トヨタ系ディーラーで過大請求相次ぐ・・・
Business Journal
【転載開始】
■トヨタ系ディーラーで過大請求相次ぐ・・・
2千件以上でビッグモーター並み規模
2023.10.26
札幌トヨペットのHPより
トヨタ自動車系ディーラーの札幌トヨペット
が、自動車修理の塗装料金について顧客へ過大
に請求していた事例が過去2年で1417件にも
上ることがわかった。
同社内のテクノセンター受付者から板金工場の
作業者への情報伝達の仕組みに不備があった
ことが原因だという。
自動車販売会社による過大請求としては、
ビッグモーターが修理代を過大に見積もり
損害保険会社へ保険金を水増し請求していた
事例が現在、社会問題となっている。
ビッグモーターの不正件数は昨年11月以降分
だけでも1275件に上るが(自社調査による)、
札幌トヨペットの不正も1000件を超える
大規模なものとなっており、また昨年以降、
ネッツトヨタ茨城、トヨタカローラ静岡、
沖縄トヨタ自動車でも同様の不正が発覚して
おり、その件数は合計で2000件以上に上り、
「トヨタ系ディーラー」への信頼が大きく
棄損しつつある。
札幌トヨペットの発表によれば、顧客から、
傷への耐性・修復性に優れた機能を持つ
クリア塗装(耐スリ傷性クリア塗装)で請求
を受けた塗装作業について、通常仕様の
クリアを施工し、クリア塗装分の料金を請求
していたという。
同社は2021年4月以降の施工分に係る顧客に
書面や電話で連絡し、無償でクリア塗装に
再施工するとしている。
トヨタ系ディーラーでは昨年12月、
ネッツトヨタ茨城が塗装作業費用を実際の
作業とは異なる金額で過剰に請求していた
ことが発覚。
今年6月にはトヨタカローラ静岡が、
20年5月以降の施工分のうち計124台につい
て、本来の仕様と異なる作業を行い過剰に
請求を行っていたことが判明。
今月にも沖縄トヨタ自動車が、計1290台に
上る車両で(対象期間:18年1月~22年12月)、
顧客から依頼を受けた板金塗装修理をめぐり
誤請求を行っていたことが発覚した。
「原因はいずれも社内の連絡ミスとされて
いるが、顧客とやりとりした担当者が『クリ
ア塗装』という意味で略して『クリア』と
工場に伝え、工場側はそれを鵜呑みにして
作業してしまったというような不注意による
ものだろう」(ディーラー関係者)
自動車販売会社による過大請求事案として
はビッグモーターの件が現在進行形だ。
その影響は他業界にも広まり、金融庁は7月、
同社と取引があった損害保険会社7社に
報告徴求命令を発令。
さらに金融庁は保険業法に基づき
ビッグモーターとの癒着が問題視されている
損害保険ジャパンへ立ち入り検査を実施し、
業務停止命令発出の可能性も取り沙汰される
など、大きな社会問題に発展している。
「トヨタ系ディーラーのご請求問題は、
ビッグモーターとは違い担当者たちに悪意
があったわけではなく、単純なヒューマン
エラーだと思われる。ただ、自動車業界
トップのトヨタの系列ディーラーでこれだ
け不正が次々と発覚するというのは、ちょ
っと信じがたい。規模的にも1000件以上と、
件数だけみればビッグモーターと同レベル
であり、『トヨタ系だから安心』と考え
長年にわたり利用している顧客が多いなか、
トヨタグループの信用低下につながるのは
必至」(同)
また、別のディーラー関係者はいう。
「現在は整備士不足などで修理や整備の
入庫待ちが1~2カ月待ちというケースも
珍しくないほど、ディーラー系、個人経営
に限らず多くの整備工場が逼迫している。
そうしたなかで、連絡ミスによる請求ミス
といった手違いは増えていくだろう」
■クリア塗料のランクを落とすことで折り
合いをつけた?
