相続制度改正で“貢献度”考慮!?
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【転載開始】
■介護した時間分、遺産がもらえる?
相続制度改正で“貢献度”考慮
2019年1月から相続に関する法制度
が大幅に改正される。
大きなポイントの一つが、
「相続人以外の貢献度を考慮する」よう
に定められた点。
相続人以外でも、被相続人の介護などの
貢献度によって、遺産を受け取ることが
できるようになるという。
* * *
「相続人以外の貢献度を考慮する」よう
定められた点にも、これまで家庭で介護を
担ってきた女性たちに対する配慮がうかが
える。
改正前は、義父母の介護を献身的に
行っても、往々にして義父母の遺産を
もらうことはできなかった。
「子の配偶者」は相続人に該当しない
ためだ。
「義父母が被相続人となる場合、その子
(相続人)の配偶者は義父と養子縁組した
り、特定遺贈(遺言により遺言者が指定し
た財産を無償で譲ること)を受けるなどの
特段の便宜を図ってもらわない限り、基本
的に遺産分配を受けられませんでした」
(税理士法人レガシィ統括パートナー
税理士の田川嘉朗さん)
もちろん、遺産目的で介護するわけでは
ないだろうが、遺産分割協議からして蚊帳
の外となれば不満が生じるのも自然なことだ。
実際、義父らと同居していた場合、義父や
義母の介護を担わざるを得ない 女性は少なく
ない。
そのため夫の死後、義父らとの縁を絶つ
「姻族関係終了届」を出す女性が近年増えて
いることは、メディアで相次いで取り上げら
れてきた。
このような社会現象も踏まえ、今回の改正
により、相続人以外でも被相続人の療養看護
などで特別に貢献 した人には、相続人に対す
る金銭請求権を行使できるようになった。
相続財産の一部を金銭として請求できるのだ。
「寄与者の請求権を認めたことにより、
被相続人と離れて暮らしてきた相続人が
これまで以上に、自身の配偶者に対して
配慮せざるを得ない状況が生まれるのは
間違いない」(同)
これまで1万4千件以上の相談にのってきた
相続コーディネーターの曽根恵子さんによれば、
「現時点で算定方法は決まっていないが、
『介護にかけた時間×都道府県が定めた
最低賃金』を時給換算するなどして請求
できるようになる」。
曽根さんの試算では、100万~200万円程度は
請求できるという。
ありがたい話だが、これも相続争いの火種に
なる可能性もある。
遺産を受け取る人が増えれば、各相続人が受け
取れる財産は減少する。
介護にかけた時間などの算出でひと悶着起きる
可能性は高い。
「そのため、介護に携わる際には相続人でルール
を設定して共有すべき。介護時には被介護者の
状態や、かかった労力や費用も共有すること。
介護ノートをつけたり、介護の様子を写真に
撮ってスマホ等に保存しておくと、トラブルを
抑制できる でしょう」(曽根さん)
いやらしく感じるかもしれないが、相続に
関する話し合いには首を突っ込む ほうが得策だ。
(ジャーナリスト・田茂井治)
※AERA 2018年12月31日号
-2019年1月7日合併号
【転載終了】
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親御さんが亡くなったとたん、普段
寄り付かない兄弟が遺産の分配に口を
出してきて揉めるということをよく聞き
ますね。
義両親の面倒を見てくれたお嫁さん
には、遺産を受け取る権利があると
思います。
さらには、盆暮れに帰省する兄弟家族
の面倒までみることも少なくないでしょう。
介護経験のない方たちは、介護がどれほど
大変か認識する必要があると思います。
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