「Go To トラベル」見切り発車の裏に・・・

 日刊ゲンダイDIGITAL 


 【転載開始】


 ■「Go To トラベル」見切り発車の裏に・・・ 

 旅行業界の阿鼻叫喚  公開日:2020/07/25  


 「重症者が増えている。特に(重症化

リスクの高い)高齢の方や、既往症のある

方は 出をお控えいただくことが重要と

考えている」


 東京都の小池知事がこう呼びかける中で 

始まった政府の観光需要喚起策 

「Go To トラベル」キャンペーン。

 東京都発着が除外されたとはいえ、

全国の 自治体首長などからは 

「このタイミングで強行して大丈夫なのか」 

「新型コロナウイルスの新規感染者を増や 

すだけではないのか」

といった疑問の声が 相次ぐ。 

にもかかわらず、政府はなぜ、 

「Go To トラベル」を前倒ししてまで実施に

踏み切ったのか。 


そこには阿鼻叫喚の旅行業界の台所事情が

あったのは間違いない。  


 観光庁が発表した主要旅行業者47社の 

旅行取扱状況(速報)によると、今年5月 

の総取扱額は、前年同月比97.6%減の 

95億7340万円。 国内旅行が同96.6%減の

81億7560万円、海外旅行が同99%減の

13億5850万円、 外国人旅行が同99.8%減

の3920万円で、いずれも壊滅的な状況だ。 

大手旅行会社の取扱額では、JTB (10社)

が同96.4%減、 KNT-CTホールディングス

(13社)が 同98.7%減、日本旅行が

同98.2%減と なり、海外旅行の取扱額が

ゼロ円の会社 も少なくなかった。 


 旅行業は、取扱窓口の旅行会社だけでは

なく、航空機やバス会社、旅館・ ホテル

に加え、観光地では飲食店、 土産品店、

タクシー・・・など、裾野が 幅広い。 

アベノミクスで喧伝されたトリクルダウン 

ではないが、大本の旅行会社の取扱額が 

前年比99%減という惨憺たる状況であれ 

ば、その先にカネがしたたり落ちるはずも 

ない。

つまり、このままだと旅行業者は 業界自体

が消えかねない瀬戸際の状況 だったわけだ。


 旅行業界に詳しいジャーナリストの 

渡辺輝乃氏がこう言う。 

「旅行需要が年間を通じて最も高まるのが

7~8月で、政府としても何とかして この

時期に『Go To トラベル』を実施し たいと

考えたのでしょう。『無策』だろ うと『見

切り発車』と批判されようと、 このタイミ

ングを逃すと本当に旅行業界 が深刻な状況

に追い込まれてしまう。思い 切って実施に

踏み切った理由はそこにあ ると思います」


 ■東京除外と60代以上の自粛要請でます 

 ます冷え込む  


 だが、旅行業界の起死回生を狙って 

「Go To」を始めたものの、東京発着は 

キャンペーンの対象外に。 

さらに菅官房長官は22日の会見で、 

「Go To」で団体旅行の自粛を求める 

「若者」と「高齢者」の目安について、 

「若者は20代以下を、高齢者は60代以上 

を念頭に置いている」と発言するなど、 

期待された旅行ムードは一気にしぼんで 

しまった。 


 「菅長官は自粛を求める年齢について、 

『60代以上』と言っていましたが、旅行 

需要で最もアクティブに動いている年齢 

が60代以上です。つまり、時間があり、 

お金に余裕があり、平日に動ける人たち。 

その最も大きい市場が動かなくなったら、

 一体誰が旅行するのでしょうか。東京除 

外と60代以上の自粛要請で、ますます 

『Go To』は冷え込んだとみていいでしょ

 う」(渡辺さん=前出) 


 旅行業界にとって、7~8月の団体旅行 

と並んで収益の大きな柱と期待を寄せてい 

るのが修学旅行だ。

5~6月の修学旅行は 中止となったが、

9月以降については実施 か、中止かを

決めかねている学校も少なくない。

保護者からは「若い人なら、新型 コロナ

に感染しても重症化しにくいと考え、 

強行しようとしているのではないか」 と

いった批判や憶測の声も出ているが、

 いずれにしても修学旅行さえも全滅とな

れば 旅行業界もいよいよ崖っぷちに追い

込まれる。 


 テレビのワイドショー番組では、 

「『Go To』は来年3月まで実施している。

 慌てて出掛けなくても十分、間に合う」

と 発言しているコメンテーターもいる。

これに対し、渡辺さんは

「そう簡単ではない」 と否定的な見方を

示しつつ、こう続ける。  


 「旅行代金は前払いが原則です。いざ、 

お金を振り込んだら会社が倒産してしま

っ た、という最悪のケースが出てくるか

もし れません。旅行会社は辛うじて持ち

こたえ ているものの、ツアーの日程に

組み込まれ ていた観光施設、飲食店が

突然、潰れると いう事態だって起きる

可能性があるのです」 


 旅行業界はこの先、社員の大規模な 

リストラや再編、淘汰の冬の時代に入るか 

もしれない。


 【転載終了】

 **************************** 


 今の若者には同情するしかありま 

せん。 


 確かに若者が大いに楽しむところ 

が多くあり、自重しろというのも酷 

なような気がしますが、今は、我慢 

の時ですね。 


 リストラで若者の失業が増えて、

 更には、新卒の採用取り消しや求人 

ゼロもあり得ます。 


  氷河期の再来になってしまいます。

 

LC=相棒's のじじ~放談!

時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

0コメント

  • 1000 / 1000