今回の札幌トヨペットのような事例は
ディーラー・自動車修理業界では珍しく
ないのか。
中古車販売店経営者で自動車ライターの
桑野将二郎氏はいう。
「今回の件は修理費の過大請求という表現
で報道されていますが、そもそも過大請求
なのか、という点から考えるべきかと思わ
れます。事の流れを簡単に解くと、顧客か
ら修理を承る受付担当者と、その受付担当
者から作業依頼書をもとに実作業を受ける
鈑金工場の担当者との間で伝達ミスが起こ
ってしまった。具体的には、車種ごとに
適切な塗料が指定されているのに、指定さ
れている塗料より安い塗料を使って修理し
てしまったことを『過大請求した』とされ
ているわけです。過去2年で1417回、同じ
ようなミスをするものでしょうか。連携ミ
スというよりは、意図的に安い塗料で修理
をして利益を稼いでいた、ということでは
ないかと思われても仕方がないですよね。
こういった事例がディーラーや自動車
修理業界では珍しいことなのか否か、とい
う質問に対して、普通に考えると珍しいと
思います。ただ、受付担当者と鈑金工場の
担当者との間では、けっして珍しいことで
はなく当たり前のように進められてきた結
果の1417回なのだと思われます。言い方
を変えると、やっているところは幾度とな
くやっているし、やらないところは絶対や
らない。つまり、指示を出すディーラーも
しくは鈑金工場によって、仕事に対する
モラルも含めた考え方に、雲泥の差がある
ということになるでしょう」
このような事例が発生する原因はなんで
あると考えられるのか。
「ディーラーに修理を出したら、すべて
の作業をディーラーで行ってキレイに直し
てくれる、と思っている方が多いと思いま
す。しかし実際は違います。車検修理は
自社整備工場で行うディーラーが多いです
が、鈑金工場については自社工場を構える
ディーラーのほうが少ないのではないで
しょうか。
実際にディーラーへ鈑金修理の依頼をし
たことがある人はわかると思いますが、小
さな傷は簡単に見積りが出てきますが、大
きな凹みがある修理は基本的に部品交換と
工賃が含まれた見積内容が出てきます。な
ぜかというと、前述のとおり自社に鈑金工
場がなく、職人が常駐していないため、大
きな鈑金塗装の修理に対してどれくらいの
技術料が適正なのか判断できる人がいない
ため、部品交換を前提で見積りするのです。
そうしなければ、初めに修理できると思っ
て見積りをしたのに、実際は修理できない、
もしすると高額になるため部品交換したほ
うがまだ安くつく、なんていうケースもあ
り、つまりはユーザーとのトラブルの原因
になるからです。鈑金塗装の修理は、部位
によっては修復歴がついてしまうこともあ
ります。部品交換するだけで修復歴になる
(修理なら修復歴はつかない)箇所なども
あり、車体に関する修理は剛性面など安全
性にも関わるため、シビアなところがあり
ます。それなのに、なぜディーラーに鈑金
工場が併設されている例が少ないのかとい
うと、主にロードサイドに建ち清潔感を
重視するディーラー店舗に、塗料やシンナ
ーなど有機溶剤を取り扱う鈑金工場を併設
し管理するということが、立地や設備の面
で現実的に難しいからです。有害な溶剤の
臭いや廃棄処理に関する環境面、ボディパ
ネルを叩く騒音なども考えると、そこは
理解できますよね。それに、鈑金塗装は人
材育成も難しいジャンルであって、ディー
ラーが賄う範疇を超えてきます。だから、
鈑金塗装修理に限っては、提携の外注工場
に仕事を投げることがほとんどなのです。
そして、今回の核心の部分、修理受付
担当者と鈑金工場との連携ミスという話。
ディーラーにとって鈑金修理というのは、
自己負担の小さな修理から自動車保険を
使った事故修理まで、一件あたりの修理
費が高額になりがちです。言い方を変え
ると、利益を取りやすい仕事。さらに外
注依頼となれば、下請けに安い工賃で修
理させて、ディーラー規定の修理費用を
請求すれば、儲けが大きくなります。
ディーラーによっては、鈑金工場に一般
的な工賃の半値くらいで仕事をさせて
利益を積んでいるという話も聞きます。
そうなってくると、鈑金工場も経営が厳
しくなるので、一件あたりの仕事に丁寧
さを欠きますが、それではクオリティ
