「AI進出で空前の“大失業時代”が目前」!?
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【転載開始】
連載「ここだけの話」
■ぐっちー「AI進出で空前の“大失業時代”が目前」
経済専門家のぐっちーさんが「AERA」で
連載する「ここだけの話」をお届けします。
モルガン・スタンレーなどを経て、
現在は投資会社でM&Aなどを手がける
ぐっちーさんが、日々の経済ニュースを
鋭く分析します。
* * *
日米で融資のスピードが全く違うという話の
続きです。
米国で私に融資をしたのは銀行ではなく、
いわゆるフィンテックに属する連中です。
私の過去の業務、実績、返済などに関わる
データをAIが処理して融資を決めます。
あとで社長に話を聞きに行ったところ、
唯一困ったのは日本人に融資をするのが
初めてで、返済行動パターンのデータが
なかったことだと聞かされました。
彼らはそのデータを有償で入手したそうです。
つまり、金融業の世界では、
(1)少なくとも過去の実績に基づいた判断は
AIに任せた方が早く、正確で、人間の介在
する余地はない
(2)いわゆるヒューマンコンタクトが要求される
分野は残ると思われるが、それはごく一部で
あって、今の給与水準は正当化できない
(3)AIは過去のデータのないことは判断できず、
新たなビジネスや人材に対する融資判定能力
はない
ということがわかります。
読者の皆様の周りはいかがですか?
金融業の例に当てはめてみると、失礼ながら、
恐らく既にAIで解決可能な業務にまだ従事して
いる、という方が大半ではないでしょうか。
私がみる日本企業の、特にえらい方は自らの
実績に基づいて「これはこうなる」とか
「やっちゃいけない」などの経験則を使っている
方がほとんど。
「自分の頭で何か新しいものを作り出している」
という方はほぼ皆無、という現実があります。
この「新しいことを考える」能力は、AIにとって
一番の苦手種目です。
一方で、過去の出来事、しかも将棋や碁のように
ルールに例外がないフィールドでは人間はAI
にかないません。
人間が勝てるとすると、過去にはない何かを生み
出すこと以外に道はありません(羽生善治さんは
最近その道へ踏み出し始めたような気がします)。
米国では失業者が戦後まれなレベルで減少して
います。
労働力が不足すれば、賃金を上げて労働者を
確保するしか解決策はないはずなのに、現実は
全くと言っていいほど上昇していません。
年間物価上昇率とトントンといったところです。
一体何が起きているのか。
答えはAIの進出以外にありません。
業務が増えても、企業が「AIでカバーできる」と
判断すれば、賃金を上げて人を確保する必要は
ありません。
社会全体でみると賃金が上がらないことは
メークセンスですね。
産業革命にせよ、フォード方式の大量生産にせよ、
影響を受けたのは農業従事者だったり、
工場労働者だったりという社会の一部でした。
ですが今回の変化(「AI革命」と呼んでいいかどうかは
わかりませんが)では社会のあらゆるレベルが影響
を受け、人類が経験をしたことのない大失業時代を
目前にしている、という現実があるのです。
※AERA 2018年8月27日号
【転載終了】
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失業した人間はどこが吸収するのでしょうか?
介護などが取り上げられますが、介護業界
も団塊の世代の10年間と言われていますね。
映画ではないですが、ロボット(AI)が支配する
時代になるのでしょうかね?
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