ゴーンの逮捕容疑「50億の報酬」は払われていなかった! ?
LITERA
【転載開始】
■ゴーンの逮捕容疑「50億の報酬」は
払われていなかった!
検察の杜撰すぎる捜査とリークに
丸乗りするマスコミ
いったいどうなっているのか。
日産自動車のカルロス・ゴーン氏 (会長解任)
逮捕から1週間が経ったが、 ここにきて、
“約50億円の報酬の有価証券報告書虚偽記載”
という 検察のシナリオに、大きなクエッション
がついている。
というのも、当初、
「報酬を得ていたにも関わらず不記載」
とされたはずの約50億円が、実際には、
ゴーン氏が退任後に日産から報酬を受け取る
約束を交わしていただけ、 つまり
「50億円はまだもらっていなかった」という
のである。
朝日新聞が24日朝刊の一面で報じ、読売新聞
が追いかけた。
微妙に表現に違いがあるが、両紙の報道の共通
部分をかいつまむと、ゴーン氏側が役員退任後
に毎年約10億円を日産から受け取るとする
〈覚書〉(読売) を毎年作成。
東京地検特捜部はこの〈契約書〉(朝日) を
押収した。
〈将来の支払いが確定した報酬として開示義務
があり、事実上の隠蔽工作 と判断した〉(朝日)
という。
一方、もっとも異なっているのは、朝日が
〈毎年約10億円、5年度分で 約50億円が積み立て
られていた〉としているのに対し、
読売は〈後払い分は事前に積み立ててはおらず、
ゴーン容疑者が退任した後に、同社が社内に蓄積
している利益の中から捻出することにしていた〉
と伝えているところだろう。
どちらが正しいのか、あるいはどちらも間違って
いるのか、それは定かでないにせよ、 この
「将来に受け取ると約束した50億円」 が、
例の虚偽記載の「約50億円」と見られているようだ。
しかし、ちょっと待ってほしい。
報道が事実だとしたら、これ、そもそも金融商品
取引法違反にあたるか疑問だ。
なにせ、ざっくり言えば、検察は
「まだ受け取っていないカネ」の報告義務を主張し、
ゴーン氏をしょっ引こうというのである。
そんなことが本当にできるのだろうか。
実際、元検察官からも強い疑義が呈されている。
東京地検特捜部出身の郷原信郎弁護士は、
25日に「Yahoo!ニュース」へ出した記事で、
〈今回の事件の逮捕容疑の「虚偽記載」の内容が、
本当に、「退任後の支払の約束」の程度の話で、
現実の支払ではなかったのだとすると、有価証券
報告書に記載義務があるのかどうか、犯罪と言え
るかどうかも、 極めて微妙なことになる〉と指摘
した。
郷原弁護士によれば、退任後の「約束」と現実
に受領する役員報酬とは、
「支払いを受けることの確実性」という点で大きな
違いがある。
それは、退任後に別の名目で「報酬」を払うの
ならば都度、社内で手続きをとる必要があるため、
その時の経営状況などにより、事実上、その「約束」
を果たせない可能性があるからだ。
〈そういう意味では、退任後の「支払の 約束」
は、無事に日産トップの職を終えた場合に受け
取ることの「期待権」に過ぎないと見るべきで
あろう。多くの日本企業 で行われている「役員
退職慰労金」と類似 しており、むしろ、慰労金
であれば、社内規程で役員退職慰労金の金額ある
いは 算定方法が具体的に定められ、在職時点で
退職後の役員退職慰労金の受領権が確定している
と考えられるが、実際に、慰労金の予定額につい
て、有価証券報告書に役員報酬額として記載して
いる例は見たことがない。〉
郷原弁護士の言うように、たしかに
「役員退職慰労金」は、その是非はともかくと
しても、多くの日本企業でごく当たり前に行わ
れていることだ。
これは通常の社員の退職金とは異なり、役員、
とりわけ会社の功労者に支払われるお金だが、
その金額や仕組みに関しては内規で定めるか、
あるいは 株主総会での決議を得る必要がある。
ゴーン氏の場合、検察はこれを
「後払い報酬の密約」と立証することで虚偽
記載の枠組みに入れようというわけだが、
少なくとも、今現在は報酬を得ていないのだから
「総会決議を 前提とした役員退職慰労金」、
すなわち 「絵に描いた餅」である可能性も
決して 低くないだろう。
■ゴーン逮捕の一報から、錯綜し続ける
マスコミ
すると、最悪の場合、容疑を否認したいると
いうゴーン氏を勾留中の起訴へ 持ち込めないと
いう、検察の面目 丸つぶれのオチまでありえる。
当然、「本丸」とささやかれている 「特別背任」
の線もどっぷりとした暗雲に包まれているに違い
ない。
ましてや今回、捜査当局はマスコミを動かして
“ゴーン逮捕劇場”まで大々的に演出したのだから
オオゴトだ。
とくに、この間の新聞・テレビの報道自体、
その大部分が検察のリークであることは疑い
ないが、いやはや、それに振り回さ れてもんどり
うっている大マスコミの情けなさといったらない
だろう。
実際、あらためて振り返ってみると、当初
からマスコミ報道は錯綜し続けてきた。
前述のように、最初の朝日の“スクープ” では
〈特捜部の発表によると、ゴーン会長とケリー
代表取締役の2人は共謀のうえ、2010~14年度
の5年度分の有価証券報告書に、実際はゴーン
会長の報酬が計約99億9800万円だったにも
かかわらず、計約49億8700万円と過少に記載
した疑い〉と報じられた。
後追いした他のマスコミも異口同音で、
さもゴーン氏が5年間で約100億円もの 巨額報酬
