安倍政権だけが 「コロナ危機で支持率低下」という残念さ!

 プレジデントオンライン 


 【転載開始】


 ■日本の安倍政権だけが 

 「コロナ危機で支持率低下」という残念さ 

 2020年4月17日 


 危機の時、政府の支持率は上がるというのが 

政治学の常識だ。 

実際、コロナ危機で主要国の支持率はどこも 

上がっている。 しかし例外がある。

日本の安倍政権だけは支持率 を下げているのだ。 

コミュニケーションストラテジストの岡本純子氏

 は「そんな国はほかにない。あまりに残念だ」

 という--。 


 ■コロナ禍の世界の中で「政権支持率」が異様に 

 低い日本 


 新型コロナウイルスによる感染拡大に全く収束 

の兆しが見えない。 

安倍晋三首相率いる政府の対策は後手に回って 

ばかりだ。 

4月14日発表のNHK世論調査(*)では、内閣に 

対する支持率は前月より4ポイント下がって39% 

と、ここ数年で最も低い水準となった。 

*4月10日から3日間、RDD方式で全国18歳以上 

 の男女が対象。調査対象2085人のうち60%の 

 1253人から回答を得た。  


 支持率39%というのはそれほど低くはないよう 

に思われるかもしれないが、世界に目を向けると、 

異様な数字であることがわかる。 

次のリストをみてほしい(支持率出典は文末に掲載)。 


【新型コロナ感染拡大後の直近の支持率(増減)】 

(支持率の高い順に)

●アンゲラ・メルケル首相(ドイツ):79%(11UP) 

●メッテ・フレデリクセン首相(デンマーク):79% 

 (40UP) 

●マルク・ルッテ首相(オランダ):75%(30UP) 

●ジュゼッペ・コンテ首相(イタリア):71%(27UP) 

●スコット・モリソン首相(オーストラリア):59% 

 (18UP) 

●文在寅(ムン・ジェイン)大統領(韓国):56% 

 (17UP)

●ボリス・ジョンソン首相(イギリス):55%(22UP) 

●エマニュエル・マクロン大統領(フランス):51% 

 (15UP) 

●ドナルド・トランプ大統領(アメリカ):49%(5UP) 

●安倍晋三首相(日本):39%(4DOWN) 

●ジャイール・ボルソナル大統領(ブラジル):33% 

 (2DOWN) 


