米有力紙も「ゴーン擁護」へ国内外に広がる陰謀論・・・!?

 DIAMOND online 


 【転載開始】 


 ゴーン逮捕で永田町関係者がささやく仰天の 

「トランプ黒幕説」とは  


 検察や日産がリークを連発する一方、 

ゴーンサイドからの情報がほとんどない 

現在、あのウォール・ストリート・

ジャーナル ですら、

ゴーンはハメられた的な「陰謀論」 

を展開する事態になっている。 

さらに驚くのは、永田町界隈でまこと

しやか にささやかれる仰天の陰謀論だ。

 (ノンフィクションライター 窪田順生)


■米有力紙も「ゴーン擁護」へ 

 国内外に広がる陰謀論  


 少なからぬ永田町関係者がなんと 

本気で信じているのが 「トランプ黒幕説」。 

つまらない陰謀説であっても、あえて 

背景を考えてみることで、リーク渦巻く 

情報戦に振り回されない情報リテラシー 

を養うことができる。 


 「ありゃ裏でもっと悪いことしてるぞ。 

コストカッターとか言われてた時から、

俺は怪しいと思ってたんだよ」 

「いやいや、あれはハメられたんだって。 

日本人の側近がルノーに吸収されない 

ように起こしたクーデターらしいぞ」――。  


 世界に激震が走った逮捕劇から10日、 

部下にハメられた哀れな外国人リーダー 

か、強欲な独裁者かという「ゴーン論争」 

は、今やすっかりサラリーマンたちの 

「酒の肴」として定着した。 


 この「メシウマ状態」に拍車をかけて 

いるのが、GT-Rを会社からタダで 

もらっていた、なんて調子で、 

日産や東京地検特捜部からせっせと 

毎日のようにリークされる 

「しっくりこない話」だ。 


  ゴーンのしょうもない悪事を聞けば 

聞くほど、「監査役もいる上場企業 

なのに、なぜここまで見抜けなかった 

のか」とモヤモヤが深まる。 

そのためか、海外ではすっかり、 

ゴーンはハメられた的な「陰謀論」が 

広まっている。  


 例えば、26日の米ウォール・ 

ストリート・ジャーナル(電子版)でも、 

「中国で起きたことかと思った」 と揶揄

したほか、「島国特有の閉鎖的な企業文化」 

「日本の経済界に汚点を残す」 との論調を

展開するなど、露骨に「ゴーン擁護」へと

舵を 切っている。  


 もちろん、この手の「陰謀論」は 

国内でも飛び交っていて、 中には、

落合信彦氏の国際スパイ小説も真っ青

のストーリーも聞こえてくる。 

そこで本稿では、その一部をご紹介 

していきたい。  


 「フェイクニュースを撒き散らすな!」 

と怒り出す方もおられるかもしれない 

ので、言い訳をさせていただくと、 

「陰謀論」というものの多くは 

「情報の飢餓」が原因である。 


 ネットでカモを探す怪しげな自己 

啓発セミナーが、 

「大手マスコミが報じない」なんて 

宣伝文句を多用するように、 

「陰謀論を語るのは危険だ」と 

みんなが“お口にチャック”をすると、 

かえって「陰謀論」の価値を高めて、 

それを広めることとなってしまうのだ。 


 また、火のないところに煙は立たぬ 

ではないが、「陰謀論」にだって 

ささやかれるだけの理由はある。 

信じるも信じないもあなた次第、 

と話半分のエンターテイメントとして 

楽しんでいただきながら、そのバック

グラウンドを読み解くことは、

むしろデマやフェイク ニュースに惑わさ

れない 情報リテラシー向上の役に立つ 

のではないだろうか。 


 ■永田町でまことしやかに ささやかれる

 「トランプ黒幕説」 


 一通り陰謀論を語る「意義」を 

説明させていただいたところで、 

さっそく本題に入っていこう。 


 日産をルノーに奪われたくないと 

いう「国策」で東京地検特捜部が 

動いた、という「陰謀論」は既に 

いたるところで語られているので 

割愛するが、それを遥かに上回る 

スケールのストーリーが囁かれて 

いるのをご存じか。 


 それは、「トランプ黒幕説」だ。  


 先日、永田町で、国際政治に精通し 

国内外に豊富な情報ソースをお持ち 

の方とお茶をしていた時、ゴーン逮捕 

が話題に上ると、さも常識という感じ 

でこんなことをおっしゃった。 


 「あれはね、トランプがやらせたんだよ。 

知らなかった?」  聞けば、

トランプから命じられた “忠犬ポチ”の日本が

東京地検特捜部を 使って、ゴーンを日産から

「排除」したというのである。 


 「妄想乙」と言う人も多いだろう。 

だが、実はこれ、この方だけではなく、 

政治に携わる一部の方たちの間で 

まことしやかにささやかれている、 

わりとメジャーな「陰謀論」なのだ。 


 「おいおい、こんな妄想を真に受けて 

いる人が永田町に多いなんて、日本の 

政治は大丈夫か」と心配になった方も 

多いかもしれないが、先ほど述べた 

ように「陰謀論」にだって、ちゃんと

理由 がある。 

この「トランプ黒幕説」も然りで、

複数の 方からお話を聞いていく中で、

この「説」 のバックグラウンドが見えて

きた。 

主なポイントは以下の3つだ。 

 (1)トランプの「マクロン大統領叩き」 

(2)対中国戦略としての  

 「電気自動車(EV)開発潰し」 

(3)アメリカの虎の尾を踏んだ田中角栄  


 納得というものもあれば、 

何のことやらというのもあると思うので、

 (1)から順に説明しよう。  

 「トランプ黒幕説」では、トランプが日本を 

使ってゴーンを排除した最大の理由は、 

マクロン仏大統領を弱らせることだと説明 

される。 


 ■ゴーン失脚で米が狙うのは 

 「テスラのEV復権」!?  


