、
日本経済の生命線である円安にも効果がある
からだ。
【転載終了】
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果たして、海外企業の「大型M&A」に
失敗し、4000億円もの損失を出した
郵政に変わりが務まるのだろうか?
それも、「アベノミクス」を維持する
だけのために。
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