総裁三選確実でも、安倍政権が「消費税増税」で 吹き飛ぶ可能性!?
週刊現代
【転載開始】
総裁三選確実でも、安倍政権が「消費税増税」で
吹き飛ぶ可能性
麻生も財務官僚に乗せられている
※抜粋
■増税は退陣につながるぞ
石破茂の孤高の闘いも虚しく、
9月20日の総裁選では安倍晋三が三選
されることが、確実視されている。
だが、体調不安をおして総理の座を延長
したところで、その道のりは限りなく険しい。
2度にわたって延期をはかった消費税
増税が、来年10月に待ち受けているからだ。
8%から10%への引き上げ――。
もし増税すれば、家計所得も実質賃金も
ほとんど上がっていない現在、経済が
大失速するリスクを孕んでいる。
だが安倍は、増税をするかしないか、
どんなに遅くても来年春には決定せねば
ならない。
「だから、竹下派は勝つ見込みの薄い
石破茂の支持を表明したんだよ。来年春
には統一地方選が、そして7月には参院選
が控えている。消費税増税の決定後であれ
ば、自民党の苦戦は明白だ。安倍の政治家
としての体力が、その時点でどの程度残って
いるか、こちらは見極めたいという思いが
ある」(参議院竹下派幹部)
自民党参議院・竹下派の〝陰のドン〟
青木幹雄は、消費税増税と参院選との
関係の恐ろしさを身に染みて知っている。
'89年4月の消費税導入時は、
6月の竹下登総理(当時)退陣の後、
7月の参院選で自民党は大敗。
'97年4月の消費税5%への引き上げ時も、
翌年7月の参院選で自民党は大敗し、
橋本龍太郎総理(当時)は退陣――。
参院選大敗と総理退陣がセットで起きたのだ。
この再来は見たくない。
「ただでさえ、モリ・カケ疑惑により、安倍一強
には綻びが出ている。ここで消費税増税で、
安倍と心中など、たまったものではない」
(別の参議院議員)というわけだ。
さらに、消費税を段階的に引き上げることが
決まった'12年の「三党合意」の後の悪夢は、
当時の民主党議員にとっては生涯忘れられまい。
同年8月の法案成立後、12月に行われた
総選挙で、野田佳彦総理(当時)は退陣し、
自民党・安倍晋三に政権を渡した。
消費税増税と総理の座は引き替えになる――
その歴史を熟知しているからこそ、
安倍晋三はこれまで、「消費税増税延期」を、
逆に選挙に利用して勝利を収めてきた。
'14年4月の8%への引き上げ後、11月に
10%への引き上げ延期を表明し、
解散総選挙で大勝。
'16年6月には再度の引き上げ延期を表明し、
参院選で大勝。
いずれも、消費税をテコにした鮮やかな勝利
だった。
とにかく消費税増税をしたくない安倍は、
なりふり構わず増税延期の作戦をとって
きたのだ。
■麻生も敵だ
エコノミスト・菊池英博氏も、増税反対だ。
「消費税は、国民から税金を取り上げて、
法人税を下げるという悪質な税金です。
むしろ、法人税を30%に戻したうえ、企業
には国内への設備投資と正規社員の増加
による条件付き投資減税をすべきです」
だが財務省は、今、一気呵成に消費税増税
に向けて攻めこんでいる。
その姿勢が誰の目にも明らかになったのが、
7月末の財務次官人事である。
「主計局長から昇格した岡本薫明次官は、
昨年の段階で『消費税は、予定通りに絶対
に上げてもらう』と財界人との懇談の場で
語っている。消費税増税推進の本丸である
主計局長の昇格は、『増税先送りは絶対に
許さない』という財務省から安倍総理への
メッセージでもあります」(財務省幹部)
注目されていないが、同時期に行われた
財務省の人事では、関連する明白な「左遷」
があった。
「5年間にわたって首相秘書官を務めた
中江元哉氏が、財務省関税局長に就任
しました。普通なら、首相秘書官経験者は
主税局長や主計局長になるものです。
これが傍流ともいえる関税局長に『飛ば
された』理由は、長期間総理の近くにいな
がら、増税の説得に失敗したからです」(同)
一連の人事は、安倍の説得を押し切り、
財務大臣・麻生太郎が最終的に決断した。
この麻生自体も曲者である。
「戦後歴代在任1位の財務大臣となった
麻生さんは、元来の親分肌で、今や見て
いるのは安倍総理ではなく、財務官僚たち
です。『加計問題は、安倍夫妻の問題だ』
というのがいまだに口癖になっているくらい
だから、スキャンダでも総理を見捨てずに
守った自分は、安倍総理に貸しがあると
思っている。7月末の人事は、借りを返して
もらったという感覚ですが、これも増税への
牽制とみていい」(麻生派議員)
麻生も財務官僚たちに乗せられているの
である。
では、安倍はどうしたらいいのか?
2度もの増税延期をやってしまった以上、
今さら3度目というのはなかなか難しいだろう。
かといって、政権を投げ出すわけにはいか
ない。
その点も、財務官僚は狡猾に忖度する。
昨年秋の総選挙で、安倍が突然
「消費税増税分の、財源の使途変更」を
争点にしたのを覚えているだろうか。
安倍に知恵をつけたのは、一人の大物
財務省OBだった。
古谷一之。
主税局長や国税庁長官を経て、
現在は内閣官房副長官補を務める。
古谷は、安倍にこう語ったという。
「このままでは、総理は増税がいつまで
たってもできません。財政再建路線は捨て
て構わないから、消費税は一般受けする
『教育無償化や子育て支援』に充てると
すればいい。それに経済対策の大盤振る
舞いを足せば、必ず勝てます」
古谷は、現役財務官僚の代弁者だ。
安倍は古谷が出した案に乗り、
結果として選挙では大勝した。
「ここで財務省は、さらなる『餌』を安倍総理
に与えました。財政健全化計画のプライマリー
バランス黒字化目標を5年先送りにする案で、
今年6月の『骨太の方針』にも盛り込まれました。
これで、安倍総理は任期中『財政再建』の
責任を負わなくてすむことになった」
(前出・政治部デスク)
「週刊現代」2018年9月1日号より
【転載終了】
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先の記事でも書きましたが、これが財務省の
腹の内ですね。
安倍首相が増税をせざるを得ないところまで
追い込んでいます。
財務省にしてみれば、「肉を切らせて、骨を断つ」
ですね。
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