 マクロン大統領といえば、日本国内では、 

日産をルノーに吸収しようと目論む張本人 

というイメージが強いが、国際政治的には、 

トランプとバチバチのバトルを繰り広げて 

いるEUリーダーとして知られている。 


 かつてはトランプと蜜月関係なんて言わ 

れた時期もあったのだが、フランスが主導 

してきた「イラン核合意」や、地球温暖化 

対策の国際的枠組み「パリ協定」を

トランプ がこき下ろしたうえ、サクッと

離脱してしまった ことで関係が悪化。 

ちょっと前のトランプと金正恩のバトルの 

ように、互いに会見やTwitterで罵り合う 

事態になっているのだ。


  ゴーンに「横領外国人経営者」の悪名を 

着せてルノーと日産を「分断」すれば、 

日産を欲しがっていたマクロンは大打撃。 

いかにもトランプが考えそうな「謀略」

だというのだ。  


 いくらなんでもそんなくだらない喧嘩 

くらいで、日本に世界的企業の社長を 

パクらせないだろ、と思う方も多いかも 

しれないが、トランプには他にもゴーン 

を排除したい理由がある、 

と「トランプ黒幕説」は考える。  


 実はゴーンは、トランプと目下、激しい 

「貿易戦争」を繰り広げている中国で、 

「EVの父」と呼ばれている。 

ルノー・日産は早くから中国に進出し、 

2017年には東風汽車とEVの共同開発 

をする合弁会社を設立。 

中国でのEV事業を積極的に進めて 

いるからだ。 


 そんな“親中派”のゴーンを「罪人」と 

して追放できれば、高いEV技術を持つ 

日産とルノーの関係に「溝」をつくる

ことができる。 

それはすなわち、彼らと共同でEV開発 

に力を入れる中国にもダメージを与える 

ことでもある、というわけだ。 


 ご存じのように、アメリカのEVは大苦戦 

で、経営危機がささやかれるテスラは 

中国に工場を建設すると発表して中国 

市場へすり寄ったものの、「米中貿易戦争」 

の煽りを受けて中国国内の販売が70%減 

になったと報じられたばかりだ。  


 つまり、トランプが日本にゴーンを排除 

させたのは、中国でルノー・日産の影響力 を

そぎ、テスラにEV開発の主導権を持た 

せるためのものだというのである。 


 ■永田町関係者が思い出すのは 

 田中角栄の「奇妙な逮捕劇」 


  もちろん、自動車業界関係者や 

ジャーナリストたちからすれば、 

「そんなことあるわけないだろ」という失笑 

レベルの話かもしれないが、政治の世界で

長く生きていた人ほど、このような 「陰謀論」

を強く支持する傾向が強い。 


  その理由が(3)である。  

 実は政治の世界に生きる者であれば、 

アメリカと東京地検特捜部という組み 

合わせを聞くと、脊髄反射で思い浮か 

べる、昭和を代表する陰謀論がある。 


  もうお分かりだろう、ロッキード事件だ。

 日本の首相経験者がパクられる、 

というあまりにも有名で衝撃的な事件 

なので、その詳細はここでは割愛するが、 

一部の方たちの間では、この事件は 

「角栄がアメリカの虎の尾を踏んだから 

起きた」という認識で一致している。 


 日本独自のエネルギー安全保障を 

