「安倍官邸vs.NHK」に込めた覚悟・・・
日刊ゲンダイDIGITAL
【転載開始】
■森友スクープの元記者激白
「安倍官邸vs.NHK」に込めた覚悟
公開日:2018/12/20
日刊ゲンダイは今夏、NHKで森友事件
のスクープを連発した記者が左遷され、
退社したことを報じてきた。
その当事者である相澤冬樹氏
(現大阪日日新聞論説委員・記者)が13日、
「安倍官邸vs.NHK」(文藝春秋)を上梓。
NHKでの森友報道への圧力や社内攻防
などが実名入りで生々しく記されている。
◇ ◇ ◇
テレビニュースというのは事実を報道する
ものだと、かつて視聴者は黙っていても納得
してくれました。
しかし、最近は疑念を持たれている。
NHKという組織を離れた立場なら舞台裏を
書けると思い、プロ記者の取材への信用を
取り戻すためにも、覚悟の上で踏み込んで
書こうと決めました。
NHKで森友学園に関して報じてきた1年半
の間、過去に体験したことのないことが多々
起きました。
財務省がおかしなことをやっているという
ニュースを出そうとするとさまざまな圧力が
掛かった。
なぜそんな判断になるのか。
安倍官邸の関与は、はっきりとは分かりま
せんが、何かがなければそんな判断には
なりません。
■最近のNHKは政治と「折り合う」ではなく
「べったり寄り添う」
森友報道では、学園と昭恵夫人の関係に
ついての部分が原稿から削除された。
「国有地の売却前に近畿財務局が学園側
に支払える上限額を聞き出していた」
「財務省が学園に『トラック何千台ものゴミ
を搬出した』という口裏合わせを求めていた」
という特ダネも、なかなか放送させてもらえ
なかった。
特ダネ放送後に、NHK報道部門トップの
小池英夫報道局長が大阪放送局の報道部長
に叱責電話を掛けてきたこともあったという。
NHKが政治と「折り合う」必要があるのは
放送法に縛られている以上ある程度は仕方が
ない。
しかし、最近は折り合うではなく
「べったり寄り添う」になってしまっていて、
やり過ぎです。
なぜそれが起きているのかということです。
国民の信頼を失いますよね。
視聴者の信頼を失ったら公共放送は成立しません。
日刊ゲンダイで報じたように、考査部への異動
の裏に官邸への忖度はあったのか。
異動の内々示があった時は、大阪地検特捜部の
捜査が継続中でした。
その真っただ中に担当記者を代えるという判断は
不自然で不可解。
そのうえ内々示も異例でした。
大阪の副局長まで同席し、わざわざ
「これからは考査の仕事に専念してもらう」と言わ
れたのです。
「もう報道には手を出すな」という組織の意思表示
だと感じました。
そこまでして私に記者をさせたくないというのは、
つまり、私に森友報道をさせたくないのだと受け
止めました。
9月に大阪日日新聞へ移籍。
森友報道は今後も継続していく決意だ。
みんなすぐに真相を求めたがりますが、
当事者が話さない限り分からない。
時間が必要なんです。
私は、記者はしつこさが大事だと思っています。
長い時間をかけて、しつこく取材するつもりです。
森友事件では犠牲者が1人出ている。
その重みを感じつつ、まずは、なぜ彼が死に追い
やられたのか、という背景を明らかにしたい。
(取材・文=小塚かおる/日刊ゲンダイ)
【転載終了】
***************************
“記者魂”というものでしょうか。
まだまだ、気骨のある記者もいるのですね。
0コメント