物価高の元凶「円安」無策は人災か・・・
日刊ゲンダイDIGITAlL
【転載開始】
■物価高の元凶「円安」無策は人災か・・・
収束なくして目玉政策「定額減税」の
効果ほぼゼロ
公開日:2023/10/29
お手上げ(日銀の植田和男総裁と
鈴木俊一財務相=左)/(C)ロイター
「小泉元首相の郵政民営化くらいの覚悟
でやる」──。
「定額減税」について岸田首相は周囲に
そう強い意欲を示してきたという。
唐突に打ち出した所得税減税は、物価高の
家計への影響を和らげるための目玉政策だ
が、肝心のインフレ退治は円安放置の無策
が続く。
物価高が収束に向かわなければ、1年限り
の減税の効果はなきに等しい。
◇ ◇ ◇
扶養家族含めて1人当たり所得税3万円、
住民税1万円の定額減税は来年6月から実施。
住民税非課税の低所得世帯向けの7万円給付
は年内に開始する。
「家計を助ける効果はありますが、1回
限りで継続性がない。インフレが続けば、
すぐに国民の懐は苦しくなります。物価高
の元凶は円安ですが、足元よりも進む恐れ
があります。手を打つ必要がありますが、
政府・日銀はお手上げのようです」
(金融ジャーナリスト・森岡英樹氏)
■期待の「緩和修正」も焼け石に水
足元は1ドル=150円の円安水準。
円買い介入への警戒から膠着状態が続くが、
仮に実施しても効果は小さく、一時的だ。
そこで注目を集めているのは、30、31日の
日銀の金融政策決定会合。
これ以上の円安は容認できないとして、
政府内の一部で金融緩和の修正に期待を
寄せる声が上がっているのだ。
「逆に今回の会合で緩和を維持すれば、
一気に円安が進むでしょう。では、緩和
を修正した場合に期待通りに円安を止め
られるのか。日銀が少し金利を上げたと
ころで、絶好調な米経済に歯が立たず、
円安は解消されない可能性が高い。つま
り、誰にも円安は止められないというこ
とです」(森岡英樹氏)
26日に発表された7~9月期の米GDP
(実質国内総生産)は、年率換算で
前期比4.9%増だった。
4~6月期の2.1%増から大幅アップだ。
利上げでも衰えない個人消費が成長を
引っ張った。
米経済の強さが改めて示され、高金利が
長期化するのは必至。
植田総裁が満を持して、修正に踏み切っ
てもドルの優位は揺るがないとみられる。
実際、7月会合で長期金利の上限を
事実上1%に引き上げたが、円安は収ま
るどころか、わずか3カ月で10円近くも
安くなっている。
27日の衆院予算委員会で立憲民主党の
長妻昭議員は「異次元の金融緩和により、
日米金利差がどんどん開いて円安が加速
する。これは人災だ」と追及。
岸田は「物価高の背景には世界的なエネ
ルギー危機や食料危機で世界中の国々が
物価高で苦しんでいる。それが基本だ」
と円安から目をそらした。
10月の東京都区部の消費者物価指数は
前年同月比2.7%上昇。
鈍化どころか、前月より伸び率が拡大し
た。
雪印はバターなど12月1日から最大7%
値上げすると発表。
佐川急便は宅配便の基本運賃を来年4月
に平均7%程度引き上げる。
「電気・ガスやガソリンの補助金、それ
に今回の定額減税はその場しのぎに過ぎな
い。本当の物価対策は、消費を盛り上げ、
日本経済を好転させることで円を強くする
ことです。ただ、それは一朝一夕で実現す
るものではない。円安・物価高により生活
苦は長く続くことになりそうです」
(森岡英樹氏)
“絶望”以外の言葉が見つからない。
【転載終了】
***********************
抜本的な対策も取らず、一時しのぎの
給付で済まそうすとする財務省の思惑に
動かされる政府が問題ですね。
歴代政府が同じことを繰り返してます
すから。
0コメント