進めるため、サウジアラビアと石油取引 

の交渉をしようとしていた田中角栄を、 

アメリカが東京地検特捜部と日本の 

マスコミを陰ながら操って、 

「世紀の犯罪者」に仕立て上げたという 

のだ。  


 ここでこの「説」についての真偽を 

ああだこうだと論じても仕方ないが、 

ただ一つはっきりしていることは、 

政治の世界では、これを「真実」だと 

信じている方が、今でもたくさんいる 

ということだ。


 あの奇妙な逮捕劇をリアルタイム 

で覚えている人たちからすれば、 

中東で「日の丸オイルメジャー」を 

つくろうと動いた後、「カネ」の問題で 

パクられた角栄と、中国のEV覇権を 

取りに動いていた最中に、 同じく「カネ」

で監獄に放り込まれたゴーンは妙に重なって

しまうのだろう。 

確かに、今回の逮捕劇は、 ロッキード事件と

ムードはよく似ている。


 何の前触れもなく動く東京地検特捜部。 

手のひら返しで悪口を言い立てる側近たち。 

次から次へとマスコミにリークされる 

不可解なネガティブ情報、そして、 

ちらつくアメリカの影――。 


  このような要素を踏まえれば、 

「トランプ黒幕説」がまことしやかに 

ささかれるのも当然といえば、 

当然のことなのかもしれない。 


 ■陰謀論をあえて深読みすると 

 情報リテラシーが向上する 


 もちろん、「陰謀論」はこれだけではない。 

筆者が他に耳にしたのは、いわゆる 

「原子力マフィア」の関与である。  


 経営危機に陥っているフランスの 

原子力総合メーカー、アレバグループに、 

三菱重工が出資していることで、 

実はこの騒動の本丸は、日産ではなく 

「三菱」なのだ云々というような、 

これまた陰謀論好きな方たちがワクワク 

しそうなストーリーだったので、 

機会があればまたどこかでお伝えしたい。  


 いずれにせよ、ゴーンサイドから大した 

情報が出てこない段階で、このような 

「陰謀論」が盛り上がっているのだ。 

日産、特捜部、ルノーなど、さまざまな 

プレイヤーが入り乱れた情報戦の本番 

はこれからだ。 

そんな中で我々にできることは、 

魅力的な「陰謀論」の中に、どのような 

意味があるのかを読み解くことである。 


 なぜそのような話がニュースに出るのか。 

一体誰が話をしているのか、そしてこの 

ような情報が流れると、誰が得をするのか。  


 ポジティブに捉えれば、

今回のゴーン 逮捕は、我々日本人の

「情報リテラシー」 を磨く、いい機会に

なるのかもしれない。 


 【転載終了】 

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 私も最初は米国に介入を疑いましたね。  


 なんせ、地検が荒っぽいことをやるときは、 

米国の承認がある時だと思いますから。

  

LC=相棒's のじじ~放談!

時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

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