老後資金 50代の半数はもう手遅れか──!
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【転載開始】
老後資金 50代の半数はもう手遅れか──
生活水準を維持可能な資産水準
を年収別に推計する 2019年6月12日(水)
※抜粋 全文は、こちら。
https://www.newsweekjapan.jp/
stories/world/2019/06/50-27_4.php
3──準備が整っている人はどれくら いいるのか
では、実際に50代で既に老後の
生活のための準備が整っている
世帯はどれくらいあるのだろうか。
そこで、家計調査及び金融広報 中央委員会
家計の金融行動に関する世論調査
[二人以上世帯調査](平成30年調査結果)
を基に、50代の年収別純資産残高
(金融資産―借入金)の分布を推計した。
個人年金は年収別純資産残高に含まれるが、
退職時に支払われる退職一時金や企業独自
の退職年金は含まれていない。
そこで、企業の退職金事情に関する
2つの統計資料
(厚生労働省平成30年就労条件総合調査、
東京都労働相談情報センター中小企業の
賃金・退職金事情(平成30年版))及び
中小企業庁 中小企業の企業数・事業所数
(2016年)を基に、定年退職時の退職給付
を見積もりに加算する。
不動産も年収別純資産残高に含まれていない
が、賃料収入が期待できる自宅以外不動産を
保有している層は限定的であると 考え、
考慮していない。
――――――――
5 基礎研レポート 『資産が枯渇しない生活水準を
考える- 適正支出に対するアドバイス力強化に
期待する』(2018年5月8日)
6 これに加え病気や介護などに備え、保険への
加入か別途予備費が必要である点に注意が必要
である。
7 脚注iによると、投資収益率は1-2% だがあまり
値下がりリスクが高くない金融商品を嗜好する
高齢者が最も多い
以上の前提を基に、50代の世帯を4つの
グループに分類する。
グループ1は、退職時の退職給付も含めると、
既に十分な資産を保有している世帯である。
グループ2は、現在と同程度の収入維持が期待
できる今後5年間は所得の10%(8)を貯蓄に回し、
かつ今後10年間通じて現在保有する資産も含め
年率2.5%で運用すれば、十分な資産を準備できる
世帯である。
順調に頑張れば生活水準が落ちないグループ
といえる。
グループ3は、現在と同程度の収入維持が期待
できる今後5年間は所得の10%を貯蓄に回し、
かつ今後10年間通じて現在保有する資産も含め
年率2.5%で運用すれば、退職前後での生活水準
の低下を10% (9)未満に押さえられる世帯である。
順調に頑張っても多少の生活水準低下が避けられ
ないグループと言える。
グループ4は、現在と同程度の収入維持が期待
できる今後5年間は所得の10%を貯蓄に回し、
かつ今後10年間通じて現在保有する資産も含め
年率2.5%で運用しても、退職前後での生活水準
が10%以上低下する世帯である。
よほど頑張らない限り手遅れであるグループである。
その結果、既に十分な資産を保有している世帯
(グループ1)の割合は20%である。
順調に頑張れば生活水準が落ちない世帯(グループ2)
も含めると、36%の世帯は退職後も現在と同程度の
生活水準維持が可能である。
一方、よほど頑張らない限り手遅れである世帯
(グループ4)の方が、46%と多い。
次に、年間年収別に各グループの割合を確認する
(図表5)。
既に十分な資産を保有している世帯 (グループ1)
の割合は、 年間年収の低い世帯ほど大きい傾向が
ある。
一方、よほど頑張らない限り手遅れである世帯
(グループ4)の割合も、年間年収の低い世帯ほど
大きい傾向がある。
年収が500万円未満の世帯が最も高く54%もあるが、
年収1,000万円以上の世帯でも40%を超える。
なお、ボストンカレッジの退職研究センターが
退職後10%以上も生活水準の低下が見込まれる世帯
の割合を年収段階別に算出しているが、同様の傾向
が確認できる(10)。
4――まとめと今後の課題
当レポートでは、退職前の年間収入の状況によって
退職後に期待できる 可処分所得も、満足できる生活
水準も異なることを考慮し、 老後のために用意すべき
資産額を退職前 の年間収入別に推計した。
その上で、50代を資産の準備状況に応じ て4つの
グループに分類し、その割合を年間収入階級別に確認
した。
その結果、50代のおよそ半数は退職後に10%以上
もの生活水準低下が見込まれ、最も年間収入の高い
世帯でもその割合が41%にも及ぶことが分かった。
―――――――― 8 金融広報中央委員会
家計の金融行動 に関する世論調査[二人以上世帯調査]
(平成30年調査結果)によると、50代の平均貯蓄率
は9%である 9 ボストンカレッジの退職研究センター
が算出するナショナル・リタイアメント ・リスク・
インデックスにおけるリスク の定義、退職後に生活
水準が10%以上低下するに準拠 10 研究員の眼
『貯蓄額よりも貯蓄率- リタイアメント・リスクに
ついて考える』
(2019年3月18日)
では、10%以上も生活水準を低下せざるを得ない
世帯はどうすれば よいのだろうか。
選択肢として考えられるのが、退職後もリスクのある
資産へ投資することにより資産の増加を目指すことで
ある。
仮に、退職後、全世帯が年率1.5%で運用できる場合、
10%以上も生活水準 を低下せざるを得ない世帯の割合
は、 50代全体で46%から39%に低下する。
しかし、退職後の消費支出に占める公的年金の割合が
高く、運用にあてられる 資産額が少ない低所得世帯に
おける効果 は限定的である(図表6)。
この他に、(1)より長く働き続けることや、
(2)貯蓄率を上げることが考え られる。
しかし、貯蓄率をあげることは、年間収入の上昇が期待
しにくい50代にとっては、早期に生活水準を低下させる
ことに他なら ない。
また、(3)リバース・モーゲージの活用も考えられる。
10%以上も生活水準を低下 せざるを得ない世帯は、
借入金残高が多い 傾向がある。
また、退職金を受け取った人の2割が、退職金を
住宅ローンの返済に充てていると いう調査結果もある(11)。
退職金を住宅ローンの返済に充てず、リバース・モーゲージ
に借り替えることで、生活水準の低下を防げる可能性がある。
最後に、(4)10%以上も生活水準を低下せざるを得ない
世帯が長寿年金等により互いに助け合うことである。
老後のために用意すべき資産額は、 資産が死亡時までに
枯渇する確率が5%となる資産額と一致するように算出して
いる。
人生100年時代とはいえ、全員が100歳まで生きるわけでは
ないのだから、 長生きリスクをシェアすることができれば、
生活水準の低下を防げる可能性がある。
今後は、上記4つの方法やその他様々な方法により、
10%以上も生活水準を低下せざるを得ない世帯の割合を
どれくらい 減少させることが可能なのか、定量的に評価、
確認していきたい。 ――――――――
11 脚注1と同じ
【転載終了】
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現役世代の貯蓄ゼロ世帯が30%~40%と
可なりの高率であり、現実味のある記事の
ように思えてきます。
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