 これは筆者が、欧米の主要国のリーダーに対する 

直近の支持率をまとめたものだ。

右端の数字は 新型コロナウイルスの感染拡大前との変化で

ある。 

これをみると、どのリーダーも支持率を大きく 上げている

のがわかる。 

主要国で支持率が下がっているのは、わが国と、 

「どうせ誰かがいつかは死ぬ」「ちょっとした風邪」と一切

の対策を拒否しているブラジルのジャイール ・ボルソラノ

大統領だけだ。

  こちらの棒グラフはニュージーランドの調査会社 

(4月8日発表)がまとめたものだが、政府の 

新型コロナ対応に対して、支持すると答えた人の数 

はニュージーランドで84%と最も高かった。 

G7のどの国も50%以上が支持している一方で、 

日本ではわずか35%に過ぎない。 

お隣の韓国も、3月27日に世論調査会社 

「韓国ギャラップ」が同国政権の支持率は55%と

発表し、1年4カ月ぶりに55%を回復したとして 

いる(翌週に支持率56%に上昇)。  


■死者数が桁違いに多いイタリアやイギリス、 

 アメリカでも支持率上昇  


 こうして見ると、支持率が高いのは、コロナ感染 

拡大を止めた国ばかりではないことがわかる。 死

者数が桁違いに多いイタリアやイギリス、 

アメリカでも、リーダーへの支持率は上がっている。 

イギリスのボリス・ジョンソン首相は、当初、対応 

が大幅に遅れ、感染者を激増させてしまった。 

しかし、その結果、自らも感染。退院後に医療 

従事者への感謝の言葉を動画で発信し、国民から 

共感を集めた。


 ■通常、国難時には支持率は上がるものだが、 

 日本は例外 


  こうした支持率上昇の背景には

 「ラリー・ザ・フラッグ効果」

 (Rally 'round the flag effect)がある。 


 これは1970年に政治科学者の ジョン・ミューラー

が提唱した理論だ。 

アメリカの歴史において、深刻な危機のたびに 

政権の


支持率が急上昇してきたことから、 

「国難においては、人々が国旗の下に集結 する

ように、リーダーへの支持が高まる」 という

結論を導き出した。


  例えば、湾岸戦争(1991年)の時には ブッシュ

大統領(父)の支持率は59%→89%に、 

9.11(2001年)時のブッシュ大統領(息子) の

支持率は50%→90%へと急騰した。 

日本でも、2011年の東日本大震災後、 菅直人内閣

支持率は一時的に上昇している。 


  こうした現象は、 

(1)危機的状況において、国民は極度の不安に

陥り 

→(2)リーダーや政権に自分たちを 守ってくれ

る存在として役割を期待する

 →(3)愛国的感情が高まる

 →(4)団結や連帯のシンボルとしてのリーダー 

の存在感が高まる、といったプロセスをたどる。 


 たとえばトランプ大統領は、就任以来、 「移民」

「民主党」「中国」 「世界保健機関(WHO)」と

次々に仮想敵を 作り、支持を集めてきた。 

「戦い」を演出する方法は、人心を弄する古典的な

手法だ。 

古今東西の指導者たちは、人々の不安や怒り、 恐怖

を自分の求心力に結びつけてきた。


 ■安倍政権は「究極のKY」だから支持率低下する 


 実は「非常時」を強調し、支持を呼びかける 

レトリックは安倍首相が得意としてきた論法で 

もある。 

北朝鮮のミサイル問題や少子化などを「国難」と 

呼び、野党を「国民と与党の共通の敵」と印象 

付けることで、自身のリーダーシップをアピール 

してきた。 


 そして今、人類共通の敵に立ち向かうという、 

真の「国難」にあって、まさにその指導力が 

問われているが、どういうわけか急速に求心力を 

失っている。 


 誠に残念なことである。 

狡猾な指導者であれば、この危機を支持率上昇 

の機会として存分に活用し、人心操作にも成功 

しているだろうが、現政権があえてそうしない 

のは、ただ単に「できない」からなのだろうか。 


 第3次世界大戦に匹敵するともいう危機的な 

状況で、国民は船長不在の航海を余儀なくされ 

ている。 

今回の危機の難しさは、敵であるウイルスは目に 

見えず、むしろ人々の恐怖や不安という感情との 

戦いとなっている点にある。 


 つまり、威嚇や脅しや経済制裁などの「力」が 

全く役に立たず、これまでのやり方は全く歯が 

立たないのだ。

求められるのは、きめ細かで スピーディーな対策、

そして人々の心に寄り添う コミュニケーション力

である。  


 ところが、安倍首相はこれらがからっきし苦手だ。 

心に寄り添うコミュニケーションができない。 

英語では空気が読めないことをTone deaf(音痴)、

 Out of touch(音信不通)と表現するが、 寄り添う

どころか、逆に神経を逆なでする施策や言動に、

国民はあきれ果てている。

 「なんでわかってくれないの」「これじゃない」。 

その悲鳴が連日、国中でこだましているように感じ 

られる。


 ■本当の「国難」に置き去りにされる国民は哀れ 


  日本の政治家なんてしょせん、その程度のもの。 

国民は、政治などに期待せずに、自らの責任を果た

せ。

んな声もある。 

しかし、平常時ならともかく、この本当の「国難」 

に、置き去りにされる国民は哀れだ。 


 だから、筆者は安倍首相にこれまで下記のような 

点を何度もお願いしてきた。 

□ 揺るぎのない強さとやさしさを持って、正面 

 から国民に向き合ってほしい。

□ 原稿など読まずに、前を向いて、自分の言葉 

 で話してほしい。 

□ 迅速に決断をし、徹底した情報開示をしてほ 

 しい。 

□ 国民の不安、恐怖、怒り、心配に自分ごとの 

 ように心の底から共感し、寄り添う姿勢を見せ 

 てほしい。 

□ 間違いがあれば、素直に認めて、謝ってほしい。 

□ 責任は自分にあることを明確に示してほしい。 

□ 国民のために身をていして、この困難を乗り 

 越えるべく粉骨砕身、取り組む姿を見せてほ 

 しい。 

□ 具体的な展望を示し、未来に希望の灯をとも 

 してほしい。


 ■日本国民は危機を解決してくれる「ヒーロー」 

 を求めている  


 世界のリーダーは上記のポイントをしっかり 

実行している。 

だから、彼らの言葉に多くの人が勇気づけられ、 

励まされ、涙を流す。 

そして「この人ならかじ取りを任せられる」と 

思えるのだ。

だから支持率が上がる。  


 安倍首相やそのブレーンの中に、 

「メディアや国民が、こうした危機にわれわれ 

をスケープゴートにして批判するのはおかしい」 

という気持ちが少しでもあるなら、日本はもう 

ダメだ。  


 国民は、こんな時だからこそ、はせ参じるべき 

「御旗」や、危機を解決してくれる「ヒーロー」 

を必死に探している。 

その役目を果たせるかどうか。

安倍首相は正念場 を迎えている。 

(コミュニケーション・ストラテジスト 岡本 純子) 


 【転載終了】 

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 >●安倍晋三首相(日本):39%(4DOWN) 


 奇しくも、安倍内閣支持率と一致します。 

政治意識ベルの低い日本人というのはここの 

層のことを言うのでしょうか?

 


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時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

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