担保の厳しいディーラーの仕事を受けら
れなくなります。結果、ディーラーと
相談のうえで、修理の原材料である塗料
のなかでも、最後の仕上げに使うクリア
塗料のランクを落とすことで折り合いを
つけましょう、ということなんじゃない
かと推測できます」(同)
■ユーザーの感覚と、実際の構造に乖離
トヨタ系ディーラーということで信頼
している顧客も多いと考えられるが、
なぜ信用力の高い大手自動車系のディー
ラーでこのような事態が起きたのか。
「信頼性の高いディーラーだからこそ
やってしまえる、という点です。今回の
例ですと、メーカーが指定する特殊なク
リア塗料(傷への耐性が高く、修復特性
の優れた塗料)を、安物のクリア塗料に
ランクダウンして利益を増していたわけ
ですよね。メーカーが自社の商品力を誇
るために欠かすことのできない、質感ク
オリティに関わるクリア塗装を、まさか
メーカー直結のディーラーがランクダウ
ンさせるなんて思いもしませんよね。町
工場での修理ならいざ知らず、自社の
商品の質をメーカーの顔となるディーラ
ー自らが落とすわけですから。そこまで
して利益を出さないといけなかったディ
ーラーも悲惨だなと思いますが、一方で
提携の鈑金工場の首が回らなくなると困
るのは元請けのディーラーですから、
お互いを存続させるための苦肉の策だっ
たのかもしれません。こんな話は、一般
的なユーザーが知るよしもない部分なの
で、信頼しきっているディーラーがまさ
か、というところが大きな落とし穴だっ
たわけです。
整備士も鈑金職人も年々なり手が減る
一方で、提携工場が欠けるとディーラー
はたちまち困るのが目に見えています。
違う視点から見ると、ディーラーではな
く鈑金工場にユーザーが直接修理を依頼
して同じことが起こるかといえば、確率
はかなり下がると思います。職人のプラ
イドもさることながら、塗料の質を変え
ることで仕上がりや数年後のコンディシ
ョンが異なることはユーザー以上に職人
のほうが知っていますから、よほどのこ
とがない限り、あえてランクダウンなん
てことはしないのではないでしょうか。
それに、ディーラーの下請けで通常の
半値で仕事をさせられているのに、ユー
ザーには正規の値段で請求しても、
『ディーラーより安くてキレイに直して
くれてありがとう』と言われるのですか
ら。
メーカーの看板を掲げているディーラ
ーだからすべてにおいて信頼できる、と
考えるユーザーの感覚と、実際の構造に
乖離があるという点が、こうした事例の
問題点だと思われます。見た目はまった
く同じようなディーラーでも、運営する
会社の考え方でユーザーへの対応や仕事
の質は大きく異なるということに、メー
カーもユーザーも気付かなければいけま
せん。古いクルマに乗って行っても、
『弊社のクルマを大切にしていただいて
ありがとうございます』というディーラ
ーもあれば、『なんでこんな古いクルマ
に乗られてるんですか?新しいのに乗り
代えてくださいよ』というディーラーも
あります。メーカーはこういったディー
ラー間の対応の差を埋めるために、どこ
を向いて商売をしているのかという基本
の基本を改めて指導していくべきではな
いでしょうし、メーカー自身も自分の胸
に手を当てて考えることが、必要なので
はないでしょうか」(同)
(文=Business Journal編集部、協力=
桑野将二郎/自動車ライター)
【転載終了】
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ディラーでも少なからずやっていると
いう話はありましたね。
車検の見積もりも前回のデータを参考
にしてほしいですね。
毎回、フルスペックで見積もり24万円
とか。
数年前には、タイヤ交換が3,300円
だったものがいきなり6,600円とか。
タイヤ保管料が18,000円で交換時の
予約は1週間前だとか。
何故、1週間前?少々高いかな?と聞い
てみたら、他市に保管しているから、
ある程度数量が揃わないと搬送できない
とか。
ディーラーには敷地にも余裕がある
のでプレハブを建てて管理できるので
は?
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