ドイツよりも日本の銀行がもっと危ない。

 MONEY VOICE 


 【転載開始】


 ドイツよりも日本の銀行がもっと危ない。 

政府の問題先送りで地銀も都市銀行も 

潰れていく 2019年7月18日


 ■地銀1位と3位がタッグ  


 地銀最大手の横浜銀行と3位の 

千葉銀行が7月10日、業務提携で 

基本合意したと発表した。 

長びくマイナス金利政策や 

フィンテックの新興企業の台頭と 

いった逆風を受け、トップ地銀が 

手を組む決断をした。 


 政府が6月5日に開いた、国や 

地方の成長戦略を議論する未来 

投資会議(議長・安倍晋三首相) 

では、経営環境が厳しい地方銀行 

に今後10年間で集中的に再編を 

促す方針が盛り込まれていた。 

両行はいわゆるバッドバンクでは 

ないが、

 「経営環境が厳しい地方銀行」で 

あることは間違いがない。  


 7月6日には、ドイツ銀行が 

全行員の2割を超える1万8000人 

の人員削減を発表したように、 

日欧を問わずマイナス金利政策下 

の銀行はどこも経営環境が厳しい

からだ。  


 何年か前には、スペイン、イタリア、

ギリシャの銀行の経営危機が取り沙汰

されていたが、個々 の銀行、個々の国

の問題だけではなかったことになる。 


 マイナス金利政策というのは、 

与信(貸出し)で金利を受け取る 

ことを否定しているような政策で 

ある。 

そうした政策を採る政府は、 

銀行産業を合理化の対象と見なし 

ている可能性すらあるのだ。


 ■日本の銀行はさらに厳しい 


 そんな中で、日本の銀行は日本の 

特殊事情を反映し、さらに厳しい 

経営環境にある。 

それを分かりやすくまとめてくれた 

コメントがあったので、以下に引用 

する。 



  多くの地銀が苦しんでいる最大の 

理由は、「ゼロ成長」と「ゼロ金利」 

にある。これはメガバンクについて 

も同様であるが、海外で稼げるメガ 

バンクと比べて地銀の方が一層苦し 

い、というわけである。  

出典:地銀を過去最大の苦境に追い 

込んだ2つの原因 – ダイヤモンド・ 

オンライン(2019年7月12日配信) 


 一般企業は、ゼロ成長でもプラス 

の利益を稼いでいる。利益の金額が 

前年と比べて増えていないだけで 

ある。そして、利益は一部が配当に 

回るが、残りは銀行借り入れの返済 

に回ってしまう。

 出典:同上  


 銀行は、融資残高が減ると困るので、 

ライバルから客を奪おうとして貸出 

金利を引き下げる。ところが、 

ライバルも同じ戦略を取るので、結局 

客は奪えず、貸出金利の低下に苦しむ 

ことになる。 

 出典:同上  


 優良企業向けに金利を引き下げても 

融資残高が増えないのであれば、 

「本来ならば貸すべきでない、信用力 

に問題のある借り手」に貸すしかない。 

それで融資判断が甘くなっているとし 

たら、大問題である。次の不況期に、 

元本ごと失う可能性がある。

 出典:同上  


 ゼロ金利時代(厳密には若干のマイ 

ナス、以下同様)の預金部門の収入は 

ゼロである。つまり、コスト分だけ 

赤字である。

 出典:同上  


 ゼロ金利が続く限り、預金部門の 

コストがそっくり銀行を痛め続ける 

わけである。ゼロ金利は当分続きそう 

なので、今後の影響が心配である。 

 出典:同上 



  ここで言う「ゼロ成長」とは、 

日本の名目GDPが1997年に534兆円 

のピークをつけ、2016年になって 

やっと538兆円と更新できたことを 

指している。 

とはいえ、この更新は計算方法の 

見直しにより30兆円は上乗せされて 

いるとされるので、近年、政府官庁 

で目立つ数字合わせだとする見方も 

ある。


 ■1997年から見れば企業はほぼゼロ成長 


 いずれにせよ、ほぼゼロ成長で、 

その間の2009年、2011年、2012年 

などは、500兆円を割り込んでいた。  


 つまり、戦後最長の経済成長は、 

落ち込んだところからゆっくり時間 

をかけて原状回復を達成したもの 

なのだ。 


 1997年と比較しての意味では、 

「ゼロ成長」は間違いではない。  


 ちなみに、1997年は消費税率を 

5%に引き上げた年で、私はこれが 

日本の経済成長を止めた主因だと 

みている。 


 ともかく、世界でゼロ成長は日本 

だけ、あるいは厳しい経済制裁に 

より成長を止められている国々だけ 

で、それも限られた少数の国々だけだ。


 ■マイナス金利で滅ぶのは地銀だけじゃない  


 マイナス金利政策下の国々の銀行 

経営は、「厳しい環境下」にある。 

日本の場合は、ゼロ成長も伴って 

いるので、「非常に厳しい環境下」

 にあると言えるのだ。 


 そんな中で生き残るために過大な 

リスクを取っているのは地銀だけで 

はない。

「次の不況期に、元本ごと失う可能性 

がある」のは、大手銀行が取っている 

海外のリスクも同様だ。


 ■日銀ができるのは「リスクの先送り」だけ  


 そして、そうしたもしもの場合に 

日銀にできる追加緩和の余地は、 

量的(資金供給面)にも質的(金利面) 

にも事実上なく、政府の方は大赤字、 

大借金だ。 


  日本の政府当局ができることはこれ 

までと同じ、「リスクの先送り」だけ 

しかない。


 ■銀行を救えるのは経済成長だけ 


 何度も繰り返しているが、こうした 

ことを一切合切ひっくり返す妙案は、 

経済成長だけなのだ。 


 税率を上げたために、経済成長が 

止まり、かえって税収が減ったの 

だから、今度は税率を下げればいい 

のだ。  


 なのに、政府官庁は、兎にも角にも 

「消費増税」で、その悪影響をミニマム 

にすることに懸命だ。なんともはや。


 【転載終了】

 ************************  


 国内消費が冷え切ったままでは難しい 

ような気がしますが。 


 いずれにしろ、金融不安はあらゆる 

ところに影響を及ぼしそうですね。 


0コメント

  • 1000 / 1000