孫氏とサウジ皇太子の蜜月、巨大ファンドに落ちる影・・・

 DIAMOND online 


 【転載開始】 


 ■孫氏とサウジ皇太子の蜜月、巨大ファンドに落ちる影


  【東京】ハイテク投資家として知られる 

ソフトバンクグループ会長兼社長の 

孫正義氏は今年の春、サウジアラビアの

ムハンマド・ビン・サルマン皇太子に ついて、

 「すばらしい人、そしてすばらしい投資家」 

だと表現したことがある。  


 その称賛は一方的なものではない。 

ムハンマド皇太子も資金規模が 920億ドル

(約10兆3500億円)の

「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」に対し、 

サウジ側から450億ドル提供することを約束。 

同ファンドは米シェアオフィス運営大手 

ウィーワークなど、勢いのある新興企業へ

数十億ドル規模の投資をしている。


  だが両者のこのパートナーシップが今、

 ビジョン・ファンドの評判を傷つけ、 

その未来に影を落とす恐れが出ている。 

サウジアラビアの反体制派記者、 

ジャマル・カショギ氏がサウジの工作員 

らによって殺害され、遺体も切断されたと

トルコ政府当局者らが主張しているためだ。 

同当局者らはムハンマド皇太子が殺害を指示

した可能性があるとみている。 

一方、サウジアラビアはこれを否定して いる。


  カショギ氏の失踪から2週間、孫氏は

この事件についてまだ公に発言をしていない。


  失踪事件をめぐって非難の声が高まる中、

来週サウジアラビアで開催される 

「砂漠のダボス会議」で登壇予定だった多くの

著名人が会議への出席を見送って いる。 

その中の1人が、孫氏と同じIT(情報技術)界の

リーダーとして知られる米配車サービス大手

ウーバーのダラ・コスロシャヒ最高経営責任者

(CEO)だ。 

ソフトバンクは同社の筆頭株主でもある。 

また中国のベンチャーキャピタル、創新工場

(シノベーション・ベンチャーズ)の

李開復CEOも出席を見送るという。


  孫氏は同会議の登壇者として名前が 載って

いたが、ソフトバンクグループは 同氏が予定通り

に出席すか回答を 差し控えるとした。 

一方、ソフトバンクのマルセロ・クラウレ 

最高執行責任者(COO)はカリフォルニア州

サンノゼで開かれたテクノロジー関係の会議で、

サウジアラビアで 

「何が起きているのか心配している」と述べた。


  ソフトバンク株は15日、 この2年近くで最も

大きく下げたが、 その後は回復している。 


 ■初対面は迎賓館  


 直感や個人的なつながりをベースに 物事を

決断すると話す孫氏にとって、ビジョン・ファンド

にサウジ資金を受け入れるまでの過程はその

言葉と一致 するものだった。


  孫氏は2016年9月に東京の迎賓館でムハンマド

皇太子と初めて会った。 

その頃の孫氏は後のビジョン・ファンド のため、

資金調達に奔走していた。 

当時の話し合いに詳しい関係者らに よれば、

シンガポールや中国の政府系 投資ファンド、

日本のゆうちょ銀行の投資部門は出資に難色を

示していた。 

ここまで大規模な資金を孫氏というたった1人

の男性が仕切る前例のないファンドに懸念を

示す向きもあったという。


  孫氏とムハンマド皇太子は45分間の面会を

相思相愛で終えた。 

孫氏はサウジに繁栄をもたらすことを約束し、

ビジョン・ファンドを通してサウジは将来の

最も大きなテクトレンドにおいてステークホルダー

になると伝えたと後に明かしている。


  昨年の砂漠のダボス会議で孫氏は、 世界中の

多くのリーダーと会って きたが、大きな情熱を

持ち、若く、素晴らしいビジョンがあり、

そして多少 のお金を持っているムハンマド皇太子 

のような人物には会ったことがないと 述べた。


  孫氏は5月にウォール・ストリート・ ジャーナル

(WSJ)の取材に応じた際も 賛辞を並べ、

ムハンマド皇太子は 「起業家の視点をもっている」

と話した。 

その際、「手段についてはノーコメント (だが、

初対面の日から)毎日連絡は 取り合っている」と

明かしている。


  成功する起業家を見抜く孫氏の才能は、これまで

大いに役立ってきた。 

ソフトバンクの投資案件は電子商取引 大手アリババ

グループやその創業者、 馬雲(ジャック・マー)氏

向けのものなど、 成功例が失敗を上回っている。 

だが支援した起業家が失敗すれば孫氏は相手を

容易に切り離せるが、 孫氏の賭けに資金を提供して

いる人々 とはそう簡単に別れることができない。 

今回の場合はサウジの政府系ファンド 

「公共投資基金(PIF)」がそれに当たる。


  トリプル・エー・パートナーズ・ジャパン (東京)

のフランク・パッカード社長は、 ファンドに投資家

を招き入れることは、 その人を家族に加えるよう

なものだと指摘。 

相当な注意が必要になると話す。


  「名前を連名で書くことになる」。 

それは「義理の家族として迎え入れたいかどうかと

同じ問題だ」と言う。 


 ■サウジと組むリスク 


 ビジョン・ファンドが2017年5月に発足した後も、

ソフトバンクはサウジに関する審査を継続していた。 

同年終盤には政治アナリストや中東専門家を雇い、

サウジ政府と組む際 のリスク評価を依頼したと、 

調査に関わった関係者らは話す。 

ある人物によれば、新たな投資が必要 になっても

PIFが出資しないこともリスク の1つとして挙がって

いた。


  孫氏は過去に政治的シグナルを読み間違えた

ことがある。 

ソフトバンクは2013年に200億ドルを投じ、 

米携帯電話大手のスプリントを買収。 

米規制当局がスプリントと同 TモバイルUSの合併

を承認すると見込み、 その判断を正当化していた。 

だが当時のオバマ政権が合併阻止の姿勢をみせ、

スプリントの負債は長年にわたりソフトバンクに

とって重荷と なった。 

スプリントとTモバイルは今、 トランプ政権が合併

を承認することに期待を寄せている。


  カショギ氏の失踪がビジョン・ファンド 第2弾の

設立にどのような影響をもたらすかは不透明だ。 

孫氏は1000億ドルの調達を目指す第2の

ビジョン・ファンドに向けて潜在的投資家らに打診

を続けており、さらに 第3、第4のファンドを設立

させたい 考えだ。


  ソフトバンクのクラウレCOOは ソフトバンク

が新たなビジョン・ファンドを 設立することは

「確定したわけではない」 とし、具体的な日程

なども決まっていない と述べている。


  一方、ムハンマド皇太子は今月、 ブルームバーグ

に対し、PIFがなければ

 「ソフトバンクのビジョン・ファンドも存在 しない」

と述べ、ビジョン・ファンド2には 追加で450億ドル

を出資する用意がある と話していた。 


 【転載終了】 

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  日経の下げは、ソフトバンクが多少 影響して

いましたかね?


  今後、サウジの皇太子交代の情報 もあり、

要注意ですね! 


LC=相棒's のじじ~放談!

時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

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