「ネット申請にマイナンバーカードが必須」の意味不明!
現代ビジネス
【転載開始】
10万円給付
「ネット申請にマイナンバーカードが必須」
の意味不明
1億人以上が持っていないのに 2020.05.06
■まったく行き渡っていない
「現時点では、全国民の1%程度しか
オンラインでの電子申請を行っていない」
立憲民主党青年局長の中谷一馬 衆議院議員
はこう憤る。
長期化が避けられないことが明らかに
な ったコロナ禍に対し、政府は経済的な
負担 を軽減するため、全国民に一律10万円
の 給付を決めた。
このコロナ給付金をめぐって、にわかに
注目 を集めているのが、オンライン申請
に必要な 「マイナンバーカード」だ。
政府はマイナンバーのシステムを給付
に 活用する方針を打ち出しているが、
2015年の施行から5年が経過しても利用が
広がっていないマイナンバーを、いきなり
全国規模で活用しろといわれても、戸惑う
のが当然だ。
後述するように、制度設計に携わった
前総務大臣を含め、政府の担当者さえマイ
ナンバー制度をまったく活用していなかっ
たのだから――。
まず、給付金10万円の申請方法について
おさらいしておこう。
総務省の開設した サイトによると、
郵送されてきた申請書を市区町村の役所に
送り申請する「郵送申請」 と、マイナンバー
制度を利用してネット上 で申請する
「オンライン申請」の2通りの 申請方法が
ある。
後者のオンライン申請では、2015年に
全国民に配布された「通知カード」を元に
作成したマイナンバーカードが手元にある
ことが求められる。
マイナンバーカードを持っており、実際に
このオンライン申請を選択した人に聞くと、
30分もあれば申請できるという。
郵送してから振込まで2週間以上かかると
される郵送申請に比べれば、圧倒的に早い。
ただ、前出の中谷氏は、そもそも国民全体
にマイナンバーカードがまったく行き渡って
いない上、マイナンバー・カードリーダー機
の購入、または特定のスマートフォン機種に
よるアプリ経由登録までスムーズにできる
国民は、ごく少数ではないかと指摘する。
「私が衆院総務委員会でマイナンバー制度
について質問した昨年2月の時点では、人口
1億2770万人に対し、交付されたカードは
1616万枚でたったの12.7%、つまり8人に1人。
今年3月1日時点での交付枚数は約1973 万枚
15.5%と、1年強で2.8%しか伸びてい ない。
つまり現在も、1億人以上がカードを 持って
いないのです」
新しくマイナンバーカードを申請するには
およそ1ヵ月程度かかる。
早急な現金給付が求められている状況で、 時間
がかかってもいいから、わざわざマイ ナンバー
カードの取得から始めようという人 がどれだけ
いるだろうか。
<中略>
■大臣も「使ったことがない」
さらに呆れるのは、政策を進めた政治家
たちの当事者意識の低さだ。
先の中谷氏が2019年2月の総務委員会で質問
した際の議事録をみると、なんと当時の総務
大臣、副大臣、政務官の政権担当者全員が、
マイナポータルでの申請を利用したことが
なかったと述べている
(https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId =
119804601X00320190219&spkNum=50)。
〈〇中谷(一)委員 マイナポータル、ネット
の方の操作については利用されたことってござ
いますか。
〇石田国務大臣 私は利用しておりません。
〇鈴木(淳)副大臣 私もまだ利用したことは
ありません。
〇佐藤(ゆ)副大臣 私も、使ってみたいと
思いますが、まだ使っておりません。
〇大西大臣政務官 使ったことはございま せん。
〇國重大臣政務官 一応、どういうものか 確認
したことはありますけれども、実際に 実務とし
て使ったことはありません。
〇古賀大臣政務官 なかなか利用し切れて いな
いというのが実情でございます〉
制度を所管する官庁の首脳5人が、 制度開始
から4年が経った昨年の時点で、 使ったこと
すらなかったマイナポータル。
この非常時に、緊急性の高いコロナ給付 金交付
のために使うのは、とてもではな いが荷が重い。
「現在、個人向け給付金の受け取りに使 うた
めに、マイナンバーカードを作ろうと する人が
殺到している役所もあるとのことですが、コロナ
経済対策で密閉空間に人を 密集・密接させては
本末転倒です。政府には、コロナ給付金に乗じ
てマイナ ンバーカードを普及させようという
下心が あるのではないか、とも思ってしまいます。
しかし政府が真にやるべきは、マイナン バーカ
ードに固執しないオンライン申請の 促進を進める
ことです。 今からでも給付金のオンライン申請の
ルールを変えて、マイナンバー・カード リーダー
機なしでも、本人名の銀行口座 への振込ならば
運転免許証、マイナンバ ーなどの行政が把握でき
る個人情報を 入力して申請できる仕様に変更すれ
ば、 格段に手続きしやすくなり、結果として 行政
手続きのオンライン化を加速するこ とにもつなが
るでしょう」(中谷氏)
コロナ禍によって、これまで議論が 深まってい
なかった 「行政手続きのオンライン化」が一気に
注目を浴びることになった。
手続きができないことで困窮する事業者 や個人も
出ており、いまや猶予はない。
一刻も早く遅れを取り戻す必要があるだ ろう。
【転載終了】
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「一刻も早く」の緊急時にいったい
何をやっているのか。
郵送のものは更に遅れる可能性もあり
得ます。
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