を懐に入れながら半分しか受け取っていないか
のごとく欺いたような報じ方だった。
さらに、日産の西川広人社長が会見であげた
「目的を偽った投資資金の支出」
「私的な目的での会社の経費の不正 使用」に
関する不動産疑惑等も続々と伝えられるなど、
“強欲ゴーンの巨悪” なるイメージがあれよあれよ
と作られて いった。
ところが、周知の通り、その後、肝心の
「有価証券報告書虚偽記載疑惑」の雲行きが
怪しくなってくると、各社の報道は大混乱。
矛盾だらけの支離滅裂なシロモノになって
いったのだ。
たとえば、ゴーン氏が子会社等の資金を
「私的」に使って高級住宅を購入し、
その家賃相当額を有価証券報告書の記載すべき
なのにしていなかった=
「約50億円は不動産等を報酬とみなして積み
上げた説」がまことしやかに出てきたり、
実は約50億円のうち約40億円は
「株価に連動した報酬を受け取る権利」なる
報道が出てきたりと、ようするに、毎日のよう
に“消えた50億円”の内訳がコロコロ変わって
いったのだ。
そして挙句の果て、
「そもそも50億円は受け取っていなくて退任後
の約束だった」なる話まで飛び 出してきたわけ
である。
こうなってくると、もはや何が何だかわからない
というのが 一般の感想だと思うが、実際、記者や
デスクもよくわからないまま書いているのでは
ないか。
もっとも、新聞・テレビというマスコミが
こうした無茶苦茶な飛ばしや推測の大合戦の
様相を呈しているのは、主に、検察が小出し
にするリークにまる乗っかりで、ろくすっぽ
検証もせず垂れ流しているからだろう。
■検察リークに丸乗りし「国策捜査」を
サポートしてきたマスコミ
いうまでもなく、記者クラブメディアにとって、
捜査当局は最大のネタ元にして最大のタブーだ。
本来、マスメディアに求められるのは、公権力に
よる捜査に恣意性や無理がないかを絶えず
チェックすることだが、検察の捜査にケチを
つけようものなら、とたんにパージされ、
情報がもらえなくなってしまう。
そのため、検察は事実の捏造や歪曲、不当捜査
をさんざん繰り返してきたが、それをマスコミ
が批判することはほとんどない。
2010年元厚労省局長の村木厚子氏の裁判で
大阪地検特捜部の証拠改ざんが明らかになった
際は検察批判が一時的に盛り上がったが、
以降も検察とマスコミの関係は変わらないままだ。
なかでも、東京地検特捜部は官邸や官僚機構
の意を汲んで敵対勢力を 排除する「国策捜査」
で恣意的な法適用 やでっち上げを繰り返してきた。
そうした検察の暴走を批判するどころか検察の
リークを垂れ流し、被疑者悪しの世論を作り出して、
その捜査を正当化する役割を演じてきたのが、
大マスコミだ。
今回のゴーン逮捕報道でも同じことが起きて
いるのではないか。
もちろん、国際的大企業のトップにかけられて
いる疑惑を追及し、そこに不正や私物化の事実
があれば批判するのは 当たり前だが、
この状況を見ていると、世論を味方につけたい
検察側と、 スクープを落としたくないマスコミ
各社が、まるで“共犯”的にゴーン氏を“強欲な巨悪”
に仕立てているようにさえ思えてくる。
しかも「日本の日産vsゴーン+ルノー+ フランス」
という愛国エンタメ的な論調まで加わり、
歯止めが効かない状態になって いる。
繰り返すが、検察が描いていたシナリオ は、
まずは有価証券報告書虚偽記載疑惑で逮捕して、
これを嚆矢に私的な使い込み などを立証し、
特別背任も視野に起訴、有罪へ持ち込むことだ。
しかし、この報道の大混乱を見る限り、どうも
青写真どおりにはいきそうにないという事情が
透けて見える。
逆に言えば、天下の東京地検特捜部は、
日産の内部通報者からの情報で踏み込んだが、
その実、想定していた具体的なブツ が出て
こなくて焦っている、そういうことなのでは
ないか。
言っておくが、これは単に特捜が“無能集団”
ということではなく、一部で言われる
「日産と三菱自動車の海外移転を阻止する
ための国策捜査」であるがゆえの勇み足という
説が濃くなっていくことを意味している。
いずれにしても、本サイトで指摘した司法取引
の問題しかり、今回のゴーン氏逮捕をめぐっては、
検察とマスコミの暴走という面が目立つ。
しかしゴーン氏という世界的有名人相手にいつも
通りの捜査手法が通用するのだろうか。
中世並みの人質司法とともに、特捜部の恣意的で
杜撰な「国策捜査」の手法、メディアとの共犯関係
もまた、国際社会の 厳しい目線にさらされること
になるのではないか。
(編集部)
【転載終了】
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どうりで所得隠し(脱税)容疑として
報道されないわけです。
どうも真相はまだ闇の中という感じ
ですが、検察の見込み捜査で日産側
幹部が乗せられたとしたら、大変な
外交問題に発展してしまいます。
ましてや、西川社長は、解任される
だけではなく、名誉棄損で損害賠償を
請求され、万一、株価が暴落した場合、
株主代表訴訟にもなりかねません。
きちんとした証拠があるのでしょうか?
経産省も絡んいるようなのですが、
日本の信用を無くすような行為で
なければいいのですが。
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